ANSWER 50

おはようございます。

10月から更新してなかった・・・。

2か月も過ぎるとどうするつもりだったんかすっかり抜け落ちてしまってます。

お話の構成はほとんど私の頭の中の引きだしの中なので記憶が飛んじゃうと大変なことになると実感中。

話がつながるかどうか少し不安の残る連載再開です。

路上の片隅。

向かい合って言いあうカップル。

照れ臭そうに笑って不満そうに尖らす唇。

先輩と呼んでる彼女の声からなんとなく想像できる関係。

感じる雰囲気は照れ臭さと甘える明るい光が混じりあう微笑ましさ。

仲のいい友達同士の上をいく感覚。

舞を見つけたのはほんの数分前。

先に足が止まったのは俺の袖を握りながら歩いていた本城。

半歩さがってついてきたその歩みは地上の中に足を埋め込ませたように重く動かなくなった。

目の前に見た二人の雰囲気にショックを受けた表情は目もとにかすかに涙をためてしまってる。

「大丈夫だから」

なんて言葉が気休めにしか思えない感情。

逆流しそうな思いとは裏腹に冷静に見てる自分もいる。

舞を信じてるとかそんなんじゃなくて・・・

舞が自分のそばからいなくなるってことが想定で来てなかった自分。

自分の知らない舞がそこにいて・・・

俺じゃない奴に微笑んでる姿。

舞は俺をあんな風に見つめてくれてるのだろうか?

そんな不安と戦ってる自分がまた不安になってる。

それは相手が大内じゃなかったとしても、きっと誰にで感じるイヤな感情なのかもしれない。

舞の笑顔を独り占めできない不満。

落ち着けなくなりそうな不満を俺より不安そうな表情の本城が軽減させてくれる。

「行こう」

俺の声にはっとした表情を浮かべた本城が顔を上げてこくんとうなずくのが見えた。

少しほほ笑んだ表情はわずかない笑みを浮かべてさっき見せた不安そうな表情は消えている。

真一文字に結んだ唇はいつものふっくらとした唇を半分のうすさに見せるほど力が入ってるのがわかる。

恭介様を信じてます!

なんて決心してしてそうな感情。

「私がバカでした。

私が勝手に恭介様をお慕いしてるだけですから・・・」

「ほんとに、好きなんだな」

本城の雰囲気に流されるようにもれた声。

「怒ってもいいとこだけどね」

俺も舞に無茶ぶりな感情を見せてもいいんだけど。

この子といると和む雰囲気に癒されてくるのがわかる。

いい子なんだよな。

「舞」

さっきより落ち着いた声で舞に自分たちがそばにいるって知らせることができたって思う。

「佑・・・」

俺の名を口にした舞の驚きと戸惑いの混じる声。

大きく見開いた瞳。

少の驚きと戸惑いを見せて赤らむ表情。

ほんのりと色づく赤みがかった頬。

そんな風に俺の名前を呼ぶなよ。

嬉しそうに名前を呼ばれるのが好きなんだぞ。

自分の名前が嫌いになる瞬間があるなんて思いもしなかった。

俺を見つめる視線はそのままわずかに先に動いて本城を認識したところで数秒静止。

痛いくらいに感じた視線は本城につかまれた袖口に止まってるのがわかる。

傷ついたような舞の表情にバツの悪さを感じとる。

その瞬間にかるくなった袖口。

俺から離れた本城のその手は慌てたように本城の背中に隠された。

「やっと、見つけた」

その場からなかなか歩こうとしない本城をそのままに二人に近づく。

「ごめん。

私・・・

佑を引っ張ってるつもりだったんだけど・・・」

そう言いながらちらりと気にするように舞の視線は斜め上に向けられてる。

その視線を受け取ったように大内は片方の口角を上げてフッと息を軽く吐くように笑う。

「そんな、バカにしたように笑わなくてもいいでしょう」

今にも横っ腹に一発いれられそうな不服な表情で舞が大内を睨みつける。

「めんどくせぇ」

「はぁ?なんて言ったの?」

「なにも・・・」

「めんどくせぇって言いませんでした?」

「なんだ?聞こえてるんじゃねぇか」

会話するたびに互いの睨み合う顔が近づいてる。

「お二人とも随分と仲良くなったんですね。

恭介様と舞さんが仲良くなるのは私、うれしいです」

朗らかににっこりと笑う無邪気な笑顔。

にっこりと笑ったその表情はそのまま舞と大内の手をとって本城が真ん中に手をつなぐ。

あれはどう聞いてもしょうもない言い合いをしてるだけで仲がいいと読み切れる会話の内容には聞こえない。

ククっと小さく笑い声を漏らしたのは俺よりも大内のほうが先だった。