BITTER SWEETS  (翼 編)

リクで頂いて今日Upするつもりだったのはあきらと葵のバレンタインだったのですが・・・

そうですよね。

最近影が薄い翼君の恋バナ。

駿君、舞ちゃんときて翼君が登場しなかったら確かに可愛そう過ぎる。

急遽お話作成しました。

本当に何も考えてなかったんだなぁと痛感。

私の興味も薄いからたぶん訪問してもらってる方にはもっと存在感薄いかもしれませんね。

翼君ごめんよ~。

 *

「付き合っている人がいるのは知ってます。それでも受け取ってください」

英徳高校の中庭。

突然目の前に現れた3人の女の子。

真中の一人が差し出したのは誰でもわかる中身の入った箱。

今日はバレンタインデー。

朝から俺は逃げまってる。

すずなのチョコ以外は受け取るつもりは毛頭ない。

数人のすれ違った生徒たちは慌てたように俺から視線を外して足早に通り過ぎていく。

「翼クン、受け取ってくれるよね」

泣きそうな表情の女の子の前で強気で俺を睨むのは佑の妹の陽菜。

英徳の小学部に通ってる。

高等部まで入り込んでこれるのは流石は美作のお嬢様だよな。

「この子は本気で翼君のこと好きなんだからね」

そう言われてもなぁ・・・

小学生の本気度なんてどの程度のものか想像つかねェし。

佑の場合は出会ったころから舞のことしか見てないって真顔で言ってる。

出会ったころって赤ん坊だぞ。

あいつ等は例外だ。

陽菜に泣きつかれると弱いのは佑も俺も一緒。

妹みたいに可愛がってるから嫌とは言えない。

「ありがとう。で、陽菜は俺にはチョコくれないの?」

箱を受け取って、陽菜の頭にポンと手のひらを置いた。

「あげないよ」

頭の上に置いた俺の手のひらを嫌う様に陽菜が頭を振る。

「道明寺君」

チョコの箱を俺が受け取ったと同時に周りを女生徒に取り囲まれた。

「その子の受け取ったのなら、私のもお願い」

お願いされても困る!

小学生の子供のチョコを受け取っても罪じゃない。

俺を取り囲んだ円陣はだんだん狭まって逃げ場がなくなった。

おい!

こら!

迫るな!

シャツをひっかるな!

逃げられなかった。

落ちつきを取り戻したころには両手で抱えきれない箱の山が出来上がっていた。

「いっぱいもらえたね」

「ああ・・・」

今年はもらうつもりなかったんだぞ!

陽菜に言い訳してもな・・・

「いるか?」

「いるわけないでしょう。この子のチョコはしっかり食べてよね」

用事が終ったらさっさと小学部へと陽菜は引き返していった。

そして・・・・

時間だけは過ぎていく。

すずなはいつもと変わりなくて・・・

普通に授業を受けて、休み時間は俺と普通に話して・・・

舞とクスクス笑って会話して・・・

何を楽しそうにしゃべってるのか無性に気になる!聞きたい内容。

今日のバレンタインのこと。

チョコをいつ渡すとか。

俺のこと気になってないのか?

心臓が放課後が近くなるたびにドキドキと高鳴ってくる。

つーか。

もう放課後だよ。

気がつくとすずなの席は空になっていた。

あいつどこ行った?

「一緒に帰ろう」

そんな言葉を待っていたのにそそくさと居なくなっていた。

早すぎだ。

いつもならなんでもないような話を二人で楽しんで放課後を過ごしてる。

すずなの家まで送って歩く時間が平日の日課になっている。

それに今日は特別なバレンタインデー。

なのになんで?

楽しみに心躍らせて待ってたのは俺だけ?

すずなは俺のこと好きじゃないのか?

嫌われた?

昨日まではそんな様子もなくて普通で、変わりなくて、

じゃぁって笑って俺が見えなくなるまで玄関の前で手を振ってくれたよな?

俺何かしたか?

わかんねぇ・・・。

すずなを追いかけて確かめてやる。

追いつけるか?

それに家まで寄り道せず帰ってる保証はねェし。

他の奴にチョコ渡すために授業終了とともに教室を飛び出した?

ありえねぇだろう。

これほどバレンタインで心を悩ませたことなんて記憶にない。

「翼」

教室を出て行こうとした俺の前に立ちふさがったのは舞。

「邪魔だからどけよ」

「いいのかな~すずから手紙預かったんだけど」

舞は両手を腰の辺りに隠して下から俺をからかう表情で覗き込んできた。

「それを早く言え」

舞の手から見えた白い封筒を奪い取る。

「渡したからね」

そう言って舞は自分を待ってる佑の側に駆け寄っていく。

開いた封筒の中の便箋。

まるっこい可愛い文字で『体育館の倉庫にきて』ただそれだけ一行の文字。

急いで行った体育館倉庫。

人影もなくて静かに静まりかえった部屋。

跳び箱の上にポツンと置かれた箱。

その箱に貼られたメモ。

『いっぱいチョコを受け取っていたみたいだったから、意地悪しちゃった。

校門で待ってる』

チョコレートの箱よりすすずなの丸っこい文字が脳裏に焼き付いて離れない。

クスッとしたくすぐったさが胸の奥で生れて頬を緩めているのが自分でもわかる。

かわいすぎだろう。

こんなうれしい意地悪は初めてだ。

すずなから受け取った初めてのバレンタインのチョコよりこの小さな紙切れの方が大事だって思える。

俺はチョコレートの箱とメモをポケットに大事にしまいこんで校門を目指して駆け出した。

拍手コメント返礼

ゆきこ様

今回も素早い拍手ありがとうございます♪

翼君キャラが確立してないんですよね。

我儘を始めた時は翼君を主役にするつもりで書いていたのにいつの間にか舞と佑を描くのが楽しくなっちゃって~

駿君より翼の方が確かに恋愛に関しては大人ですね。

総ちゃんの色に一番近いのが翼かもしれません。

お返事遅くなりましたが、はぴまりも読んでいただいたんですね。

ノベライズ2冊読みましたよ。

コミックより大人の雰囲気大ですよ~。

Gods & Death 様

今年は私チョコの用意はしてません(^_^;)

娘が部活で配るというのでその準備だけしてます。

学校には持って行けないので明日作る予定ですけどね。

今は女の子同士で渡してるみたいです。

わぁ~ありがとうございます。

私が2月生れって事覚えていてくださったんですね。

うれしいな。

2月4日に嬉しくもない誕生日を迎えてしまいました。(笑)

理子 様

理子さんにコメントでいただいちゃったからヤッパリ仲間外れにしちゃかわいそうだなと思い直してUpしました。

これからもっと翼君にも頑張ってもらわないといけませんね。

他の家族が個性が強すぎなんですよね。

さわね様

あきら君と葵ちゃん息子たちに譲ったってところでしょうか?

存在が薄い翼君にも今年は頑張ってもらいたい!

はぴまりレンタルありがとうございます。

私が二次を書くことで興味を持ってもらえるのは嬉しいですね。

私も久々にはまった漫画の一つです。

最近読んでる漫画がないなぁ・・・