恋の駆け引きは密室で 25
海の上の密室。
恋の駆け引きが出来るのは司じゃなくて類という状況。
今までのつかつくオンリーから外れたら、べつなお話も書けそうな気が・・・
いえいえ!!!
私は絶対浮気しません!
無理です。
類君ごめんね。
私はつくしに向ける類君の無償の愛がツボなんですもの~。
クルーザーの船室。
食事も終わって片付けるのにも花沢類が私の横に立つ。
こんなに長い時間、肩を寄せ合って過ごしたこと今までも何度かあったよね。
道明寺を追いかけたNY。
冷たい言葉の道明寺に打ちひしがれいた私の横で何も言わずにただ黙って一緒に過ごしてくれた。
NYの冬の冷たさより道明寺の態度の冷たさが私を凍えさせた夜。
花沢類だけじゃなくて、西門さんも美作さんも私のために動いてくれたって知っている。
私の為だけじゃなくて道明寺の為にも。
今回もきっと道明寺の側にはあの二人がいるはずで、私たちを救うために動いてくれてるって分るから、こんな海の上でに取り残されても希望が持てるんだって思う。
蛇口をひねると流れる水。
オレンジ色に照らす天井のシャンデリア。
自家発電に海水を真水に変える設備も設置してる。
・・・って、どれだけ豪華なんだろう。
私を誘拐した犯人は身代金目的じゃないってことはサルでもわかる。
そこまで作れるなら船室を二つにするとか、シングル二つが置ける余裕あるはず。
長椅子ソファーの奥に見えるのはキングサイズのベッド一つ。
気がついた時、私はそのベッドに寝ていて・・・
一人で寝ていたにしてはシーツの乱れは2人分で・・・
たぶん、花沢類もそこに寝ていた形跡が見てとれた。
もし・・・先に目を覚ましたのが私なら!!
自分の考えに心臓が飛び跳ねる。
道明寺には絶対内緒。
この船室を見られたら何言われるかわかったもんじゃない。
つーことは・・・
この船に道明寺が助けに飛び込んできたらどうなるの?
逃げなきゃヤバくないか?
出来るならこの船の先般から見えるあの無人島らしきあの島へ。
このクルーザーのエンジンは止まったままで動かない。
泳いでたどり着く。
私そんなに泳ぎ得意じゃなかったんだった。
「さっきから、なに考えてるの?」
おっ!
ヒョコッと横から私を覗き込んだビー玉の瞳。
吸い込まれそうな澄んだ瞳の奥にドキッとしてる私の表情を映し出す。
未だ花沢類のこの瞳に見つめられると顔が熱くなるは自分じゃ止められない。
今日は横でこめかみに血管を浮きだたせて私を睨む道明寺はいないから少しは気が楽だ。
「どうなるのかなって・・ちょっと・・・ね」
「百面相してるみたいだったけどね」
花沢類の口もとはクスッと微笑を浮かべる。
私の心を見透かしてるみたいに。
捕らわれたことに対する不安は薄くて、道明寺に助けられた後のことを想像して不安になった私。
緊張感の度合いが違い過ぎる。
花沢類と二人でいるこの船内が実際以上に狭く感じてきて戸惑いが生まれてる。
一緒に料理をしたのも、食事を向かい合いあって摂ったのも、肩を並べて皿を洗った事も、笑顔を浮かべて楽しんでしまっていた。
道明寺に悪いよね。
きっと道明寺は食事も喉を通らないくらいに心配してくれてるかもしれないのにね。
ごめん・・・道明寺。
「大丈夫だよ」
私以上に私のことは分ってると悟ってるような柔らかな光で包み込む花沢類の眼差し。
私の感情は、全部、花沢類には筒抜けなんだって思える。
「俺はソファー使うから、牧野はベッド使って」
「私の方が身体小さいし、花沢類がベッド使ってよ」
「女の子をソファーに寝かせられるわけないだろう。俺はソファーで寝るのは慣れてるしね」
ソファーに寝転んだ花沢類。
長い脚には少し足らないソファーの端から20センチは足先が飛びだしてる。
「ほら、大丈夫でしょう?」
いつの間に備え付けの書棚から持ってきたのか、本を開いて顔に乗せた花沢類。
それはF4が集まった気さくな関係でいつも花沢類がとる定位置の構図。
普段と全く変わりない穏やかさ。
さりげない態度が心にしみて・・・
うれしくて・・・
うれしくて・・・
うれしくて・・・
そして・・・
切なくて泣きそうになった。
「明日は私がソファーで、寝るから」
喉に力を入れて泣きそうになる声をグッと飲み込んで強く声を吐き出した。
何時も甘えっぱなしでごめん。
本当はありがとうって言いたいのに言えない。
道明寺にも、花沢類にも謝罪の言葉しか浮かばなくなってしまった。
誘拐一日目。
そんな気持ちのままに眠りについた。
拍手コメント返礼
ゆきこ 様
UPして1分♪
タイミングばっちりですね。
大体9時前後の更新が多いんですよね。
一番手拍手お有り難うございます~。
自分のことより相手の事を考えちゃうつくしちゃん好きなんですよね。
時々的が外れるけど・・・(^_^;)
つくしを助け出したぎゃんぎゃん司が言ったら・・・
感動の再会になる可能性はねぇ・・・低い。
私も司にはSっ気出ちゃうんですよね。
絵梨様
お待たせしました♪
次回はもっと早くUpしようと思ってます。
司がいるというのに、この二人の時間をもっと長く見たいと思っちゃうんですよね。
類の見透かす様な瞳。
ずっと見られてたら正視できなくなりそうなんですけど~
つくしちゃん大丈夫かしら?
>これで朝、包丁のトントン鳴る音で花沢類が目覚めたら、きっと自然に笑みがこぼれちゃいますよね。
うんうん♪
朝の一コマに有りそうで~
類君歓びそうですよね。
あずきまめ 様
花沢類の一途な思い。キュンと来るんですよね。
報われない恋。
似合いすぎる花沢類。
花沢類だけを見つめる女性はたくさんいるはずなのに類君の気持ちは一途なまま。
つくしちゃん贅沢過ぎだ~
やなぎ 様
つくしが一番そばにいてほしい時にそばにいるのは花沢類なんですよね。
りん 様
つかつくオンリー。
うれしいな~。
書いてって言っても私は書けないんですけどね。(^_^;)
もう少し進むとバラバラだった点がつながってくる仕掛けとなっております。
c4 様
F4のカッコ良さってみんな独特の雰囲気有りますよね。
その違いがたまらなくて~。
一番つくしに合っていたのが司って事なんでしょうけどね。
司の倍返しがつくしちゃんに行かないことを祈りながら・・・(^_^;)
みえこ 様
つくしを助け出した後の司の反応が気になるのすご~くわかります。
歓び半減不満爆発なんてことにならない様につくしちゃん気を付けないとイケませんよね。