Unfair 5

お待たせしました週一のお約束♪

待たせられてるのは珍しく北斗も一緒かぁ・・・

千和が陥落させるには大人な北斗かはたまたドSな北斗かどちらがいいかなぁ~

絡みつく視線を感じながら身体を流れ落ちるシャワー。

シャワーの音より自分の心臓の音のほうが大きく聞こえてくる。

絶対北斗の言いなりにはならないから!

そう決心したはずなのに頑な心を溶かすのは上昇してる自分の体温。

お湯を浴びてるから熱いの当たり前。

北斗に見られてることを意識してるわけじゃない。

自分で自分に言い訳して一緒に浴室にいることを頭の中から追い出そうと必死だ。

今までだって随分と北斗にはみられてるんだし、浴室に一緒にいることだって初めてじゃない。

ドキドキする必要なんてないもの!

そう思いたいのに思えない。

北斗が私に近づいてきて抱きしめられたらすぐに陥落されそうな自分がわかる。

続きをしてほしかったらって・・・

いつもの傲慢なドSな北斗。

してほしい・・・

なんて私から言ったらいい気させてしまうのはわかりきってる。

大体、今回悪いのは北斗。

北斗のスーツの残り香。

あんなのどこでつけてきたのよ!

「続きなんていらないから」

シャワーを止めてドクンと高鳴る心臓。

心臓の音と一緒にムカつく声を吐き出した。

私を見つめるポカンとした北斗の表情。

すぐさまピクリと眉がつりあがったのが見えたけどそんなのお構いなしに浴室から飛び出した。

身体にはタオルを一枚巻き付けた状態でリビングのソファーに座りこむ。

勢いで浴室に飛び込んだのはよかったが着替えを準備するのを忘れてた。

下着は寝室の部屋の引き出しの中。

このまま寝室に行くのも北斗を誘ってるみたいで気が進まない。

あのまま北斗が浴室にいるとも思えないし・・・

浴室から北斗が出てきた気配を感じながら足を組んで腕を組む。

北斗より私のほうが不機嫌。

怒ってるって思わせたい。

それでも北斗が私の機嫌を取るってことは期待してない。

不機嫌な北斗を想像してどんな態度で出てくるのかとちょっとした怯えに似た感情。

てめぇって頬を引きつらせた表情の北斗を想像してる。

いつもより大きな音を立てたドアにビクリと驚いてソファーからお尻を浮かせてしまった。

予想通りの北斗の横柄な態度。

そのままつかつかと私の横にやってきてじろりと見下ろす嫌な目つき。

なによ!という間もなくいきなり覆いかぶさって奪われた唇。

「んんっ・・・」

咄嗟に逃げようと試みたけど背中に回された左腕と乳房に沿うようにあてがわれた右腕はしっかりと私の体のラインをとらえてる。

乱暴で・・・

突然で・・・

それなのに熱い。

一気に体中の熱が唇に集中してしまう。

見開いた視界には近すぎてぼやけてしまう北斗の顔。

始まりはいつも突然。

いきなり目の前につきつけられた契約結婚の驚きには負けるけど。

私としてはめえっぱい強がって、抗って、北斗の言いなりにはならないって思うのに、いつもキス一つで何もかも北斗の思いのままに飲み込まれてしまってる。

大胆不敵に鼻息荒く頑張ったのに強引すぎるキスに太刀打ちできない。

北斗のキスに答えるように自ら舌を差し出してしまってた。

チロリと軽く音を立てて吸い付いた北斗のキスはそのまま私から離れて突き放すように私の身体をソファーへと押し戻す。

「北斗・・・?」

物足りないって思いと一緒に北斗の呼ぶ自分の声。

「おねだりするんなら最初にやれ」

「なっ・・・」

おねだりって!

最初から北斗が勝手に要求してるだけじゃないの!

浴室への誘いも、キスだって北斗が強引に唇を重ねてきたくせに!

真っ赤になって絶叫しそうな一歩手前の私。

涼しい顔の北斗は上半身は裸のままで惜しげもなくその筋肉質の裸体を見せつけてる。

太ももに伸ばしてきた北斗の指先はバスタオルのすそをめくる。

「何よ!」

慌ててバスタオルを太ももに押さえつけた。

見えた・・・・・?

見えたって答えはにんまりとした北斗の口元に現れてる。

おねだりのつもりで下着をつけてないわけじゃないんだから!

「北斗なんか・・・・」

「北斗なんか?」

私の声にオウム返しで返す余裕の北斗。

大っ嫌い!!

叫べたらどんなにすっきりするのだろう。

愛情なんてない契約結婚だったはずなのに。

ドSな性格で全然やさしくなくて手に負えないって思うのに。

いつの間にか私の心の中から追い出せなくなってしまってた。

私の気持ちをすべて見透かしてるって、その余裕たっぷりの態度が悔しくてしょうがない。

えっ・・・?

私の目の前に寄せてきた北斗の洗いたての髪が頬をくすぐる。

いつもの北斗の匂いがふんわりと鼻先をくすぐって私を包み込む。

ふんわりと浮いた身体。

北斗の腕に簡単に抱きあげられて自然と私の腕は北斗の首に巻き付いてしまってた。

「今すぐ、お前の中に入りたい」

耳元に深く吐息とともに吹き込まれる北斗の甘い声。

おねだりしてるの北斗じゃないの?

何も言い返せないままにゆるくなったバスタオルはそのままほどけてパラリと床に落ちてしまってた。

拍手コメント返礼

nao 様

週一の更新を楽しみに待っていただきありがとうございます。

週2くらい増やしたいんですけどね。(;^ω^)

akko

北斗のおねだりは強要になる恐れありますけどね。

北斗だから許せるんですよね。