はぴまり新年
はぴまりの二次を書き始めて考えてみればイベント的なお話は書いてなかったかなと・・・(;^ω^)
今年はこの二人のお話も書いてみようと思い立ちました。
はぴまりファンの方へのお年玉と受け取ってもらえるとうれしいかな。
*「明けまして、おめでとう。
今年もよろしくお願いします」
北斗の真正面に座って予定通りの新年のあいさつで頭を下げる。
「あぁ・・」
頭の上を通り過ぎた声はそこで途切れた。
おめでとうくらい言ってくれてもいいのにッ。
朝からお正月の装いで北斗は紋付き袴。
私もしっかり若奥様の装いで型染の淡いうす桃色の小紋を着てる。
北斗より時間は私の方がかかってるんだから。
しぶしぶと紋付に腕を通してくれたけど・・・
北斗の不機嫌な表情なんてどうでもいいほど似合ってる。
スーツ姿もカジュアルもなんでも似合うけど。
着物姿の北斗も見惚れる。
テーブルの上には日本のお正月を演出。
おとそにおせちのお重。
大晦日から一生懸命準備したんだから。
途中で「俺の相手はしないつもりか」って、中断を余儀なくなされたのは、それはそれでうれしかったけど。
自分のテンションがいつもより高かったのはわかる。
本当の夫婦になって初めてお正月を一緒に迎えたんだから、特別に感じるのも許してほしい。
北斗はそうじゃないのかな?
ちらりと見た北斗の表情はにんまりと動く。
「似合ってるよ・・・」
「お前の着物姿・・・」
そう言って、お雑煮のお椀で口元を隠した北斗。
思わずお椀を奪って「もっと言って」といいそうな自分を押しとどめる。
「おせちも食べてよね」
「数の子はニシンの卵で子宝や子孫繁栄を願う縁起物で・・・
黒色はこの一年まめ(まじめ)に働きまめに暮らせるようにと・・・
ごぼうは、家がその土地にしっかりと根を張って安泰にいう願いがあるんだよね」
おせちを作りながらその意味をしっかりと調べた私。
なんとなくその意味を北斗にも伝えたかったのは幸せボケかな?
「千和・・・」
きらりと北斗の瞳が怪しく光ったように見えたのは気のせい?
「お前は俺に昼も、夜も働かせるつもりか?」
栗きんとんを挟んでいた箸が緩んでポチンとテーブルのうえに落としてしまった。
北斗の表情がなんとなく・・・
台所でおせちを作る私を背中から抱きしめた時の・・・
あれに・・・ねぇ・・・
熱が・・・
触れられてるわけでもないのに箸の先から火が付いて全身を包み込む。
一気に灰になりそうなほどアツイ。
「とにかく、今日はこの後は初もうでに行くんだからね」
「連れていってくださいだろう?」
うっ・・・
人を使うことに慣れ切ってる経営者の表情がちらりとのぞく。
横柄な態度も自信たっぷりの表情も北斗の俺様っぷりを見せつけてくる。
イヤなのにそこで「連れていってください」と折れる私。
「最初からそう言えよ」
にっこりと満足そうにほほ笑む北斗が見せる朗らかな笑み。
そんな表情を見せられたら何でも許しちゃうよ。
「千和・・・」
キャー
名前を呼ばないでッ。
もう私が焦ってるのを楽しんでる意地悪な北斗の顔が目の前に迫る。
思わず目を閉じてキスされるのを待ってしまう。
今年初のキス?
違うか・・・
除夜の鐘をききながら(テレビの中の鐘の音だけど)ベットの中で交わした甘いキス。
日が昇ってからの初キッスということで・・・。
「行くぞ」
えっ!
浮いた身体はしっかり握られた腕によろけそうになる。
「時間がもったいないからな。
直ぐにでもお前の着物を脱がせたいところだが、俺も我慢してやるよ」
握られた手首はさっきにもましてアツイ。
まだおせち・・・途中・・・
そんな言い訳もできないままに初もうでに連れ出されてしまった。