Unfair 6
ここからはいつもの北斗の大人の手管で~
いやいや、ここは別な角度から!
たまには千和からの手管で北斗を落とせ!
夏休みに突入した皆様。
誰かに見られら即画面を閉じちゃってくださいませ~
そんなお話し私も今は無理です。
我が家にも邪魔ものがいるのよ~~~~~~~。
「本当に何もつけてないんだな」
ゆるゆると開いた瞳の中を覗き込んだ北斗の顔がぼやけて見える。
抱き上げられて条件反射みたいに北斗に回した腕。
しっかりと密着した身体は北斗の硬い胸元に自分の胸の膨らみを押し付けてしまってた。
最初は北斗が私を欲しいって言っていたはずなのに・・・
形勢は簡単に逆転された私のほうから北斗を求めてるみたいで・・・
下着をつけてないのはそんな理由じゃなくて!
北斗の余裕のある態度が気にいらなくて冷静さをなくした私が替えの下着を脱衣場に持ってくるのを忘れただけのこと。
まあ・・・
性急になって、何も考えずに抱き合って脱ぎ散らかされた服が床に散乱なんてこと・・・
なかったわけじゃないけど・・・
胸の形に添うように這わされた指先は柔らかい感触楽しむように膨らみを持ち上げて先端を軽く指先がはじく。
「・・・んっ・・・」
ただそれだけことなのにすでに北斗の手中にはまったみたいに触れられた部分から発する熱は全身へと広がり始めてる。
「・・・待って・・・」
北斗の胸元を押して少しでも離れようとしたのに・・・
胸に伸ばした腕は直ぐ様北斗の腕に囚われてシーツの上に扇状に腕を押さえつけられてしまってた。
次の言葉を発する前に塞がれた唇。
それは軽く触れただけの私の気持ちを解きほぐすようなやさしいキス。
それがすごく気持ちよくて・・・
やばい・・・
唇の柔らかい感触を確かめるようなキスは少しずつ深さを増す。
「・・・んっ・・・」
鼻から抜ける甘さの漂う声は北斗のなすがままで・・・
次第に熱を帯び始めた身体に身体の芯が疼き始めてる。
「ほ・・・北斗・・・」
唇はようやく離れて荒い息が唇を揺らす。
このままじゃ何もかもうやむやにされそうで・・・ヤダ・・・
先輩と一緒だなんて言い訳を信じてないんだから。
「だっ・・・ダメ」
身体の疼きを隠してやっとの思いで顔を背けた。
「なんで?」
「そんな気分じゃ・・・ないっ」
説得力のない私の返事。
信じてない北斗の表情はそのまま私を見下ろして、鼻先が触れ合いそうな距離感で濃艶な笑みを見せる。
「ダメだったら!」
北斗の唇は私の鼻先をかすめて離れた。
「俺一人でがっついてるわけじゃないはずだ」
ニヤリと笑って私から距離を置くようにベッドから身体を北斗は起こした。
北斗の触れられてしっかり反応を見せた私をからかってる嫌みな顔。
恥ずかしさと怒りで頭の中がこんがらがって・・・
これじゃ北斗の思い通りだってわかってるからなおさら腹が立つ。
「誰だかわからない女の人の香水つけて帰ってきた身体で私を抱かないでよ」
泣きそうになる感情を必死でこらえてる。
「お前、俺が信用できないのか?」
それはいつもの北斗の冷たさより冷たい声。
突き放されたような冷たさ。
こんな時怒って責めるのは奥さんの私じゃないの?
「冷めた」
不機嫌さを吐き出すように大きく息をついた北斗は寝室から無言で出ていった。