我儘な僕に我儘な君 14
主役のカップルに話を戻してお話を進めます♪
今はまだ司も騒いでないのでごゆっくり~。
門限は何時だろう・・・(^_^;)
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kuni様
何度もメールは返信してるのですが、今日は届いたでしょうか?
佑の手のひらの温もり。
どうしてつないでしまったんだろう。
佑の手のひらが力強く私の手の平を握り返して、それだだけでドキッと心臓が動く。
心拍が打つたびに手のひらが汗ばんで湿り気を生む。
佑・・・気が付いてるかな?
さっきまでいたホテルの姿を遠くに浮かび上がらせるライトの光。
ここまでくれば大丈夫だ。
自分に言い聞かせて佑とつないでいた手を離した。
少し強引に・・・
その、数秒前。
指先が・・・
佑の手の中から抜け落ちた瞬間・・・
私の指先の動きを拒むように・・・
グッと・・・
佑の指先が力を込めた気がした。
佑に逃げない様に手をつないでもらいたい感情と、私の緊張が佑に伝わりそうで知られたくないって思う想いが入れ混じって、佑を正視できなくなってる。
なんで、二人で出てきちゃったんだろ。
いつもついて来るダークなおじさんたちの姿も見えない。
本当に佑と二人っきりなんだと思うと大きく心臓が跳ねあがる。
考えるな!
いつも通りの私でいれば問題ないんだから。
「何、ブツブツ言ってるの?」
「えっ?」
振り返った私を見つめる瞳は、夜空の星を吸い込んだみたいにキラキラと輝く。
「馴れない恰好で走ると疲れるの」
歩道に均等に並ぶ街灯。
木の温もりとモダンな温かみのあるラインを作る背もたれのベンチ。
正装して、パンプスを履いて数時間。
本当に肩がこるし、踵も痛い。
息の抜けるラフな服の方が好きなんだから。
今着てる服装1枚で数十枚は買えるTシャツで、十分な機能は果たせると思うのはママの影響。
ベンチにグダッと力が抜けるように腰かけた。
気を抜くように踵を浮かせて軽く靴底から足を上げる。
足の指先に脱ぎかけのパンプスをひっかけってブラブラと揺らした。
「行儀いいな。道明寺のおばあ様が見たら目が吊り上るぞ」
屈託ない微笑で私の横に腰を下ろした佑。
ここでいきなりおばあ様の存在を思い出させるなんて意地悪だ。
道明寺の娘としての恥ずかしくない教養と品格。
私に求めるおばあ様の最低ライン。
おばあ様を前にすると条件反射みたいにママと一緒にピシッと身体が引き締まるんだから。
いないところでは気を抜かせてよね。
「誰もが欲しがる一点物の靴の扱いにしては粗雑だなと思って」
「粗雑には扱ってないわよ」
『とびきりいい靴を履くの。
いい靴を履いていると、その靴がいい所へ連れていってくれる』
初めてパンプスを履いた時は大人になったみたいで嬉しくて自分が可愛くなった気がした。
その時にママが教えてくれた言葉。
昔・・・
パパと知り合ったばかりの頃に静さんがママに教えてくれた言葉。
確かに、今日は思いがけず佑と二人の時間を作ってくれている。
「ねぇ」
「なぁ」
一緒に重なった言葉に見合せた顔がクスクスと笑みをどちらからとなくこぼした。
「舞から先に言えよ」
「佑からでいいよ」
向かい合ってはにかむような笑顔を佑が見せる。
「舞と二人きりでいるのって何年振りかな?」
「さっきまで、翼が一緒だったし」
「学校でも家でも佑の側には翼はいつも一緒だしね」
本当にこうやって二人でいるのっていつ以来だろう。
そんなこと今までにあったっけ?
