DNAに惑わされ 20(おまけのお話)
駿君が気を利かせた後のお話が抜けている!
速攻で突っ込みをいただきました。(^_^;)
気になるのは入れ替わったお弁当よりそこなのね~。
*
昨日はごめんね。
勝手にムカついて怒って家を飛びだして。
追いかけてきてくれた道明寺に未だに衰えない私への司の愛情を感じてる。
謝罪を込めた手作りお弁当。
久し振りに作る気になったのは駿に食べさせたい気持ちより司に食べてもらいたい気持ちがきっと勝ってると思う。
お弁当を手渡すのがこんなに照れくさくて恥ずかしかったのは久しぶりだ。
バレンタインのチョコをはじめて渡した時の不安な気持を吹き飛ばしてくれた弾けるようにほころんだ司の笑顔を思い出しちゃった。
お弁当の食べる時には、きっと、あの時と同じように喜んでくれるよね。
駿に気を利かせられて二人きりになったリビング。
子供に呆れられて親としての威厳はグラグラとくずれてしまってる。
「親のこと良くわかってるよな」
ニンマリと口元が緩んだ司には反論する気にも慣れなかった。
「もう寝る」
それが合図のように後ろから私を包みこんだ腕は胸元で交差する。
「もう、家を出るなよな。お前がいないとよく眠れないんだ」
家出するほどの重大な問題が起こったわけじゃない。
きっと何かにかこつけて駿の生活が見たかっただけなんだと思う。
素直に駿が気になるからって言ってら司は私を機嫌よく送りだしてくれたかな?
たぶん一緒についてくるだろうなぁ。
「なに笑ってる」
「私を追いかけてきてくれたことは嬉しかったかなって」
司の手を取って戻る客室。
「布団敷くね」
「必要ねェよ」
客室にあるのはシングルベッド一つ。
二人で寝るにはどう考えても狭い。
寝返りをうったら絶対にどちらかが落っこちちゃう。
「キャッ」
私が振り返ったところで胸元に押しこまえられるように抱きしめられた。
そのままベットに倒れ込む私達。
そりゃ、ここの部屋は防音は完璧だけど、隣に駿が寝てるし・・・。
「このままなら、狭くても大丈夫だろ」
私の頭の後ろを包み込む手の平。
司の唇はチュッと私の頬でキスの音を鳴らす。
今さらだけど、ドクンと心臓が飛び跳ねるのは司の匂いが私を丸ごと包み込むからしょうがない。
この広い胸の中に包み込まれると私も安心出来ちゃう。
「なにもしねぇよ」
そう言って身体を抱きしめる腕と絡ませる脚。
寝返りもうてなくらいにしっかりと司に捕まえられてしまってる。
「今度俺に断りもなく出て行ったら屋敷に閉じ込めるからな」
ふてぶてしい声も態度も、それとは裏腹に私を温かく包み込む愛情。
司の胸にうずまる様に顔を押し付けて眠りについた。
駿を送りだして、司と一緒に会社に向かう。
弁当をハイと渡した後に分かれた私達。
私が帰宅後すぐに司は帰ってきた。
「おかえり」
「あぁ」
テンション低めのムスッとした声。
あのお弁当の感想ナシ?
上機嫌で帰ってくることに期待してた私の気持ちどうしてくれるのッ!
「お弁当どうだった?」
「ああ、うまかった」
それだけ?
嬉しかったとか。
愛を感じたとか。
また作って欲しいとかないわけ。
「弁当箱は?」
「捨てた」
捨てたって!
使い捨てのお弁当箱じゃないんだから!
「うれしくなかったの?」
期待外れの司の反応にムッとしてる私。
ごめんねの素直な気持ちを踏みにじらないでよ。
「なぁ、頑張れって、俺に何を頑張らせたいわけ?」
ソファーにタイを緩めながら座った道明寺が首を逸らせてソファーの後ろにいた私を見つめる。
えっ?
頑張ってって・・・
え?
え?え?え?え?えーーーーっ。
「司のお弁当って新幹線に跨って旗ふってるやつ・・・だった?」
まさか・・・まさか・・・ま・さ・か・・・
司の答えを知る前に耳をふさぎたくなった。
「俺はガキか」
「あっ・・・駿のと間違えたみたい・・・」
くずれるように床にへたり込む。
「あれが駿のだとすると俺のは駿が持って行ったのか?」
「うん、ハートいっぱい付けて好きって・・・」
思考が止まって夢うつつで独り言のように素直につぶやく。
駿にLOVEの文字入りのお弁当持たせちゃったんだ。
ぎゃーーーーっ。
駿、驚いたよね?びっくりしたよね?
呆れてるよね?
あれは司の弁当だって分かったかしら?
司に見られるより恥ずかしいかもっ!
両手で覆った顔が熱い。
あぁ・・・
落着け。
ため息をつきながらソファーにつかまりながら体を起こす。
膝を伸ばしかけたところで司の視線とぶつかった。
「好きってメッセージ付きの弁当は駿が食べたわけだ」
意地悪っぽい笑みを浮かべる司。
まあ・・・そう言うことになるけど・・・
「もう忘れて!」
ダメだって皮肉るような表情を浮かべる。
凶悪に瞳が輝いてるんだけど・・・
なななななんなの?
「頑張れってメッセージせっかくもらったからな」
え?
おっ?
腕をとられてソファーの上に倒れ込む身体。
絶妙に私の身体を抑え込む司の重み。
重くもなく軽くもなく私の動きを抑え込む。
私の脇に自分を支えるように付かれた肘。
逃げ場をなくした私を上から覗き込む司の眼差し。
ゆっくりと降りてきた唇は私の上唇を噛むような仕草でキスを繰り返す。
頑張れの意味はそんな意味じゃない。
拒むことを許さないと私に教えるようにスカートの裾をたくし上げながら司の指が太ももを這う。
侵略してきた指先は甘く素肌を責めて私の口からため息を漏らす。
「素直な反応を見せるまで頑張ってやるよ」
気を抜きかけた私を間近で見下ろす司の顔が意地悪く笑った。
だから、違うってッ!
拍手コメント返礼
かよぴよ様
仲よくする過程大事ですよね♪
駿君が折角気を利かせてくれたからと舞い上がったら困りものですけど。
高校生の子供を持つ親がここまでラブラブって現実似はほど御遠いですがつくつくならあり得るといつも考えちゃってます。
ゆきこ 様
素直にハートマークのお弁当を告白したのお弁当の取り違えの発覚でそれどころじゃないくなってパニックになってるから~。
駿君にハートですよ~。
駿君なら間違って渡されたと気がつくはずですしね。
司に見られるより恥ずかしいだろうなぁ。
どのくらい司君ガンバったんでしょうね。
今度はそっちが気になりだしたりして・・・(^_^;)
最大級の愛しっかり頂きました♪
あさみ 様
「今度は間違えるなよ」
司君命令口調で作れと言ってそう。
俺が食わなきゃ意味ねェだろう。
いくら息子でもゆるさねェ!
くらい思ってそうですが・・・(^_^;)
つくしちゃんの責め方を間違えてないだろうなぁ。
アーティーチョーク 様
こんなしょうもないドジをするつくしちゃんも司は愛しちゃってますよね。
これで弁護士務まるのか?
そんな心配もしちゃいますけど。
仕事は完璧にこなしてると思ってますけどね。
司より駿のほうが大変ですよね。
誤解は解けるのか?