はぴまり JOYFUL 13
わ~ぁ
気がつけば12月。
ノルマの月一の更新も滞ってしまってました。(^_^;)
なんだか11月は忙しかったんですよね。
4周年のお話がなければ・・・ ← 言い訳。
司とはまた一味違った北斗の俺様が恋しいお方に今回はお届けします。
*「なかなか、片付かない・・・」
引越してから三日目。
床に置かれたままの段ボールがまだ部屋の中を占領中。
茉優の鳴き声に中断を余儀なくされ千和は段ボールから取り出した服をまた段ボールの中に戻した。
「俺が茉優を見てくる」
ベビーベットの中でぐずる茉優。
「おなかは、まだ空いてないと思うから」
俺達の寝室から聞こえた千和の声。
ということはオムツか。
慣れた手つきでベビー服のボタンを開いて全開。
女の子なんだなってしみじみ思う。
絶対他の男に見せるなよな。
赤ん坊相手に本気で思ってしまってる。
まだ20年は大丈夫だ。
25年でもいいぞ。
オムツを代えてご機嫌な声を上げる茉優を抱いて千和の元に戻った。
「このジャケット、着てるの見たことないけど・・・」
いるの?
捨てろといってる感情をもろに千和が俺に向ける。
「それ、いくらするか知ってるのか?」
イタリアで仕立てた一点もの。
固まった千和がスクッと立ち上がってクローゼットの中にジャケットをしまいこんだ。
「北斗のなんだから、少しは手伝ってよね」
「俺が手伝っていいのか?」
自慢じゃないが整理整頓しようとしてもなぜか始める前より散らかるんだよ。
向かい合って見つめあう視線。
両端から伸びてきた二つの点線はぶつかって真中で止まる。
千和が横顔を向けて深くため息を付いた。
「茉優も起きたから散歩でも連れて行こうかな」
気分転換だと大きく背伸びをする千和は何か俺に言いたそうな視線を向ける。
子猫の哀願的な表情。
何を俺に求めてるのか、分っても知らない振りをしたくなる。
最近はそれも出来なくなってる。
茉優にも千和にも甘くなってしまってる。
「俺も行くかな」
伸ばした腕をスカッと下におろしながら千和の瞳が輝きだす。
うれしそうな、期待感丸出しの表情。
そんな表情を向けられて俺の頬が自然と緩んでくるのが分かる。
千和には見せられない。
そう思う俺の強がり。
「外に行くか?」
誤魔化す様に両腕に抱いてる茉優をあやす。
俺を見ると茉優は、にこっとした良く笑顔を浮かべるようになった。
茉優の笑顔の影響でさっきより目じりが下がりそうだ。
ベビーカーを押す千和の横で歩幅を合わせる俺。
何時のまにか秋の気配を通りすぎて少し冷たくなった風が頬に触れる。
対面式のベビーカーの中は外気に触れる寒さを十分に防御できる機能を備えてる。
「数年だけしか、使わないけど・・・」
購入するのに財布の中身を必死に睨んでいた悩んでいた千和。
「使うのは茉優だけだとは限らないだろう?4、5人に使えばもとはとれるんじゃないか?」
「5人って・・・」
絶句ぎみの千和が決死の形相で購入を決めたのは出産の2か月前。
今でも鮮明に覚えてる。
「歩いてるとさ、いつもは気がつかない発見あるよね。
あっ、北斗は小さい頃はこの場所で過ごしてたんだよね。変わってる?」
母親が死んで親父に引き取られて過ごした高校までの時期。
親父のせいで母親と引き離されたと思って育った場所にいい思い出なんてあるわけがない。
「全然、興味なかったからな」
季節の変化も自然の色あいも感じる余裕もなく過ごしていた気がする。
他人に惑わされる煩わしさに距離を置いて過ごしていた日々。
好みじゃなった女にあたふたしてる自分が、意外過ぎて、可笑しくて、信じられなくて・・・
生れたきた茉優をあやす自分はあの頃の俺には想像できない。
パン屋さんだとか、花屋さん。
何処でも見かける店に一喜一憂。
千和の頭の中では明日の朝食の献立が出来上がってるに決まってる。
ベビーカーを俺に押し付けて店の中に入っていく千和。
店の中から俺に選んだパンを見せておいしそうだよって唇が動く。
味見もしてなくて良く分かるもんだよな。
あいつの単純さが心地よくてしょうがない。
自然と笑みがこぼれてしまってる。
「内緒だぞ」
ベビーカーの中の茉優も機嫌のいい声を上げていた。
拍手コメント返礼
b-moka 様
コメントありがとうございます。
お名前を拝見すると訪問していただいてるんだなとホッとしますよ。
12月になりましたね。
今年もあとひと月で終るなんて~。
来年の今ごろは受験生を抱えて、花男の世界に浸れなくなってるかもしれません。
ねぼすけ 様
はぴまりに誘われてご訪問いただくようになったんですね。
すいません(>_<)
なかなか更新できなくて。
北斗の子育て奮闘記見たくなってきたなぁ。