はぴまり JOYFUL 16

久々に千和と北斗のお届けします。

久しぶりって久しぶりすぎでしょう!

そのお叱りはごもっとも。

PW申請メールで『はぴまり検索できました』との方が結構いらっしゃいます。

そんなメールをいただくと更新しなきゃって思いが出てくるんですよね。

でも花男のお話も更新したい。

そんな思いが交錯してつい重点はつかつくにいっちゃいます。

千和と北斗って結婚して子供が生まれたら落ち着いて何のトラブルもなさそうなのでお話が浮かばないんですよね。

今度北斗の浮気疑惑とかでお話し作っちゃおうかな。

千和が不安がっても言い訳もしない北斗とのすれ違いなんてどうでしょう?

ただいま妄想中♪

*

明りのついてる部屋はやけに静か。

ドアを開く音に敏感に反応して直ぐに聞こえるはずの「お帰り」の声も聞こえてこない。

靴を脱いでスリッパに履き替えて歩くリビングまで距離。

ドアを開けた途端「わぁ」とかなしだぞ。

警戒しつつドアを開ける俺。

リビングのソファーに座って茉優を抱いたまま身動き一つしない千和

茉優につられて一緒に寝たって感じだな。

授乳で睡眠不足なはずなのに俺の帰る時間まで起きて一緒にベッドに入って朝は俺より早く起きてるもんな。

「ムリしなくていいぞ」

「昼間はゆっくりしてるから」と返す千和

子供ができて今まで以上に動き回る千和は見ていても飽きない。

子育てそんなに楽なもんじゃない。

子育て経験者の相馬がくどくどと俺に言うんだ。

「楽しいとこばっかり参加してあとは任せたじゃダメですから」

「散らかし放題にしないでくださいね。社長に手がかからければその分楽できます

使ったものは元のところに戻せば部屋はきれいなはずです」

それができてれば千和が驚くほど部屋は散らかってねぇよ。

出産から帰ってきた千和にやっぱりねって言わせてしまった。

最近相馬がおせっかいばばぁに見えてくる。

間宮商事の社長の時の俺の秘書。

間宮から離れた俺が新しく会社を始めた時に間宮の会長が優秀な秘書を推薦すると相馬をよこしてくれた。

仕事面では相馬のおかげで能率はかなり上がってる。

「ムリしなくていいんだぞ」

小さく寝息を漏らす千和の顔を覗き込んでつぶやく。

それが聞こえたように伏せたまつげがかすかに震えた。

千和の腕の中ですやすやと茉優は眠る。

北斗に似てきたってお前は言うが寝てる顔はお前のほうにそっくりだ。

茉優から千和に移した視線が目覚めた千和の瞳とぶつかった。

「寝るんならベッドで寝とけよ」

「寝るつもりなかったんだけど・・・

いつ帰ってきたの?」

「お前が、間抜けに口を開けて涎をたらしたところから」

「嘘っ」

焦った表情の千和が慌てて確かめるように手のひらで口元を拭く仕草を見せる。

「嘘だ」

「あのねっ」

意地悪だとすねる表情で俺を見上げる千和

「今更、お前のどんな姿を見せられても嫌いにはならないから心配するな」

千和の腕から茉優を抱きあげてベビーベットに寝かせつける俺。

茉優を抱いたままの腕の形のまま千和は微動だにしない。

「どうかしたか?」

「愛してくれてるんだ」

「愛してるだなんて一言も言ってないぞ」

「言ってるようなものだよ」

俺の言葉一つにカチンと表情を変えて今は嬉しそうな笑みを浮かべてる。

感情が直ぐに顔に出るところは相変わらず。

それがおもしろくて楽しくて愛しい。

「勝手に勘違いして喜ぶな」

こいつを喜ばすより本音を引きずり出したくて、千和の神経を逆なでする言葉を選んでる。

脱いだ上着をソファーの背もたれにかけながら千和の横に腰を下ろしてネクタイを緩めて一息つく。

立ち上がった千和は無言のままに上着を腕に取り、俺のネクタイに伸びてきた指先は慣れた手つきでタイを解いた。

「お風呂入ってきたら、その間に食事作っておくから」

背を向けてキッチンに向かう千和の動きを止めるように動いた俺は千和の右の手首をつかんで引き寄せた。

「一緒に入るか?」

「だから、食事の準備があるんだって」

「今、俺がなにを食べたいのか知らないわけじゃないだろう?」

「えっ・・・っちょっ」

ソファーから立ち上がった流れで千和を抱きあげる。

「素直なほうが可愛いぞ」

戸惑った表情は唇をほころばせその頬は仄かに赤く染まってる。

「あのね。北斗」

「ん?」

「お帰り」

「おせぇよ」

軽く触れあった唇。

「北斗・・・」

互いの吐息が混じる近距離でつぶやく声。

再び重なったキスは長く次第に深くなる。

触れた唇の温度が絡み合う舌の感触が身体の奥からの熱を呼び起こす。

「するの?」

「いやか?」

「明日茉優の健診あるから、寝不足のまま外出できないよ」

やんわりとし拒絶に取り合うつもりはなくなってる。

唇で甘くなぞる耳殻。

「ひゃっ」

とっさに逃れようと千和が頭を動かした。

無防備になったうなじに俺の唇が位置を変えただけのこと。

「今夜はだめ、ぐったりして疲れが残ったらやだもの」

「明日に響くほどしなきゃいいだろう」

「できるの?」

真顔で確認してきた千和

「手を抜いて抱くなんてお前相手じゃ無理だな」

「え・・・っ?」

「お前相手だと俺の理性をコントロールする自信はないからな」

言葉を失って絶句した千和の頬はますます赤く色を染める。

「エッチなしで、ギュゥっとして寝るだけじゃダメ?」

「嫌がらせか?」

眉を寄せてしかめながらも本気で怒る気にはなれない。

「風呂でのお前の態度で考えてやるよ」

「それって・・・」

「一緒にいるぞ」

「えっ・・・ヤダっ」

二人で入った浴室の中。

千和の唇から漏れる吐息はシャワーの音にかき消されて、熱にこもる湯気に混じる水音だけが響いた。

拍手コメント返礼

kyoro 様

連載後のお話。

子煩悩の北斗に興味ありますよね。

俺様パパっぷりは想像すると楽しいのですが、なかなか続き書けてませんねぇ。

書く気はあるんですよ。

書けてませんが・・・(;^ω^)

茉優ちゃんに兄弟(姉妹)、どっちだろう?

それまで書けるといいなぁ~。