呆れるほどの無駄なジェラシー 番外編その2

終ったんです。

終ったんですが・・・(^_^;)

コメントからまたまた想像が~。

ちなみに2回戦の話じゃありませんよ~

*

「お早いお帰りで」

「子供達が気になるみたいでな」

手荷物を出迎えのセバスチャン(律儀な我が家の執事 丸山孝三郎)に少しだけむくれた表情の司が渡しながらつぶやいた。

チラリと私に送った視線。

目もとは下がって笑ってるんだから。

どっちもどっちでしょ。

もういっぱいいっぱい。

新婚時代を思い出したような甘い一時。

気怠さが心地よくて・・・

髪の中に滑り込んでる指先は時折、私の存在を確認するように緩やか引き寄せる。

司の寝息が何度となく耳元をかすめた。

もう何も考えられなくて、逞しい身体に何度しがみ付いたのか、それは覚えてないくらいの高みに連れ去られた夜。

記憶の代わりに体中に刻まれた司の甘い痕。

体中余すことなくさらけ出した気分は冷静に目覚めた途端羞恥心を呼び起こす。

ベッドにたどり着くまでの道筋を示すように脱ぎ散らかった服。

ここまで夢中にさせられた相手は今は規則正しい胸の動きでシーツを揺らしてる。

整った鼻筋をたどる指先。

そのまま唇の上をなぞって胸元までなぞる。

起こしたい気持と昨日の余韻を求めてる感情。

「ひゃっ」

胸元の中心をなぞる動きを止めるように司に手首を掴まれてしまった。

悪戯を見つかった子供の様な気まずさ。

自分でも頬が熱くなるのが分る。

「まだ、足りなかったか?」

「そんなわけじゃないから、なかなか起きないから・・・」

「もっといい起こしかたあるだろう?」

言葉がいい終らないうちにベッドの上に反転させられて背中がヒンヤリしたシーツに触れる。

「形勢逆転」

コロコロと喉を鳴らす様な司の機嫌のいい声が首筋を舐める。

「私は、起きてるから!」

焦った私の声に押し付けられていた上半身はベッドの上に起きて片膝をつく。

シーツの滑り落ちた裸体。

カーテンの隙間から差し込む日差しが引き締まった身体を浮き出させて輝く。

このまま雑誌の一面を飾ってしまいそうで、見入りそうな神々しさ。

忙しい時間のどの合間に身体を鍛えてるのか不思議でならない。

一晩中その中に抱き締められていて・・・

戻りたい気分に体の奥から上がる熱。

もう朝だって。

「あっ!お土産どうする」

こんな時は子供の事を思い出すのが一番!

司の視線が点線を作り私のお腹に注がれる。

今朝まで頑張ったぞ!的な視線で見るなッ。

思わずシーツを胸の上まで引き上げて隠した。

私が思い出したお土産は現実的なものだからね。

ホテルで子供が喜びそうなお菓子におもちゃを買い込んでチエックアウト。

昼過ぎには屋敷に帰り着くことができた。

「朝からずーとお子様たちは窓辺から離れないでお帰りをお持ちしてましたよ」

ぱっと明るくなった表情はすぐに私たちの胸に飛び込んで抱きついてきた。

司の腕には舞と翼。

私の肢には駿がまとわりつく。

「お土産はこれでいいかな?」

買ってきて紙袋を子供達に渡す。

子供の身体が隠れそうなくらいのいっぱいのお土産。

買い過ぎだ!の愚痴は今日だけは封印した。

「舞たちの言ったお土産は無理だって僕は知ってるから」

「昨日ね舞たちにもわかる様に説明しておいたよ」

無邪気なにっこりとした微笑。

耳元で声を落として私だけに聞き取れる声で駿がつぶやく。

え・・・と、分かる様にってどう?

気になるけど聞くのが怖い気がする。

「あのね、タネの話を二人にもしてやったの」

自信満々の駿。

褒めてくれるよねの要求の浮かぶ表情。

タネって・・・

それ・・・って

何年か前・・・

突然に駿が口にした疑問の時のかな?

