新春お年玉のおまけ パートⅡ

おはようございます。

日常の忙しさと体調不良でなか先週からぱたりと更新できなくなっておりました。

以前は緊急に備えてのストックを用意する余裕も時間もなったんですけどね。

申し訳ないです。

PW申請でのご連絡滞っております。

本日より随時返信させていただいてますのでもうしばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます。

お年玉メンコのお話の続きのリクにふにゃろば様が応えてくださいました。

早速私流のアレンジを加えてUPさせていただきます。

セリフはすべてふにゃろば様作でございます。

ふにゃろば様ありがとう♪

「あ、類パパたちだぁ~」

扉の開く音に素早く気が付いたのは翼。

輝く光りを背に現れた3人。

会いたくないときに限ってタイミングよく現れるイケメン3人組。

「パパたち、いらっしゃぁ~い」

パタパタと足音をならして3人に走り寄る舞。

膝を落として背をかがみ交互に、花沢類、西門さん、美作さんと抱きあう舞に完全に司の眉は10時10分を指し示している。

そんなことは承知してる3人がにんまりしてるのはいつものことで・・・

わざとらしくいつもよりギュッと舞を抱きしめちゃってる。

もう!この人たち!

正月早々から司を刺激しないでもらいたい。

「いらっしゃい。明けましておめでとうございます」

姿勢を正してまじめにあいさつする姿は、ほんの数時間前我が家に年始にきていたお偉いさんに長男だと自慢気味に見せびらかしてる司の横でまじめに練習したとおりに挨拶を繰り返していた駿の姿。

数時間じゃその律義さは抜け落ちないらしかった。

「お。相変わらず駿が一番しっかりしてるな」

ポンと駿の頭を撫でて褒めてくれる西門さんにうれしそうな駿の表情。

「そうだな。ホントに司の子供か?」

司に視線を移す美作さんに司の口元がムッとするのがわかる。

「牧野がよく躾てるからね」

いやぁ~それほどでも・・・あるかな?

にっこりと私に微笑んでくれる花沢類に悪い気はしない私。

鋭く私を睨みつけてきた高圧的な視線に緩みかけていた私の口元は動きを止めた。

やばっ・・・

「僕たちだって、できるもんっ」

「うんっ」

「「明けましておめでとうございましゅっ」」

駿に負けじと褒められたいツインズが同じタイミングでご挨拶。

ピッタリとハモったその声は舌足らずな発音までしっかり同じで微笑ましい空気を作ってくれる。

その空気にのっかれないのはただ一人、司だけだけど・・・

「うん。二人とも、よくできたね」

花沢類の声にすっかり舞と翼も満足そう。

「あら、みんな。いらっしゃい。明けましておめでとう。今年もよろしくお願いします」

ちょっと落ち着いたところでようやく私も新年のあいさつをすることができた。

「あぁ、こっちこそ。葵と佑からもよろしくと伝えておいてくれって」

「あれ? そういえばお二人は?」

そういえば美作さんが葵さんと佑を連れてこないのも珍しい。

お年玉のやりあいができるのは残念ながら美作さんところの佑だけ。

うちは3人だからいつも悪いって思っちゃんだよね。

そんな損得はこの人たちにはないってわかってるんだけど私としては毎年気が引けちゃう。

「オフクロにとられた。

俺が新年早々出掛けるって言ったら、『なら、二人はおいていってちょうだいっ』とさ」

置いていってちょうだいなんだ・・・

にこやかに佑君と葵さんをしっかりと囲い込んでるモードの美作さんのお母さんが想像できちゃう。

置いておきたくなくてもたぶん負けちゃったんだろうな・・・

それとも葵さんがあきらめて行ってきていいよって送り出してくれたんだと思うけど。

「結構なことじゃねぇか。嫁・姑関係が良好なら、お前も悩まずにすむだろ」

「まぁな。そういや、司は?」

西門さんのとこはそんな心配あるのかしら?

だから結婚しないのかな?

まだ結婚のけの字もないのに嫁姑の問題に精通してそうな西門さんになぜか納得しそうになる。

司はって今更、聞かないでッ。

「さっき西田さんから、連絡がはいってね。ブツブツ言いながら出掛けたわ」

休みも休みじゃないのは司だけじゃない状況は承知してる。

西田さんもここに住んでるんじゃないかと思うほど入り浸りだもの。

家族といるときは少しは西田さんも時間を作ってくれるから、それを利用して司も私たちのそばにべったりなんだけど、

それもどうやら限界だったらしい。

渋ーい不機嫌な顔のまま出ていく司をこの3人も見ていたはずなのに人が悪いつーの。

「正月早々かよ。アイツも大変だな。そういや、お前らその荷物は何だ?

 総二郎は箱を持ってきてるし、類は段ボールを抱えてるし」

「さっき、司が電話かけてきてな。『年玉のブラックカードをおもちゃにして、壊したぞ! さすがに俺様の子だっ』ってな」

西門さんは俺の子だッてところが気にいったッて感じにやけに強調してくる。

「それで怒らずに自慢するところが、司らしいね」

花沢類ッ!

