我儘な僕に我儘な君 40

今回どんな佑君が見られるのか~。

昨日は0歳児だったんですけどね。(^_^;)

頭の中を切り替えて~♪

ガシャッ!!!

大きな音をたてた保健室のドアはノックもなしに突然に開いた。

え・・・・・っ。

佑?

ドキッとしたのはドアが突然開いただけのせいじゃないと思う。

息を切らして乱れた髪。

しっとりと額に浮かぶ汗。

何時もは、きっちりと爽やかに決めている佑が乱れた息を整えるように肩を揺らす。

こんな佑を見たのは初めての気がした。

「ここにいたんだ・・・」

佑の視線は私の顔から下の方に下がって止まった。

どこ見てるの?

あっ・・・

足首の手当てが終ったまま、まだ私の足は大内先輩の手のひらの上に乗っかったままで・・・

佑の揺らいだ瞳に責められてるようで・・・

あわてて自分の足を床に付ける。

包帯で固定してもらったおかげか、それほどの痛みは感じなかった。

「足を痛めちゃって・・・」

「ここまで連れてきてもらって手当てしてもらったの」

何か言わなきゃ。

私の胸の奥を焦ったままの感情が占める。

手当をしてもらって佑以外の人にドキッとした言い訳。

翼に私が困ってるって聞いた佑が心配して探してくれたんだって分かる。

必死で私を探してる佑を想像してさっきよりドキッとしてるから。

大内先輩にドキッとしたのは冷たい雰囲気の大内先輩が初めて見せた優しさにドキッとしただけだから。

胸の奥から溢れるキュンとした感情は佑だけだって思う。

「それじゃ、俺は」

立ち上がった先輩と佑の視線が重なった。

佑の視線をさらりとかわしてフッと口元に浮かぶ笑み。

微笑?失笑?

誰に?

私?佑?

「あっ、助かりました」

背中を向けたまま先輩は保健室を出て行った。

「大丈夫か」

私の前に膝をついた佑の指先が優しく足首に触れた。

「何とか歩けそうだよ」

椅子から立ち上がろうとする私を佑の腕が支えてくれた。

「まだ、痛そうだな」

立ち上がった私の前に立ちはだかる様に佑も腰を上げる。

えっ・・・

ふわっと浮き上がった身体は横たえられて佑に抱きかかえられてしまってる。

「ちょっ、佑。大丈夫だから、下ろして!歩けるから」

佑の胸元に繰り返して拳を打ち付ける。

佑の腕の力が強くなって私との密着度は増して、私の顔は佑の胸元に押し付ける体勢しかとれなくなった。

「あいつは良くても、俺はダメなの?」

静かに低い不機嫌な佑の声。

何時もの佑では考えられない雰囲気にビクンとなった。

もしかして見られた?

大内先輩に抱き上げられてここまで運ばれてきたとこ・・・。

「どうして、俺が来るまで待てなかったの。窓から飛び降りるって無謀だよ」

「そこから見られてたの?」

「窓の下で動けなくなって抱きかけられてる舞を見たら予想はつく」

ぶっきら棒に続く声は佑が怒ってるって分る。

普段なら私らしいってしょうがないなって優しく微笑んでくれる佑なのに。

だからって、このまま教室まで佑に抱き上げられたまま戻ったら大変なことになっちゃうんだから。

佑の機嫌が直ることこれ以外なら何でもするから降ろしてよ。

「本当に歩けるから降ろして」

佑が私の言葉を受け入れてくれたように動いて下ろしてくれた。

・・って。

ここ、保健室のベット。

あっ・・・

怪我してるの足だけだし・・・

ベッドで休む必要はないと・・・思う。

えっ・・・

ちょっ・・・

いつの間にか佑の顔が必要以上に近くなって・・・

佑の口から零れる息使いが私の唇に触れた。

「・・・んっ・・・」

いままでの優しいキスとは違って、吐く息も佑に捕らわれていくようなキス。

「佑、やめッ」

拒むように伸ばした腕は佑に捕まれて、両手首に痛みが走る。

「ヤダッ!」

離れた唇は私の首筋に触れてゾクッとした感触に悲鳴を上げそうになった。

佑・・・怖いよ。

流れた涙の意味が自分でもわからなくなってる。

全く身動きの取れない身体。

押さえつけられたかなわない力の違いになすすべもない。

自分が女の子で佑が男の子で、どれだけ自分が今まで甘やかされていたかわかった気がした。

「お願いっ・・・」

佑の顔が見れなくて目を閉じたまま小さく漏れた声。

ふっと私を抑えていた佑の力が抜けて抑え込まれていた身体が軽くなった。

「ごめん・・・」

頬に触れる佑の手のひらの温もり。

瞼を開くといつもの佑が私を見つめてる。

「今の俺は自分じゃどうしようもないから、翼を呼んでくるから、もう少しここで待っていて」

私から離れた佑が私に背中を向けたまま立ち竦む。

討ちしげられて、落ち込んだ背中。

さっきまでの佑は怖くて怖くてしょうがなかったのに・・・

今の佑は別人みたいで・・・

何時もの優しくて私に甘い佑で・・・

佑の背中を抱きしめたいって思う私がいる。

それでも・・・

伸ばした腕を伸ばしきれなかった。

初めて見た佑の男の部分を受け入れるには私にはまだ無理みたい。

保健室を出ていく佑を見つめながら体中から力が抜けていく気がした。

原作の中では校内でつくしを司が追いかけるシーンありましたよね?

あの時はつくしは司のこと意識しだした段階だったのかな?

両思いになってる舞ちゃんと佑君ならどうなるんだろうと妄想。

佑君の嫉妬心から見せる感情の爆発の意外性に舞ちゃんよりドキリとしちゃうかなと・・・(^_^;)

この後はしっかり翼君とすずなちゃんがフォローしてくれると思ってるんですけどね。

拍手コメント返礼

りのまま様

司なら殴り倒してでも奪っちゃってますよね。

佑君ヤッパリ優しい。

トマト 様

優しいだけだと類になっちゃう!

確かにそれはあるかも(^_^;)

舞ちゃん取扱方はつくしで慣れてるはずの司に聞くのが一番。

微妙に不安を感じちゃうんですけど・・・(^_^;)

この後いろいろ想像しちゃいますよね。

司はいつ出てくるんだろう・・・

ゆきこ 様

赤ちゃん時代から一転、男見せてますよね。

成長の早さへの対応よろしくお願いします♪

どきっしたのは舞ちゃんだけじゃないはず~。

怒りが大内先輩から舞ちゃんに向う心の動きが佑君の感情コントロールを可笑しくさせた感じでしょうか。

次回は佑君サイドで行くつもりです。

この後翼だけじゃなく駿に菜花のフォローがあれば完璧ですね。

司が聞いたら・・・

司には絶対秘密だな。

佑君の生命の危機につながりそう。

ことり 様

大内先輩との三角関係~

三角関係まで行くのかどうか?

どっち~。

妄想は妄想を生んじゃいそうです。

Gods & Death 様

佑君~舞ちゃんにはまだ早いよ~

だってつくしの子供だからね。

あきら君が教えてあげないとなぁ。

かよぴよ 様

穏やかで優しいだけじゃだめなのよ~。

舞ちゃん贅沢♪

「そんなことは思ってないです!」

がっつり舞ちゃんに否定されるでしょうけどね。

このあと舞ちゃん佑君にキュンとくるのかぎこちなくなるのかどっちでしょう?