BITTER SWEETS  (舞 編)

このお話は舞ちゃんが中学生の頃の設定になります。

まだ佑君を好きだとは気がついてない時のバレンタイン♪

佑君はもう舞ちゃんのこと好きなんですけどね。

リクエストは高校生の二人の交際してのお初のバレンタインのお話が多かったんですが、

本編がまだごちゃごちゃしてるので・・・

もっと進んでたら両思いになってのバレンタイン企画やっちゃうんですけどね。

ちょっと間に合いませんでした。(^_^;)

 *

ヨシ!出来た!

目の前の箱に一口大のチョコが縦3列横3列で並ぶ。

今回はママと一緒じゃなくて一人で作ってみたバレンタインチョコレート。

屋敷のおかかえパテシェに教えてもっらったので味は保証できるはず。

きっと去年よりおいしいって思う。

視線をチョコに戻したところで一つなくなってる事に気がついた。

「あーーーーーっ!翼!」

後ろを振りむいたらすでに指でつまんだチョコは翼の口の中に消えていた。

「いいじゃん、減るものじゃないし」

食べたら減るでしょう!

その言葉の裏にあるのは、どうせ俺にもくれるんだろうの当たり前な顔。

「そのチョコは翼のじゃないから!」

パパに駿お兄ちゃんに翼に類パパ、あきパパ、総パパの3人に佑。

いつもママと作るバレンタインのチョコの数は7つ。

今年はママと分担して一緒に造るのはパパ達のチョコでお兄ちゃんと佑と翼のチョコは私が担当することにした。

お兄ちゃんには鮎川さんって彼女もいるし親愛を示すクッキーチョコ。

ママに教えてもらった顔の形に整えた駿お兄ちゃん型クッキー。

チョコでくるくるに彩った髪の形。

二つ作るけどならべてもどっちがパパで駿お兄ちゃんかわからなくなる。

「一回り大きい方をパパに贈ればパパは上機嫌だから」

ママはそう言ってご機嫌な笑みを浮かべてラッピングしちゃう。

なんだかんだ言ったってパパのチョコを箱につめるママが一番楽しそうだ。

翼の場合は今付きあってる彼女がいるのかいないのか?誰なのかもわからない。

何時も数か月で彼女が変わっちゃう。

相手に交際申し込まれたら簡単に付き合うんだもん。

女の子から贈られるチョは断ることなくいっぱいもらって来るんだから、私のチョコなんて要らないんじゃないかって思う。

それでも義理で上げようと思う私は優しい姉でしょう!

なんとなく一番力入れたのは佑のチョコで・・・

何時もやさしくて、私が困ってるときは直ぐに飛んできてくれて手を差し伸べてくれる。

小さい頃から私が泣いてるときは必ず佑が側にいてくれてる。

翼より佑の方がずっと私のことを大事にしてくれてるんじゃないかって思うもの。

翼より佑の方が本当の兄妹みたいじゃないのって思いたくなる。

私の佑に寄せるの信頼は駿お兄ちゃんの次に熱い。

だから!その口に入れたチョコは翼のじゃなくて佑のだから。

綺麗に今からラッピングして佑の家まで届けるつもりだったのに。

「吐き出せ!」

佑の頬を両手で抓って引っ張った。

「もう食べたもん」

私の手から逃れて後ろに大股で飛んだ翼が大きく口を開いて舌を出す。

出来上がるまで何時間かけたと思ってるの!!

悔しくて・・・

悲しくて・・・

泣きたくなって・・・

でも翼の前では絶対泣きたくなくて・・・

グッと鼻をすする。

「そんなに食べたいんならあげるよ」

一粒無くなったチョコの箱を握って翼に投げつけた。

床に転がるチョコを視線を落として翼が気まずそうにごめんとつぶやく。

絶対許さないもん。

無言のままで翼に背を向けてもう一度チョコの工程を頭の中で描く。

もう一度最初から作り直して、さっきのよりおいしいチョコを佑に渡そう。

「舞・・・」

「なによ」

「ごめん、手伝うから」

翼の顔なんて見る気もなくて背中を向けたままチョコを作る作業に取り掛かる。

「このチョコレート、佑に贈るつもりだったんだろう?」

何時の間拾い上げたのか箱に詰め直したチョコを作業台の上に翼が置いた。

綺麗に作りあげたチョコは形がかけてて、それがまた悲しくなった。

「俺バカだな。そんな大事なチョコ食べちゃって、謝る」

足元に翼が座り込んで土下座。

翼のこの潔さは頑なになった私の心を少しずつ溶かして入り込む。

翼の悪戯は何時ものことで、それを直ぐに許しちゃう私も昔からのことで・・・

下げた頭の下から子犬の様な甘える瞳が私の許しを紅葉に遠慮がちに見上げる。

「手伝わなくていいから、邪魔しないでよね」

土下座までして見せる翼に呆れてるのか、簡単に許してしまう自分に呆れてるのか・・・。

まだバレンタインが終るまでは時間があるからと眺めた壁時計。

ホッとした表情は私の手元をじっと眺めなら呟いた。

「舞が一生懸命つくったチョコなら佑は大事過ぎて食べれないかもな」

なななによ。

私の手先を眺めたままの翼。

「食べてもらえなかったら意味ないじゃん」

手元から顔を上げた翼が私の顔をマジマジと見つめて吹き出した。

「佑、苦労するよな」

翼は笑ったあとにガクリと肩を落として見せる。

それって!どういう意味ッ!!!

私・・・

翼が、がっくりする様なこと言った?

佑がなんで苦労するの?

なんなのよ!ほんとに!

翼ーーーッ!!!! 

笑うな!!!!!

拍手コメント返礼

c4 様

道明寺家のバレンタインただいま絶賛掲載中です♪

私も今年は何も用意してません。

威張れることじゃないですね。(^_^;)

佑君どんな気持ちでチョコレート受け取ってるんだろう・・・。

ゆきこ 様

佑君も舞の周りには自分しかいないこと分ってるから落ちついてられるんだろうな。

あと少しの辛抱よ~佑君と教えてあげたい。

佑クン片思い物語。

いろいろありそうな気がしますね。

舞ちゃんが可愛くてしょうがないて感じで側で見守ってたんでしょうけどね。

翼がいじめる~と舞ちゃんが佑君に助けを求めるような微笑ましいシーンいっぱいあったろうな。

それをながめるつくしと葵ちゃんとかね。

かきたくなったいましたが、どこで書こう・・・(^_^;)

理子様

鈍感さは母親譲り♪

なかなか大変だぞ~。

えっ?次回は翼君?

全然考えてなかった・・・(^_^;)

一人仲間外れはかわいそうかなぁ。

確かに影が薄い。

どんな話にしよう・・・。