欲しいものは・・・(あなたの声で聞きたいの)
今日2度目のUPです。
つくしサイドも書いちゃおうかなぁ~と思い立ちUP♪
今日は暇な私。
これを書き上げてから、現実に戻って夕食の準備をはじめなきゃなぁ・・・
(^_^;)
*「おかえりなさいませ~」
私有地に見えない広さを持つ都内の一区画。
高い塀に囲まれて、重厚な門の造りも威圧的満載の道明寺邸の入り口。
ギシッと自動で開いた門の先にはヨーロッパ調の石造りの噴水。
これが私邸だと言われても信じられない広さをもつ。
タクシーをちょっと離れた場所で降りた。
タクシーで中まで入るのはちょっと気後れするのも仕方ない。
道明寺と結婚してまだ数えるほどしかここに住んでないんだもの。
それにまだ私は修習所では牧野つくしって名乗ってるしなぁ。
騒ぎになるのが嫌で私が道明寺と結婚してるのは修習所では極秘事項なのだ。
それを道明寺がいまだに不満に思ってるのも知っている。
エントランスの左右に並んだ顔見知りの使用人さんたち大げさな歓迎の受ける。
道明寺と付き合って道明寺邸を訪問するたびに嬉し泣きで出迎えを受けた記憶。
溺れかけた身体に投げ入れた浮き輪になった気分。
道明寺は何をやったのだろう・・・。
私の方がどれだけ焦ったか。
この屋敷の住人になった後も未だに慣れない。
そそくさと私たちの部屋に閉じ籠るに限る。
ここにいる限りは呼ばなければ誰も入ってこない。
1週間ぶりの帰宅。
司法修習所のワンルームの部屋とは比較にならない贅沢な部屋。
落ちつくのはきっと道明寺がいた痕跡がこの部屋に残るから。
それでもまだあいつが帰ってくるまで数時間は待たないといけないって思う。
今日は夕食は一緒に食べれるだろうか?
普通の家庭では当たり前のことを真面目に考えちゃう。
今日の帰宅は8時?9時?10時を過ぎる?
私の帰るって連絡は言葉少なく大柄な返事で返された。
少しは嬉しそうな声聞かせてくれてもいいのにッ。
綺麗にベットメーキングされたベッド。
そこに腰を下ろしてつく溜息。
道明寺の腕の中で眠る自分を想像しながら手のひらが冷たいシーツの上をなぞる。
ヒンヤリとした冷たさが気持ちよく思えるくらい体温が上がってる。
早く会いたいって思ってるのは私だけじゃないよね。
そんな風に素直に思える自分がちょっぴり恥ずかしくて、照れくさくて、それでいて幸せ。
もうやだーッ。
思わずベッドの上に身体を投げ出して寝そべった。
おっと。
折角のベッドメーキングが乱れる。
シャワーでも浴びてこよう。
浴槽には豊富なお湯が白い湯気を上げる。
素肌を湯船に全部おさめて長々と脚を延ばす。
ゆったりとした気分は身体と心の緊張を解きほぐす。
一人で入るには余裕のある広さ。
足を折り曲げて一人で浸かるだけでいっぱいいっぱいの牧野家のお風呂。
結婚する前はそんな狭いお風呂でもゆったりできたものだ。
白い湯気を追って天井を眺める。
ホッと一息できるのは落ち着かないと思っていた道明寺との暮らしが少しづづ自分の中で当たり前になってきてるんだなと思えてくる。
「見つめあっただけで分かるなんて~
そんなことは嘘~
あなたの声で聴きたい言葉があるの~♪ 」
最近よく耳にする歌が自然と口に出た。
そんな歌を口ずさみながら道明寺の甘ったるく私を見つめる瞳を思い浮かべてる。
さっきの携帯での対応、冷たい態度をとったら許さないからね。
好きだとか・・・
愛してるとか・・・
そんな言葉じゃなくて・・・。
牧野からつくしって呼名が代わって・・・
つくしって名前を呼ぶ声にはまだ慣れてないないのに・・・
はにかんで照れながら私の名前を呼んでくれる道明寺が一番好きでしょうがない。
離れて過ごす時間が道明寺に会いたくなって、道明寺の声が聴きたくなって、抱きしめてほしくって・・・。
会えるまでの時間が待ち遠しくて私をおつちかなくさせる。
時間が過ぎるのが待ち遠しくてしょうがない気持ちは自分じゃどうしようもない。
お風呂から出たら修習の勉強でもして誤魔化そう。
きっと頭の中にはなんにもはいらないと思うけど。
「よお」
ガチャリとドアノブをまわして開いた浴室のドア。
なんの前触れもなく突然現れた道明寺。
嬉しさより先に驚いて身体の力が一気に抜けた。
もう!
