新年の始まりは? (はぴまり編)

北斗と千和のお正月もぜひ♪

リクエストをいただいてます。

連載に戻れるのは何時だろう・・・(^_^;)

*

去年はいろいろあったなぁ~。

一番は茉優が生まれて家族が増えたことだけど。

ここ数年予想外の出来事が続いてる。

話もしたこもなかった社長の北斗に突然呼び出された理由が偽装結婚

北斗が好きになって、本当の結婚が出来たはずなのにお家騒動の危険に私を巻き込みたくない北斗と別れて、会えなくて、さびしくて枕を濡らした夜。

もう二度と離れることはないって一緒に過ごせる時間が何より大切で幸せ。

「やけに機嫌がいいな」

初めて3人で過ごす正月の朝。

「家族してるって、感じがするんだもん」

しょうもないことに感激するなみたいな呆れた表情を北斗に向けられても大丈夫。

北斗だって本当は初めて3人で迎えるお正月を楽しんでいるって思えるから。

大みそかから一生懸命作ったおせちを前に向かい合う。

テーブルの子ども椅子に座った茉優はしっかりスプーンを握りしめて催促気味に空のお皿の中の空気を救う仕草を繰り返してる。

まだ何も入ってないことにやっと気がついて半泣きの顔になった。

「まだあんまり食べれないだろう」

そう言いながらお雑煮の中の柔らかくなった大根を箸で一口大に小さくして茉優のスプーンの上に北斗が置いた。

もっととスプーンを差し出す茉優に食べれそうな食材を選んでは北斗が箸を動かす。

お父さんしてるんだよね。

北斗の茉優の世話をやく仕草を見てうれしくてしょうがない。

茉優の離乳食はべつに作ってあるのに北斗と茉優の姿が微笑ましくて離乳食を出せずに眺めてる。

「物欲しそうな顔するな」

しぶめの声にビクンと条件反射で身構えた。

正月そうそう意地悪な声を私に投げてこないでよ。

茉優に向ける優しさのせめて半分の温もりが欲しい。

「誰も欲しいなんて言ってないでしょう」

剥れた私をチラ見して、フンと緩む頬。

直ぐに笑みを隠す様にお椀に口をつける北斗。

茉優の関心は北斗から私の右側にある離乳食に移った。

最近なんでも自分でしなきゃ気が済まない茉優の周りは離乳食の残骸が散らばる。

椅子から身体を乗り出しておせちのお重の中に小さな手を伸ばす。

「駄目っ!」

落ちついてゆっくりとおせちを楽しむ暇はなさそうだ。

リビングのテレビから流れるおめでとうの声。

チャンネルはどこをまわしても正月の特番が流れてる。

ベビーベットで静かに寝息をたてる茉優。

やっとホッカリ出来る時間。

「起きてると目が離せなくて大変だけど、俺に向ける笑顔がたまらないんだよな」

やっと寝たのに起こすな

言いたくなる言葉を言えなくさせる北斗の甘ったるい表情。

愛しそうに小さい手の平をくすぐる様に北斗の人差し指が触れる。

「起こさないでよね」

「分ってるよ」

北斗の側に寄りそって二人で茉優を眺めてる。

寝てても起きてても見飽きない。

いつの間にか背中に回された北斗の腕が優しく私を包み込む。

「今年もよろしく頼む」

クスッとくすぐったくなる北斗の甘い声が私を包み込んだ。