そこ笑うとこじゃないからッ!

「だな。それで、『おもちゃって、何したんだよ?』って聞いたら、『メ…、メンチ? メンコ?とか言ってたな』ってさ。それでウチの弟子の玩具会社の会長に尋ねたら、『ホウ、懐かしいのぅ。売れ残りの在庫でよろしければ、我が社の倉庫にありますぞ。よければ、差し上げましょうか?』って言われてな。駿達なら喜ぶかと思って、もらって来た」

西門さん!

その30センチ大の箱にメンコなの?

いったいどのくらい入ってのよ!

一人数枚で十数枚でいいのにッ

使いきれないであろうメンコの量を想像しちゃう。

「「それで、その荷物か…。んで、類。お前は?」

美作さんも箱の大きさにはふれないんだ・・・

「ん。牧野に『お年玉は何がいい?』って聞いたらさ。『段ボール』って言われたから。『トラックでどれくらい?』って尋ねたら、『そっ、そんなにいらないっ! 手で持てるだけでいいからっ』だって。遠慮しなくていいのに」

「遠慮なんてしてないっ! ホントにそれだけでいいのっ」

遠慮したつもりはないけど・・・

段ボールを探しててちょうどいい段ボールがなかったときに花沢類から連絡があって・・・

つい言っちゃったんだよね。

お年玉に段ボールって本気にされないって思ってたけど、さすがは花沢類だわ。

「段ボールって…。そんなの、どうするんだ?」

一番不思議がってるつーか面白がってる表情の西門さん。

普通お年玉を段ボールでって言ったら、その中にお札を入れてきそうなのは司だけじゃないって思う。

案外この3人もお金の価値観は司と大差ないもの。

「うん。これでメンコを作ろうと思って」

3人の意外そうな表情が私を見つめる。

そうだよね・・・

作るより買うが当たり前の御曹司。

手作りの良さもあるんですッ!

「ママ、メンコって作れるの?」

「そうよ。これを切ってね、絵を描くの」

私の腕をギュッと握ってツンツンと引っ張る駿の表情は興味津々。

「ふぅ~ん」

翼は今一つわかっていない表情でつぶやく。

「舞、コッチのほうがいいな。前のはカタくてすぐにお手々がイタくなったもん」

そりゃ・・・

あのカードブラックだけあって丈夫そうだったもの。

「プッククッ。さすがに牧野の娘だなっ。司のブラックカードより類の段ボールかよ」

西門さんは笑いを止めらない顔になってしまってる。

「舞は見る目があるからね」

花沢類!

そこは見る目というより子供の素直な発想よ。

「んじゃ、これはいらねぇか」

せっかく持ってきたメンコはそのまま捨てそうな西門さん。

「せっかくだから、開けてみましょうよ。」

それはそれでもったいないと慌てて箱を奪い取る私。

「……わぁ~っ、スッゴォ~イっ! 昔の懐かしいヒーローやキャラクターがいっぱいっ」

さすがは既製品。

それも昔のものから今はやりのテレビものまでそろってる。

あっ・・・

これ駿が生まれた時に見ていたテレビのヒーロー。

覚えてるかな?

「へぇ、確かに。俺らが知ってるのもあるぜ」

箱を上からしっかりと覗き込んできたのは美作さん。

美作さんが知ってるって・・・

ヒーローじゃなく女の子のヒーローもの手に取ってるんだけど・・・

「で、牧野。コレッてどうするの?」

花沢類は印刷された画には興味を示さず一枚のメンコを珍しそうに手に取って裏表を眺めてる。

「あのねあのね。これを置いてね」

舞がメンコを一枚床に置く。

「んで、コッチを叩きつけるんだ」

翼がもう一枚のメンコを取りた床にたたきつける。

音は大きいがメンコは裏返らない。

「ひっくり返ったら、勝ちで相手のを自分のにできるの。牧野のお祖父ちゃんに教わったんだ」

一応駿が気を利かせて説明を付け加える。

その横で膝をついてメンコを眺めていた翼は自分の手でメンコをひっくり返した。

「それは反則だよ」

悪びれない顔はそのまま裏返ったメンコを自分のものにして立ちあがって類の背中に隠れた。

もっ!