頭に浮かぶのは、いつも翼と佑に囲まれている私。
一番最初の記憶も3人一緒に遊んだ記憶と駿お兄ちゃんにいつも抱っこをせがんでいた私。
「俺が抱く」
駿お兄ちゃんとパパが私を取り合った記憶も鮮明に思い出した。
「小さいからまだ無理だ」
「舞を落とすぞ」
「ヤダ、舞は僕が抱っこする」
小学校に上がる前のお兄ちゃんとパパは本気で言い合っていたって思う。
「舞、一人で楽しそうだな」
「佑が変なこと言うから小さいころのこと思い出しちゃった」
佑と二人きりでドキドキしていた感情は消えて佑を意識する前の自分に戻れた気がした。
「別にヘンなこと言ってないと思うけど」
ムッと膨れた頬はすぐに弾けて優しい笑顔を浮かべる。
佑の私に向ける笑顔につられるたびに私の気分も愉しさを増す。
「覚えてない?」
「道明寺の屋敷でかくれんぼしていて、一緒に物置の小さな箱に隠れてさ、翼がなかなか見つけてくれなくて」
「そっ、なかなか来ないって思ったら翼のやつ、一人でおやつ食べてたんだよね」
「舞、寝ちゃって、舞の寝顔を見てたら俺も寝ちゃってたんだよな」
「二人っきりって、あの時以来ってことか・・・」
「そっ・・・あの時以来」
見上げた空からぽつりと冷たいものが頬に落ちた。
雨・・・?
かざした掌にポツリ、ポツリと水滴が肌を濡らす。
「佑、雨が降って来たよ」
「えっ?本当だ」
慌ててパンプスを履き直してベンチから立ち上がる。
えっ?
いきなり視野が狭くなる。
佑の上着がすっぽりと頭から私を包み込む。
「風邪をひかせたら大変だからな」
「走るぞ」
気が付かないうちに佑の腕が私の肩に回されて・・・
佑に押し出されるように二人で駆け出した。
治まった筈の心臓が、さっき以上にバクバクと暴れだしている。
私の心臓・・・いつまでもつ?
駿君と司パパの舞ちゃん争奪戦のお話番外編は『Happy life 17』となります。
拍手コメント返礼
トマト 様
ただいまこのお話はマーガレット、コミック系を意識して書いちゃってます。
野球部のマネージャー、佑君より司の方落ち着きがなくなったりしてね。
あずきまめ 様
いいな~
青春だな~
好きな子の姿を見ただけで1日がラッキーだと思えた頃が確かにあったはず!
まだ二人っきりになったばかりですよ~
心臓持たせてくださいね。
アーティーチョーク 様
誤字と言うよりは変換間違いしてるのに気が付いてませんでしたね。
以前も確かご指摘を受けた記憶が・・・(^_^;)
その違いはしっかり分かってますので大丈夫です。
いつもお手数かけます。
あの部分は思うところがあって書き換えました。
二人が遭遇するのが雨だけならいいんですけどね(笑)
もみじ 様
佑が大人なんですよね。
さすがあきらの息子!
子供ぽさを前面に翼に出してもらってる為か対照的に冷静な佑君が書きやすくなってます。
翼は司の子供ですからね。(笑)
舞ちゃんがつくしの性格を引き継いでると佑君大変かもしれませんよね。
ことり 様
この後二人はどこに移動するのか?
大人の発想だと広がらないですよね。
きゃーーーッ
どうしましょう。
私の頭も広がっませんよ~。
そろそろ佑君サイドのお話も必要かなとは思ってます。
学生の頃のお話も了解です♪
Gods&Death 様
毎日暑いですよね。
カキ氷いいですね。
うっ・・・私も食べたくなってきました。
テレビ局のインタビュー、この猛暑をニュースで毎日取り扱ってますもんね。
私も逃げるな。
この恋は佑君がイニシアチブとれるのか?
余裕ありますもんね。
音ちゃん 様
いたるところであきらくんとのつながりを感じる佑君です。
女の子と遊んでる様子はありませんけどね。
そんな佑君は見たくないですしね。