恋の駆け引きは密室で 15

週末は佑君オンリーとなってしまいました。

突然妹まで登場させたし・・・(^_^;)

驚かせて申し訳ありません。

佑君に強い見方を付けてタックを組ませたらどうなるかと思いましての登場です。

舞ちゃんが大好きな妹は絶対お兄ちゃんと舞ちゃんに結婚してもらいたいという願望を秘めている設定で動いてもらいたいんです。

逆にめちゃくちゃになったりして・・・(^_^;)

頭を切り替えてこちらのつかつく。

この後どうなるのか!

司がこのままつくしを手放すはずはないし、つくしはハッキリするまでは司と離れていたいだろうしなぁ。

続きからどうぞ。

*

促されるままに、道明寺と一緒に車に乗ったのは失敗だったって思う。

私の目の前に座った道明寺。

真正面の道明寺を見るに見れなくて、行き場を無くして落ちつかない視線。

動き出した車の中で道明寺は直ぐに私の横に席を移した。

今は少しの振動で触れあいそうな肩に身体が落ちつかない。

さっきまで道明寺の胸の中に閉じ込められていて、すがりつきたい衝動を感じてた。

今、またその感情が生まれそうになるのを必死に心の奥に閉じ込めようと抗う。

これ以上優しくされたら、もう、私の感情は持たない気がした。

「しばらく俺と一緒に居てもらうから」

その声に車の窓から見える風景に目をやる。

私の自宅じゃなくどう見ても窓から見える見慣れた街並みは道明寺邸へと車が向かってるのが分かった。

「私を家に送ってくれてるんじゃないの?」

確認しても無駄なことは車が走る方向で示してる。

「本気で、言ってるのか?また危ない目に遭いたいわけじゃないだろう」

「これ以上は俺が、誰もお前に指一本触れさせない」

ムッとした瞬間に優しくなった瞳。

その瞳の中に映し出されてる私。

道明寺が私に見せる包容力にすべてを包み込まれた気がした。

一緒に居るのはちょっと・・・困る。

このまま一緒に居たら道明寺に甘えてしまいそうな自分。

それが許されないって思う自分との格闘。

意識が頭から飛びそうな感覚に足もとが落ちつかなく震える。

「牧野・・・」

不安そうな声。

「なんとか言えよ」

なんとかって・・・

返事しないと可笑しいよね。

私が納得したって思ってこのままじゃ道明寺の思うがままになっちゃう。

気がつくと・・・

道明寺の腕が・・・

私の肩に・・・

回されて・・・

抱き寄せられてしまっていた。

時間が止まったみたいに動けない私を道明寺の香りが包み込んでくる。

「どうして知ったの?」

夢を見てる感覚で口からでた言葉。

道明寺にはあれから全然連絡も取ってなくて、私が騙された件を知ってるのは花沢類だけ。

「類から聞いた」

そう告げる道明寺の返事を期待してる自分がいる。

それなら私はすべてを話してるわけじゃないから道明寺が私の悩みの本質を知ってる可能性は低い。

「写真・・・」

「写真?」

写真て、なに?

「昼間会社でお前の浮気の証拠だと写真を持ってきたやつがいる」

それって、私が眠らされてる間に撮られたって事?

どんな写真よッ!

気がついた時は服は着てたし・・・

そこまで乱れてなかったし・・・

それでも男性が私の上に乗ってる感覚はかすかに覚えてる。

ドクン。

ドクドク。

道明寺の次の言葉を待ちながら心臓が口から飛び出しそうだ。

「ごめん」

こらえきれずに私の方から謝罪。

「気にするな」

「ほら、高校のとき桜子にやられやつと同じ、免疫が出来てたから動揺せずに済んだ」

桜子の時って、眠らされてる間にベッドで下着姿で撮られた写真?

あれって学校内に写真が張り出されて大騒ぎになって、道明寺に信じてもらえないのが辛くて苦しくて・・・

ちょっと待て、感傷に浸ってる場合じゃない。

それって・・・

不安が確実に私に近づいて現実になりそうな気配を感じてる。

私は一度服を脱がされて、写真を撮られた。

その後に服をもう一度着せられたってことにならないか?

近くに置かれて小さな四角のごみが大きく拡大されて頭に浮かぶ。

その意味を考えるのが怖いよ。

道明寺が見たっていう写真の構図が卑猥な想像で頭をよぎる。

あの時以上のあられもない写真なら道明寺も私以上に動揺してるよね?

それとも、あまりのことで私を心配し過ぎてるとか?

だから私を慰めようと道明寺は大人になってるの?

聞かなければ良かった。

「あれはどう見てもヨダレを垂らして爆睡って感じのお前だったよ」

さっきまでの優しさのかけらもない鼻で笑う道明寺の表情が私を見下ろす。

「ヨダレって・・・」

道明寺の見せる横柄さに少しだけ心が軽くなった気がした。

「牧野、お前がイクと時の表情、知ってるの俺だけだろう?」

耳朶を道明寺の吐息がかすかに触れる。

唇にふくまれた耳朶は道明寺の唇の熱をとり込んで同じ熱を見る間に発した。

「ちょっ」

抗がって伸ばした腕はそのまま抵抗を受けることなく道明寺の身体を突き放す。

「ついたぞ」

大きな門をくぐって目の前に現れた重厚な造りの玄関。

開いた後部席のドアに私は単に道明寺を押し出しただけだった。

「つくし」

道明寺の後から降りた私を出迎えてくれたのは優紀に滋に桜子。

3人の姿に何も言えなくなった。

「俺よりお前のダチのほうが必要じゃないかと思って来てもらった」

「呼びつけたの間違いでしょう」

滋が遠慮なく道明寺に不満そうな声を上げる。

自分より彼女達が私には必要だっていう道明寺は何時もの道明寺じゃない。

何時も自分が一番じゃなきゃダメなのに・・・

「道明寺さんにここまでさせるって先輩だけですよ」

桜子が悪戯っぽくつぶやいて私の肩をポンとたたく。

「つくしが泣いてるって聞いて飛んできたんだからね」

そう言う優紀が今にも泣きそうな顔をしてる。

泣きつくしたはずの私の涙腺がまた緩みそうになった。

拍手コメント返礼

ぷりん 様

今回の司君は異常ですよね。

超がつくほどカッコよくて優しすぎです。

つくし以外にも見せたらヤバイですけどね。

何処までこの姿勢が保てるかは不安がありますけどね。

崩壊は突然やってくる♪

sayu 様

類君ただいま司の陰に隠れちゃってますが、しっかり浮上する準備は整えてますのでお楽しみに♪

まちゃこ 様

今回はまさに白馬の王子様的存在感で書いちゃってます。

彼氏だったら何時フラれるか不安でしょうがないかも。

りん様

本当につくしが辛い目に合っていたら・・・

司君はどうなっちゃうんでしょう。

相手への復讐だけじゃ終われないでしょうね。

cherry 様

何時もと雰囲気が違うままにお話は進んじゃってます。

クリスマスも近いし、甘い雰囲気に持って行けるようにお話を制作中です。