怒りながらも笑っちゃうけど。

「三人とも、物知りだね」

類はそう言って、翼の達の頭を撫ぜる。

「俺のがあるなら、手作りはやめるか?」

「ううん、やっぱり作るよ。西門さんが持ってきてくれたのもいいけど、お手製って世界に一つだけだから」

作る楽しさも子供たちには教えたい。

ナンバーワンよりオンリーワンか。牧野らしいね」

類の声になんとなくみんなが段ボールの前に集まる。

「なら、絵を描くのは俺に任せろ。俺だけ手ぶらだしな」

「なら、俺らは切っていこうか」

美作さんの声に西門さんが応じるようにつぶやく。

「僕らにも、させてよ」

「「させて、させてっ」」

先を争って子供たちが段ボールに飛びついた。

それはまるで先生を奪い合う幼稚園児。

「それじゃあ、あんた達はパパ達が切りやすいように、線を引いてくれるかな」

イケメンパパからイクメンパパに変わったパパたちが動けるように子供たちに仕事を分担しなきゃ。

「線?」

私の声に真っ先に反応したのさすが長男坊。

双子の前に立ちしっかり子供たちをまとめてくれちゃってる。

「そう。自分達の手を紙に当ててね。持ちやすい大きさになるように。ほら、こうするの」

段ボールをもってお手本を示す。

「うんっ」

「舞もやるっ」

しっかり子供たちの興味はパパたちから私へと移行成功中。

「さすがだね。危ない刃物を使わせないように、納得させるんだから」

花沢類ごめん。

私、そこまで過保護じゃないよ。

失敗してみなきゃわからないことあるし、怪我しなきゃ痛みを理解できない部分ってあると思うから。

手順として一番最初の段階を示しただけで・・・

そこまで想像してたわけじゃないから・・・

なんとなく花沢類の言葉が恥ずかしいけど・・・

言い様にとらえてくれてるのはうれしいかな。

もうッ

みんな夢中でメンコ作成中。

「おいっ、こんなのはどうだ?」

「おいおい、これって司か?」

美馬さんが書いたのって・・・

髪の毛がクルクルなんですけど。

「表は笑顔で、裏は怒り顔か。いいんじゃない?」

花沢類の声に思わず吹き出してしまいそうになる。

「さすがに美作さんだよね。何させても器用なんだから」

それに和をかけるように子供たちの「パパだ~」の声。

「ママ、僕も描きたい」

「じゃあ、パパ達が切った紙に描きたい絵を描いてね」

駿に渡すメンコ大の段ボール紙。

「僕もっ。パパやママを描きたいっ」

「舞もっ。舞、佑君描くから、あきパパ渡してくれる?」

「いいよ。佑も喜ぶだろうな」

舞と翼はすっかり美作さんが面倒を見てくれてる。

「スゴイねっ。描かれた絵がそれぞれの似顔絵で、表が笑顔なら裏は泣き顔や困り顔とか」

はじまりは美作さんの司。

司からはじまって子供たちやF4にタマさん、西田さんまで出来上がってる。

「表と裏で表情が変わるのがいいよね」

花沢類は相変わらず裏と表を見ながら楽しんでる。

それ・・・

メンコだから・・・

遊びからわかってるのか少し不安。

「あきら。お前、それ嫁さんか?」

美作さんの手元を覗き込む西門さん。

「あぁ。葵もこんなの喜ぶだろうから。牧野、コレもらっていっていいか?」

「えぇ、勿論」

葵さんも庶民派ですからね。

「あきパパ、舞のもだよ。ちゃんと佑君に渡してね」

「ハイハイ、任されました」

舞の一番は相変わらず佑君。

今ここに司がいなくて本当によかったよ。

舞から美作さんの手に渡る前に破棄しそうだもの。

「クッ、この年であきらをパシリに使うとはな。将来が楽しみだ」

西門さんの笑いのツボは司でも舞でも一緒なのね。

出来上がったメンコを早速試作。

意外といける。

「やった。これで牧野は俺のだ♪」

「ちょっと、類っ! まぎらわしい言い方やめてよね」

類のちょっと落ち着いたやさしい口調がとてもメンコをとって喜んでる風には聞こえない。

「ん? だってこのカード、欲しかったもん。舞が描いた牧野の絵なんてレア中のレアだし」

「おぉ、怒ってた司が泣きベソになったぞ」

その横でタイミングよく西門さんのメンコが司のメンコを返す。

「結構ハマるな、これ」

美作さんから放たれたメンコが司のメンコの上にのっかってるし・・・

「てめぇらっ、俺の留守中に何楽しんでんだよっ」

いや・・・これは・・・

思わず床に転がったメンコに身体をかぶせたくなったがすでに遅く・・・

「これパパだよ」って嬉しそうに舞が司にメンコ渡してるし・・・

「上等だな」

「総二郎!類!あきら!

てめえらのメンコ全部、裏返す。出せッ!」

怒鳴る司の視線が花沢類の手にもっている私の似顔絵付きのメンコに気が付いて怪しく光ったのが見えた。

*後日談:英徳で「お正月にしたこと、もしくは楽しかったこと」の発表があり、

道明寺の子供達は、「パパ達と『メンコ』を作って遊びました。

とっても楽しかったです♪」と言ってしまったので、F3お手製の『メンコ』はプレミアムがついたとか?

後日談のお話までふにゃろば様笑わせていただきました♪

ぜひこのメンコ見て見たい。

どなたか作りません?