新年の始まりは? 続きのお話

ようやく御とそ気分から解放。

わが家に戻ってまいりました。

私の新年の始まりは、やはりこの場所。

正月UPのお話の続きは考えていたんです。

このお後は初詣のお話。

初詣のリクエストもいただいたのでこれは頑張って書くど~~~~~と正月から思った次第です。

コメントの返信が出来てませんがお許しください。

全部目を通してはいますが返信する時間がなくて・・・(^_^;)

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年令確認が出来てない方が若干いらっしゃいましたのでご注意を!

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実家を出て道明寺とポツポツと歩道を歩く。

「初詣でも行くか?」

まだ屋敷には帰りたくないとの気分が丸わかりの表情が私を覗き込む。

「時間大丈夫なの?」

道明寺に確認をとる私もちょっぴり意地悪。

「正月くらい、ゆっくりしても文句いわせねェよ」

いや・・・

黙って屋敷を抜け出した時点で、何か言われてそうな気がするんだけど・・・

西田さんとかタマ先輩とか・・・。

腕組みして待ち構えてる姿が浮かぶ。

タマ先輩が杖を振り上げないうちに帰った方がいいと体調を考えて本気で思ってる。

正月初詣TOP3に入る神社。

こんもりと茂った森に囲まれた石畳が続く参拝道。

大きな赤い鳥居が見えたあたりから人込みは中々前に進まない。

「初詣って、こんなに人が多いのか?聞いてねェッ!」

身体を押されながら道明寺がイラッとした表情を見せた。

大学の時に初めて二人で初詣に行った時と同じ反応。

わすれてたってわけじゃないよね?

「離れんなよ」

道明寺より前に押しだされそうな私の身体を道明寺の力強い腕が腰でささえる。

僅かに背中に重なる道明寺の胸元。

冷たい北風からも私を庇う様に包み込む。

この腕は絶対私を離さない。

そんな安心感を植え付ける。

まわりは前に進む少しの隙間も見逃さない様に密着。

私たちに興味を示す視線もなくて人の多さにも関わらずなんとなく道明寺と二人っきりだと思える様な錯覚。

賽銭箱に投げ込まれるコインが四方から飛んできてはチャリンと音を立てて箱の底に吸い込まれる。

数枚のお札が入ってるのを確認してもったいないと思うのは子どもの頃と変わらない。

飛んできたお賽銭がフードの中に間違えて入ってこないかと罰ち当たりなこと考えていたものだ。

私の横ではしっかり道明寺が万札を投げ込むのが見えた。

「なんだよ」

ジロリと上から私を見下す視線。

私が言うことは分ってると先を制する視線。

もうなんにも言わないわよ!

クスッとほころぶ私の唇を眺めた道明寺がチッと舌を鳴らして手を合わせた。

「なに、祈ったの?」

「俺が神頼みするわけねえだろう」

「お前も願い事するなら神社より俺の方が確実だといい加減に気がつけよ」

本気で言ってるから笑えない。

「人間のできる限界を知った方がいいと思うけど?」

「まあ、すべてが金で思い通りにいかないってことは高校のとき理解した」

なんて道明寺はツンと鼻を尖らせる。

「俺の知らないことを教え込んだのはお前だからな」

くしゃっとなった表情は予想外に優しく穏やかに微笑んだ。

その後すぐに真顔で、責任取れって傲慢に呟くのは余計だよ。

「願い事がないなら、なんで手を合わせたの?」

「お前の願い事を叶えてやってくれて頼んだだけだ」

「道明寺が頼んだの?」

神様にも頭を下げるタイプではないはずで・・・

わぁぁぁ

何か企みを匂わす様に口角をかすかに上に上げてフッと笑みを作る。

叶わなきゃ、この神社ぶっ壊す!とでも脅してそうな気がする。

「お前は、なに願ったんだよ?教えろ」

「願い事は他人に教えたら叶わないんだからね」

「俺は他人じゃねえだろうが」

他人って自分以外ってこと!

今さら言っても聞かないって凄む表情はマジ。

「しゃべるまで許さねぇからな」

神社を抜けてまばらになった歩道で首を絞められそうな気分。

逃げる私を追いかけて首にからかう様に巻きつけられて捕まったしまった。

乱れる息遣いは直ぐに頭の上から私の髪の先を揺らす。

「正月そうそうから体力消耗させんじゃねェよ」

ちょっと走ったくらいでなくなる体力じゃないでしょッ!

下から見あげた視線はそのまま道明寺の瞳に吸い込まれて絡みとられてしまってる。

未だに道明寺に真直ぐに見つめられると耐えられなくなる自分がいる。

「早く言え」

ぐるっと背中から逃がさないと巻きつけられた両腕。

さっきとは違って行きかう人の視線が痛い。

振りほどくには頑丈過ぎる腕はぐいぐいと身体を締め付ける。

「ちょっと、ホントに痛い」

「言えば放す」

唇の感触は頭から右の頬の横に降りてきて、肩に顎を乗せるように道明寺が動いた。

コートの中に籠る熱は数度上昇して汗が吹き出すのにそれほど時間はいらないって思う。

「そろそろ、赤ちゃん欲しいかなって・・・」

道明寺に聞こえたかどうかわからないか細い声でつぶやく。

少し緩んだ腕の力。

道明寺の見せる反応が気になるのに顔が上げられない。

道明寺の腕から逃げることも忘れてしまってた。

「それなら、やっぱ神頼みより俺様だろ」

やけに嬉しそうな声が頭上から降りてきた。

だから、言いたくなかったんだってば!!!

つかつく編の新年の始まりの続きのお話。

この続きはモチ♪

いえいえ考えてません。

言いつつ。

その続きを♪

四コマ漫画風です。

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「時間がもったいない」

ぐっと道明寺の手が私の腕を掴む。

「えっ?何?」

「何って決まってるだろう」

「それって・・・あれ?」

道端で発情するな!

「行くぞ!」

「行くって」

え!え!えーーーっ。

息切れしてる私をよそに道明寺の歩く速度は速くなる。

「満室・・・」

「なんで、空いてないッ!」

頭のてっぺんから突き抜ける怒号。

恥ずかしすぎる。

「家に帰ってからでも・・・」

ごにょごにょと道明寺の上着の裾を引っ張る私。

「帰ったら、それこそ西田が待ち構えていてそんな暇ねェよ」

道明寺が不満タラタラに吐き捨てるようにつぶやいた。

確かにそうかも・・・

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