「赤ちゃんの作り方」を、興味津々の表情で駿が聞いてきて絶句した思い出が甦る。

「お母さんの体の中に赤ちゃんの種をお父さんが入れるんだ」

そう告げた司を二度見した記憶が~~~~~ッ。

「まさか!」

「お母さんの体の中に赤ちゃんの種をお父さんが入れるんだって二人に教えたの」

駿の声に我が家の執事セバスチャンが手に持ったカバンを床に落とした。

年季のいった執事でも聞かなかったふりは出来なかったらしい。

「ねぇ、ママ、パパにタネもらったの?」

舞がにっこりと明るい笑顔を振りまく。

「パパ、ママにどうやってタネを上げるの?」

翼の声にそこらじゅうにいた使用人は蜘蛛の子を散らす様に離れて行った。

「どう説明するつもり!」

子供達を床に降ろして背中を向ける司の肩を掴む。

逃がすわけない。

「しっかり説明してやってよね」

言いたいけどそれは言えない。

「キスで、タネを渡すんだよね?」

「パパ、僕のお土産のタネは見せてくれるの?」

「えっ?あっ・・・それは・・・」

なに?駿にタネを見せる約束したの?

司との間で流れる冷たい空気。

お土産の中にタネらしきものはあったか?

「ママに使い過ぎて無くなったんだ」

駿の目の高さまで視線を落として真顔でつぶやく落ちついた声。

なに落ち着き払って言ってんのッ!

子供達が見てなければ確実に一発殴る。

「それじゃ、使い過ぎない様にしてよね」

無邪気な駿の声に気を失いそうだ。

この会話・・・

子供達が思春期になる頃には忘れて欲しい。

本気でそう願った。

拍手コメント返礼

ツックー様

私も間違いなく3人は覚えてると思います(笑)

理子様

タネのお話が好きと言ってもらえてきっと司君も喜んでると思います(笑)

つくしちゃんは微妙だろうなぁ。

こ茶子様

子供の質問には何事も真面目に答えてあげたいですが、本当にドキッとなる質問ありますよね。

これ以上突っ込まれたらどうしようと思いつつ言葉を選びながらドキドキ。

アーティーチョーク様

子供に強請られて困るお土産って妹か弟。

なかなかすぐには上げられないし、そのうち言わなくなるから大丈夫♪

我儘の時の3人は覚えてても話題にしたくないでしょうね。

Gods & Death様

子供達の話は無邪気で危険。

確かにそうですね。

あずきまめ様

使い過ぎて無くなった。

結婚記念日に水入らずの一泊ご宿泊。

周りで聞いてる大人たちにはリアルな想像が・・・

危な過ぎです。

りん 様

いえいえ、こちらこそお付き合いいただき感謝。

ほのぼの家族ストーリーが潤滑剤♪

あさみ様

最初の話が出たのは駿君3歳。

この頃の記憶って何処まで残ってるんでしょう?

小学生まで残っていたらきっと思春期になっても憶えてるでしょうね。(^_^;)

大人の動揺はきっと半端ないだろうなぁ~。

はる 様

この夫婦だからこそ何年たっても甘々を見たい!

少しは落ち着けってと突っ込みつつラブラブな二人を楽しみたいんですよね。(*^_^*)

ふにゃろば様

司の発言はつくしちゃんにしたら怒りを通り越して縁を切りたくなってるんじゃないでしょうか?

この場から逃げ出したいでしょうね。(笑)

「使い過ぎたんだから、当分禁止っ!」

「俺のはすぐ生産できるんだよ。半日で回復!」

ここでは確実に殴られそうだなぁ。

チャイルドシート

駿君がジュニアシートでなってるから何とかなるかなぁ~。

軽じゃ無理か。

ワゴンにUP♪

wahaha 様

こんな話が出来るのも無邪気なうちですよね。

あとどのくらいしたら道明寺邸でタネの話が出来なくなるのでしょう・・・(^_^;)

おくら 様

タネの話は大きくなった子供達には逆にリアルすぎるでしょうね。

その時の会話を忘れてることを祈ってるだろうなぁ。