我儘な僕に我儘な君 42
翼君への佑君の告白はひとまず置いといて。
舞ちゃんサイドのお話で~す。
41でちょこっと書いたF3に告白してる佑君の場面。
本編より興味を持ってもらったみたいで・・・(^_^;)
別館で 番外編 UPしてます。
そちらも訪問してもらえたら嬉しいです。
「舞、怪我大丈夫?」
息を切らせて保健室に駆け込んできたすずなを見てホッとして泣きそうになった。
翼じゃなくて良かったって思ってしまってる。
「まだ痛いの?」
心配そうに覗き込むすずなに首を横に振る。
「ねん挫しただけだと思うから・・・」
すずなに聞こえたかどうかわからない頼りない声。
「美作君も元気なかったけど、舞も元気がない」
なにかあった?
言葉には出さないけど私を見つめるすずなの親身な視線。
「すず・・・っ」
顔をすずなに押し付けるように抱きついてしまっていた。
「舞・・・」
頭をすっぽり包み込む腕は無性に温かい。
泣かないでって髪を撫でてくれるすずな。
零れそうになる涙をグッと堪えてるのに堪えきれなくて頬が濡れてくるのが分る。
私が鼻を啜りあげるのが落ち付くのを待つように二人でベッドの脇に並んで腰を下ろす。
皆に追いかけられて、翼と教室に逃げ込んで置き去りにされたこと。
窓から逃げようと木の枝に飛び移ったこと。
そこまではすずなも舞らしいっ笑ってくれていた。
飛び降りて足を痛めていたら大内先輩がいて、私を抱き上げて保健室まで連れてきてくれた手当をしてもらったこと。
私が大内先輩に抱き上げられてるのを佑に見られたこと。
そこまで話したらすずなから笑みが消えた。
「佑が保健室から私を抱き上げて教室まで連れて行くって言うから、恥ずかしくていやって言ったんだけど・・・」
「あいつは良くても、俺はダメなの?って佑が怒っちゃって・・・」
佑の唇が私の唇に押し付けられて・・・
今までの優しいキスじゃなくて・・・
強引で、一方的で、初めて佑が怖いって思えた。
そっと指先が触れた唇に佑の唇の感触がまだ残ってるようで唇が震えてる。
私の知ってる佑じゃなくて、知らない男の子みたいで動揺したみたい。
「舞・・・それって美作君、大内先輩に嫉妬してたんじゃないの?」
え?
・・・・・・
そうなの?
うちのパパはママに嫉妬してるときって・・・
「浮気者」
「あいさつしただけじゃない」
「色目使うな」
「不愛想に出来ないからちょっと笑っただけだしょう」
「お前を口説けるのは俺だけだからな」
最期はそう言って凄む。
あれと一緒なの?
佑が怒っていたのは嫉妬・・・なのかな・・・?
自信がない・・・。
「舞・・・顔が真っ赤だけど」
えっ!あっ!
「そんなんじゃないから」
「なにが そんないんじゃない なの?」
すずなにクスッと笑われた。
ガラガラと開いたドアから白衣が見えた。
どうやら留守していた保健医が帰ってきたよう。
「道明寺さん・・・」
私の姿を見て保健医が絶句。
「もしかして・・・怪我しちゃったの?」
「すいません勝手に手当てしちゃいました」
「いや・・・それはいいだけど、それより大変!道明寺様の令嬢に怪我させたなんて!校長に報告しなきゃ」
ここで待っていてと念を押された私を残して、健医の先生は飛びだしていった。
この怪我も自分の不注意だし、ママだってパパだって学校に何も言わないって思う。
「舞の両親って、モンスターペアレントじゃないよね・・・」
「違うよ」
ある意味・・・
モンスターより怖いかもしれないけどね。
拍手コメント返礼
ゆきこ 様
あの親を見て育ったらねぇ確かに・・・ありそうでしょ?
ある意味純粋培養で育ってきてるだろうし。
舞ちゃんの周りはF4に駿君と翼君と・・・西田さん♪
羨ましい(>_<)
司パパヘリで駆け付けちゃう?
それで億の商談をフイにしたなんて言っちゃったりして~。
お~。
丁度コーヒータイムと私のUPが同じなんですね。
私はアップした後でいつも掃除機をかけてます。
家事が終って丁度お昼って感じですかね。
Gods & Death 様
不機嫌な感情が嫉妬って自分じゃ気がつかないものですよね。
佑君それが分ってるだけ大人~♪
舞ちゃんにはちょうどいいかもなんですけど。
嫉妬してもらえるうちが花♪
確かにそりゃそうだ。(笑)
アーティーチョーク 様
本人より周りの方が気がついちゃうんですよね。
意外と冷静に見てますからね。
きっと翼君やすずちゃんも自分たちのことになると佑君と舞ちゃんが助けてくれることと・・・
最初の一話じゃこの二人もなかなかのものだったんですよね。
いやいや・・・
すずちゃん直ぐに道明寺邸には連れて行きませんから。(^_^;)
かよぴよ様
親譲りに鈍感娘♪
育ってますね。
佑君今回の件でますます慎重になったりして・・・(^_^;)
ヤバイかもですよね。