お湯飲んじゃったじゃない。
いきなり現れるから心の準備が出来てなかった。
私が考えていたこと道明寺に知られるはずないのに、必要以上に焦ってしまってる。
「大丈夫か?」
ククッと鼻を鳴らして私を見下ろして笑ってる全然心配してない顔が覗き込む。
大丈夫なん気持全然持ってないでしょう!
「風呂場で溺れんなよな」
必死で溺れかかった身体をお湯の中で支えながら笑った顔を私に向けたままの道明寺を睨んだ。
「いきなり入ってくるからびっくりたんじゃない」
私の怒った声にも動じない道明寺。
だから、そんなに笑わなくてもいいでしょうッ。
「部屋にいなかったから、探してたんだろう。
浴室から機嫌のいい歌が聞こえたきたからドアをあけただけだ」
歌って・・・
あの歌?
『見つめあっただけで分かるなんて~
そんなことは嘘~
あなたの声で聴きたい言葉があるの~♪ 』
あれ聞かれたの?
単なる歌!
私の思いは道明寺に分かるはずはない・・・はず・・・ 。
上目使い曲げた視線。
道明寺の視線は私の視線に気がつかないでその下に点線を這わせてる。
・・・・・・
って!胸ッ!
「どこ見てんのよ」
身体が熱くなるのは、お湯につかってるだけのせいじゃないって分る。
今さらだけど、遠慮なく凝視されると恥ずかしい。
身体だけじゃなく心の中まで見透かされていそうな気がする。
「早く出ろよ」
「まだ、入ったばっかりだし、道明寺がそこにいたんじゃ出るに出れない・・・」
道明寺が片足を床から上げて靴下を脱ぎだした。
このまま全部脱いで浴室に入って来たらそれだけでのぼせそう。
「出れないんだったら俺が浴槽から抱き上げてやるよ」
「ギャー、いるな。道明寺が入って来たらそれこそ浴室から出れなくなる」
もう、心臓バクバクなんだからね。
「濡れちゃうよ」
スーツのまま浴室に行ってきた道明寺にまたドキドキしてる自分がいる。
会いたくてしょうがなかった思いが自然と湧き上がって、
二人の顔が近くなるにつれて抗う気持ちが小さくなってしまってる。
濡れるのもお構いなしで、道明寺の腕が私の身体をなんなく湯船の中から引き上げられた。
火照った身体にも熱いと感じる道明寺の熱。
「だから、濡れるって」
「もっと他に気にすることあるんじゃねェ?」
甘く熱をもった瞳で見つめられて逃れられなくなる。
背中を支えるように回された腕はそのまま後頭部を強く5本の指先が包み込む。
ぐっと首を逸らされたまま道明寺が私を見つめてる。
「なぁ、お前が俺に言われたい言葉ってなに?」
耳朶を軽く甘えガミする唇。
「言われたいって、なにを?」
触れる唇に素肌が敏感に震えてる。
甘い刺激は抗えそうもないそうしようもない媚薬。
「あなたの声で聴きたい言葉があるの~」
甘ったるい雰囲気は一気に冷えた。
「聞いてたの?」
空気を変え過ぎ。
夢心地から一気に現実に引き下ろされる。
「ああ」
「あれって、ただの歌詞だから・・んッ」
逃れようと手足をばたつかせる私を包み込んだ強い腕。
そのまま強引に唇を奪われた。
このまま流されたら、つくしって・・・
道明寺は甘く耳元で囁いてくれるのだろうか。
そのまま道明寺の首に両腕をまきつけた。
拍手コメント返礼
プンちゃんのママ 様
拍手一番ノリありがとうございました。
UPして直後でしたよ。
私はまだ文章チェツクしてるところでコメント頂いました♪
ソフィ様
寒い冬の日はつかつくでホッコリ♪
合言葉になりそうなぁ~。
アズ 様
おいしく召し上がっていただきつかつくも喜んでいることと思います。
「このくらいで満足するんじゃねぇよ」by 司
メルちゃんのママ 様
毎日会えない分恋焦がれてる気持ちを素なのに出せないんですよね。
それを司君が引き出せる手腕を磨いてくれれば問題ないと思うんですけどね。
厄介な二人♪