我儘な僕に我儘な君 34

『生れる前~』ではやっと佑君が誕生。

あちらの方ではチッコイ可愛い佑君が動き回ってくれることと思います。

そろそろこちらの佑君にも頑張ってもらわないと二代目類になる可能性が色濃くなっちゃいます。(^_^;)

*

「舞」

翼と肩を並べて教室に向う舞を見つけたのは5分前。

翼の問いかけに笑顔を浮かべて、時にはちょっと膨れた顔で翼のわきっぱらを小突く。

子犬のじゃれ合いは昔からよく知っている。

小さい頃からそれを見るのが愉しくてしょうがなかった。

3つ離れて生まれた妹は、俺にとっては守る相手でケンカしたり言い合いできる対象にはなりえない。

翼と舞の関係は俺には羨ましい。

姉弟という関係より親友に近い存在。

俺は舞と親友になるつもりはない。

その気持ちわかってるよな?

時々無性に舞に問いかけたくなる。

デートもしてるはずなのに、依然と大して変わってない気がしてるのは俺だけだろうか。

好きだって告白した後の最初のケンカは、俺たち二人には全く意味のないケンカだった。

最初から、俺以外の奴を舞の瞳が追うのは許せないって言えば良かったんだって今なら思える。

気がつくのが遅すぎだ。

そんなことを思いながら教室までずっと舞の姿を見つめていた。

舞を呼んだのは俺に翼が気がついて手を上げた1秒後。

振りかえった舞の腕を掴んで教室に入る。

早朝の教室は登校してる生徒はまばらで、教科書を見ているやつや、友達と好きな芸能人を話題にしてる声が飛び交ってる。

「今日、暇?」

「えっ?予定は・・・ないけど・・・」

舞の視線は握られた自分の手首に注がれてる。

歯切れの悪い声はそのままぎこちなく唇を動かす。

俺に握られたままの腕を引き寄せながら教室の窓辺に二人で並んだ。

「俺とデートして」

舞の表情を覗き込んで二人の過ごしたいって気持ちをストレートに伝えた。

舞が断らないってことは分ってるのに心臓はドクンと跳ね上がる。

フフッと舞の口元がほころんだのが見えた。

「どうかした?」

俺の心臓の音が舞にも伝わった?

「佑と普通に会話が出来るって思ったらうれしくなっちゃった」

晴れやかに、俺をみつめてほころぶ笑顔がホッとしたって呟く。

舞。

そんな素直な感情を見せられると抱きしめたくるものなんだけど。

このままだとやばい。

握っていた舞の手は直ぐに放して身体を回転させると窓のサンに腕を組んでおいてその上に顔を伏せた。

拳一つ程度離れただけの舞との距離。

本当は、舞を感じないほどに離れなきゃダメなのにそれ以上は離れたくなくないって思ってしまってる。

「舞、俺を、焦らせないでくれるかな?」

手の平に顎を乗せたままチラリと舞に視線を向ける。

「どうして、佑が焦るの?」

きょとっとなった顔が上から俺をみつめる。

「舞のこと好きだってこと俺に意識させすぎ」

伸ばした腕を舞の頭の後ろに回して引き寄せた。

傾けた顔に触れる舞の吐息。

俺の頬に舞の長い髪が揺れてかかる。

ふんわりとしたシャンプーの匂いは舞の清純さそのままで、自分が男だって部分を十分に刺激する。

軽く触れて唇はあわてたように俺から離れて両手の手のひらで舞が唇を塞ぐ。

視線が重なった瞬間に耳まで真っ赤に肌を染める。

キョロキョロと落ちつきを無くした瞳は周りを確かめるように彷徨う。

「大丈夫、誰も気がついてないって」

気がつかれても問題ないって思ってるのは俺の本音。

相変らず教室内は俺達のことなんて気がついてない様に個別なザワツキをそれぞれの場所で奏でている。

翼だって槇との二人の時間を楽しんでる。

ほら、誰も俺達に注目してる奴なんていないぞ。

俺の側に舞がいるのはこのクラスじゃいつも見慣れた風景なんだから。

「なに、考えてるのッ!」

俺を責める舞は本気で怒ってるわけじゃないって分ってる。

「いいじゃん」

「いいわけないでしょう!ここ教室よ」

「教室じゃなきゃ良いんだ?」

舞の困ってる感情はだんだんと舞の落ち着きを無くしてる。

「なっ!」

開いたまま言葉が続かない舞に俺は笑ってしまいそうになった。

拍手コメント返礼

rickyberry 様

佑君の類化を阻止すべく、たくさんの応援が手元に届いてます。

どうなるか最後までハラハラしながら読んでもらえたらうれしいですね。

りん 様

つくしちゃん同様舞ちゃんもぐいぐい行かないといけませんよね。

流されちゃいそうですから。

こーは様

妹登場には私もびっくりです。(笑)

オリキャラの登場人物を増やすと性格の設定が悩みになるのになぁ~。

妹を登場させたほうが物語がまとまる気になっちゃいました。

かよぴよ 様

佑君の強い味方ですね。

応援に流される私・・・ダメだ~

純粋な恋愛中の2人を苦しめたらダメですよね。

それでも、恋愛に悩みはつきものさ♪

c4様

あきらの血色濃く引き継いでますよね我らが佑君。

ここはシッカリと舞ちゃんを落とすテクニックをパパに伝授してもらって~♪

その手法は舞ちゃん向きじゃないかもしれませんね。

アーティーチョーク様

ここからは佑君に頑張ってもらわないといけないんですよね。

舞の心をしっかりつかんでゲットできるか!

その後には巨大な司という壁も待ち構えてますからね。

考えたら佑君の恋愛が一番大変になってる気がしてきました。

一人っ子のつもりでしたが・・・(^_^;)

なぜか妹が欲しくなっちゃいました。

goemon 様

両思いになってすぐになんだか雲行きがおかしくなりそうな状況ですが、負けない様に佑君には頑張ってもらいます。

理子 様

佑君の妹のキャラをただいま作成中。

どんな女の子にするか和う枠しているところです。

あきらの双子の妹のキャラに似ていたらどうなるんだろう・・・(>_<)