DNAに惑わされ 47
おはようございます。
さてこここらの~どうなるかなぁ・・・青葉君(;^ω^)
「鮎川久しぶり」
しっかりと興味を持った視線で鮎川を眺める青葉。
その視線を遮るように鮎川を背中に隠す。
「久しぶりって昼間会ったろう」
僕の後ろで鮎川はクスリと聞こえた声に顔を後ろに向けた。
僕がムッとしたことに気が付いたような鮎川の表情。
うつむき加減の顔のラインを揺らいだ長い髪が隠す。
照れ臭そうに見えた鮎川の口元。
なんとなく甘酸っぱい感情が胸の奥に広がって不機嫌さを示した自分が子供っぽく思えてくる。
「どう?惚れ直した?」
蝶ネクタイを指で挟んで強調するように自慢気な表情を青葉が作る。
まずは鮎川をほめるほうが先じゃないのか?
制服姿とは違ったドレスの装い。
いつもより大人びた雰囲気はドキリとさせるには十分すぎる。
「あっ、お前も似合ってるぞ。
着なれないもん着ると疲れるだろうけど慣れだから」
青葉から一つ上よりもっと上から見下されてる僕。
青葉、君には悪いが物心ついたころから正装にはならされてる。
たぶんこの違和感に気が付いているはずの鮎川。
楽しそんでる表情は学校で見せる表情より無邪気。
こんな派手なパーティーもこれで3度目とか。
芸能人に政治家ともしゃべったことあるとか。
青葉の勝手な自慢は延々と続きそうな気配。
「もう数え切れないほど参加してるでしょ?」
僕の耳元に寄せてきた鮎川の唇が小さく動く。
「できれば逃げだしたいよな」
自然と口にした言葉は鮎川と抜けだしたいって願望だったのかもしれない。
「誰か紹介してやろうか?」
グイと青葉が俺の腕を引っ張る。
鮎川との距離がわずかに離れてしまった。
邪魔だよ!
言いたい気分は直ぐに掻き消えた。
数メートル先に見えたのは道明寺司。
つまりは僕の父親。
その行く手を阻むように中年の男性に頭を下げられてる。
目鼻立ちがどこかで見たような・・・って思った矢先に青葉が「パパ」ってつぶやいた。
「今さ、俺の親父が話してるの道明寺HDの代表だぞ。すげーだろ。
知り合いなんだ」
「そうなんだ・・・」
「青葉さ・・・知ってんの?」
「なにを?」
「道明寺司・・・」
「ばか、道明寺司をしらねぇやつが日本にいるわけないだろう」
いや・・・
僕が聞きたかったのは父さんがお前のこと知ってるかの一点なんだけど・・・
じっと見つめてる僕の視線に気が付いたように父さんは軽く右手を上げて微笑んだ。
「なぁ、いま俺を見たよな?」
「親父が何か言ってくれたのかな?」
「もしかして話せるかもしれないぞ」
俺の襟をつかんで揺らす青葉の表情は興奮とうれしさがいれ混じって手が付けられない。
この会場で今一番の盛り上がりを見せてるのは・・・
青葉・・・君かも・・・
「そういや・・・お前も道明寺だったよな・・・」
突然僕を振るのをやめた青葉が父さんと僕を見比べるように何度も視線を移す。
ばれた・・・
気が付かれた?
父さんと僕。
青葉親子よりしっかりとした血のつながりはわかるって思う。
「苗字が一緒ってだけでも共通点で話できるな」
・・・って、考え付いたのそれだけか?
こらえきれなくなったようにはじけた微笑みを見せる鮎川が見えた。
拍手コメント返礼
あーちゃん様
青葉君、これがわざとじゃなきゃすごい大物かもしれませんよ。
将来道明寺駿を脅かす存在になりえる?
それは、ない、ない。(笑)
イタイキャラっていい具合にお話を盛りあげてくれるので好きなんです。
アーティーチョーク 様
いつも拍手コメありがとうございます♪
まだなんにも気が付いてない青葉君。
ありえないですよね。(笑)
どこまでいったら気が付くのかそこが楽しみの一つになってます。
もっと勘違いさせて自分の世界に浸らせてあげたいような気もしております。
りり様
司が親だといつ気が付くのか?
永遠に気が付かないとかあり?