恋の駆け引きは密室で 20

やっと続きが書けるぅ~

ここからハラハラドキドキの展開が待ってるので正月の楽しい気分が過ぎるまで待っていました。

これでようやく今年も始動開始って感じですね。

今年もお付き合いをよろしくお願いいたしまするぅ♪

*

摩天楼を見下ろすビルの最上階。

星の輝きを吸い込んで見えなくする人工の光。

その光を見下ろしながら吐く息が窓ガラスを白く染める。

「目的がわかんねぇ」

3日で俺の元に上がってきたサイモン・ブラットリーに関する報告書。

一代で財を築いた財産家。

黒い噂が付きまとって消えないのはひと財産を築いたやつには良くある話。

世界の大物や国家と取り引きする奴が、狙ったのが牧野でそれも小娘を使ったねつ造写真での俺への脅し。

やることが小さすぎだ。

直接俺を狙う方がまだ理解できる。

素早い行動力と緻密な計算高さでサイモン王国とまで言われてアメリカ政府にも一目置かれてるそんな奴が、どうしてこんな事件を起こす?

ホントわかんねェ―ッ!

最終目的は俺って事は、なんとなくわかる。

サイモン・ブラットリーと会ったのは前回の俺を小ばかにしたい態度が、初対面で、何等か仕掛けられるような付き合いは始まってない。

タゲートにされてる意味が見えないうちは動きようがない。

「コンコン」

就業時間も終わった時間。

こんな時間にアポイントもなく来訪者を告げる声。

「どうした?」

入室して来た人物はそのまま優雅に一人掛けのソファーの腰かける。

「突然すまん」

相変らず俺以上の横柄な態度。

詫びを入れてる態度じゃねェだろう。

まあこいつならしょうがねェか。

苦笑気味にマルクを眺めた。

中東某国の王子。

アメリカ留学時に知り合った。

護衛を撒いて街に飛び出してどう動いていいかわからず迷っていたマルクを偶然助けたのが俺。

庶民の店でお金を払わずに出て行こうとしてた世間知らず。

まあ、俺もマルクのことが他人事だとは思えなかった経歴がある。

牧野にずいぶんと感化されてる。

じゃなきゃ、泥棒と間違えられてるやつに手を差し伸べるはずもない。

親切にされた恩は最大のもてなしで返すが流儀の感覚で兄弟以上のつながりで親密差を示す。

今じゃマルクの国と道明寺ホールデングとの経済的なつながりも大きい。

アメリカに来たからあいさつに寄ったなんて暇なやつじゃない。

「久し振りだな」

俺が日本に戻ってからは久し振りの対面。

「気楽に挨拶してる場合じゃないんだ」

「サイモン・ブラットリーを知ってるか?」

マルクの口から予想もしなかった名前に敏感に反応したことを隠せずにガタンと椅子から身体が浮き上がった。

「道明寺を排除して我が国との取引を一手に引き受けたいと申し出があったよ」

やっとつながったと思った意図は国家がらみ。

ますます牧野を巻き込む必要なんてねェじゃねぇか。

「私は司、お前との関係を絶つつもりはないと断ったが、サイモンの動きが不気味で、お前にも注意を促すつもりで来たんだ」

なんでも力になるそう言い残して数分の面会でマルクは部屋をでた。

黙ってマルクからの話を俺から聞いた西田も考え込んだまましばしの沈黙が続く。

このままで済むはずはない事だけは俺も西田も理解してる表情を浮かべ合う。

「どう思う?」

「今回のつくし様の事件は代表の婚約者を確認するためのもの?」

つくし様の情報は一般には漏れない様に極秘扱いにしてますからとチラリと俺にくぎを刺す視線を西田が見せる。

婚約者がいるとサイモン・ブラットリーに食って掛かって、結婚を牧野に迫った俺は飛んだピエロってことか?

つくしにちょっかい出して、俺がどれだけ素早く本気で動くか試されたって事か?

「代表のアキレスはつくし様だとバレバレでしょうね」

それならまた牧野が狙われて駆け引きの道具に使われる可能性は高いってことになる。

「西田、牧野の護衛を増やせ、それよりしばらく大学も休学道明寺邸から出すな」

「すぐに手配します」

事を悟った表情は素早く踵を返す。

ため息をついて椅子に深く坐った俺の胸元に携帯からの着信を振動が伝える。

「なんだ、今、忙しいだよ」

「司、よく聞け」

あきらの神妙な声。

嫌な予感が頭をよぎる。

「牧野に何かあったのか!?」

携帯を握りしめる手に同調するように声が震える。

「牧野と類の行方が分からなくなった・・・」

牧野と類・・・

類まで一緒?

あいつが一緒なら必死で牧野を俺に変わって守ってくれるはずで・・・

類がついていてなんで簡単にさらわれるんだ。

それだけ用意周到に計画されたんじゃ牧野たちの居場所はそう簡単には見つけられないかもしれない。

「司、聞いてるか!おい!」

耳元に聞こえるあきらの声。

その声は、そのまま頭を素通りして考えがまとまらないいままに、携帯を持つ手から力が抜けて、だらり重力のままに下がった。

マルク覚えてますか?

『Perfect dungeon 』に登場したオリキャラです♪

このお話はPerfect dungeon 以前の設定なんですが、ここから国家存亡にかかわる大事件につかつくが巻き込まれる!?

だんだん、話が大きくなってきたな・・・(^_^;)

拍手コメント返礼

かよぴよ様

恋の駆け引きどころではなくなってますね。

それでも最後は軽めに落ち着くと思ってます。

Gods & Death 様

お正月はお疲れ様でした。

初めてお孫さんと過ごすお正月は格別なものだったと思います。

今年もよろしくお願いします。

やなぎ 様

う~ん確かにこの展開では長編になりそうですよね。(^_^;)

それが最大の問題だ~。

りん 様

つかつく最大の敵現る!

ついでに類君もつくしと行方不明にしちゃったしなぁ。

私も今日子供に宿題確認しました。

年末から勉強してる姿を見てなかったので戦々恐々。

来週テストあるんですけど・・・宿題よりそっちが心配です。

まちゃこ 様

国家存亡の危機に匹敵するつかつく存亡の危機!!!

とは、ならないとおもいます♪

あずきまめ様

あけましておめでとうございます。

連載も再開できこれで今年も始まったという感じですね。

こちらこそ楽しくお付き合いをよろしくお願いします。

マルク覚えてもらっていて良かった♪

密室からグローバルな事件へ!!

良いうたい文句ですね。

頂きました!(笑)

類君はつくしをどう守るのでしょうか?

ささ 様

こちらこそ今年もよろしく御付き合いをお願いします。

絵梨様

ここから類君にも活躍してもらう予定になってます♪

ちょっぴりハラハラする展開!

一番落ち着かないのは司君でしょうけどね。