生れる前から不眠症 6

暗くなる前に少し明るさを取り入れて♪

「♪マーク付けてる場合じゃないろう」

「追い込むのは司だけ十分じゃないのか」

あきら君にねちねちと恨み言われてしまいそうですが・・・(^_^;)

「おい!俺だけで十分だと!」

「お前は主役だからしょうがないだろう」

「まあ、そうだな…最後はしっかり楽しみが用意してあるからな」

「俺にもあるかな?」

「嫁さん、俺んとこもお前んとこも妊娠中だぞ?」

「それで、隠し子が出てくる俺って運が悪過ぎだろう」

「管理人が悪ふざけ過ぎなんだよ」

逃げ―ーーーッ

「その話、本当か?」

「ああ」

総二郎に呼び出されたホテル最上階のラウンジ。

カウンターに座った俺達にアルコールを差し出したバーテンダーは気を利かせて姿を隠す。

貸切にバーに俺たち以外の人影は見当たらない。

総二郎がクッと喉に流し込んだグラスの氷がカランと音をたてた。

「その女の旦那の会社って経営不振の話が出ていたぞ」

さすがだなと俺を見る総二郎の視線。

情報を素早く集めて分析するのは経営者としては当たり前。

利益が生れそうな宝がそこにはあるかもしれない。

ハイエナみたいなやり方は俺の趣味じゃないが、会社組織としてはおいしい話を逃がすことは無い。

この会社の場合は触手は動きそうもない分析が出てることを報告を受けたばかりだった。

「子供をネタに強請るつもりか?」

「あきらの力があればある程度は持ち直すだろうけど、先が見えてる」

「司がそう判断するんなら倒産は免れないってわけだ」

それは類だって簡単に分ってるはずだ。

「俺が少し突いてみるか」

あきらが動くより俺が動いた方が何かつかめる気がした。

「この時期に子どものことが出てくるってあきらも不運だな」

「司の場合はそんな心配全然ないからね」

類の言葉に総二郎はクスッと笑ってグラスをコースターの上に置く。

それが悪いか!

総二郎とあきらが遊び過ぎだから今頃こんな問題が起こるんだろうが。

「なぁ、司」

「なんだよ」

「お前、本当に牧野しか経験ないの?」

「いきなりなんだよ」

「話をあきらに戻せ」

気の重い話をしてる最中だろうがぁ。

「いや、かわいそうかなと思って」

憂いの帯びた総二郎の表情がため息を付く。

「かわいそうなわけねえだろう。俺はつくしがいればそれで満足だ」

「司じゃねぇ」

へっ?

「牧野が満足してるのかと思って言ってんだよ」

「女って、怖いぞ、感じてる演技できるからな」

今さら・・・

牧野と結婚して何年経ってると思ってるんだ。

一人と女と長く付き合ったことがないやつに言われたくはねェぞ。

ベッドの中で濃艶な表情を見せるつくし。

俺を欲しがるようにせがむ甘い潤んだ瞳。

背中にしがみついて触れる互いの汗ばんだ肌。

演技なわっけねェだろうがぁ!

あれが・・・実はって・・・ことあるのか?

渇きを覚える喉にグラスの中のアルコールをぜんぶ流し込んだ。

「ブーーーッ」

「司、焦んな。牧野も司しか知らないわけだから、こんなものだ思って比べようがねえだろうしな」

肩を震わせて総二郎が笑を漏らす。

「あきらのこと、牧野に悟られるなよ」

肩の動きを止めて総二郎が真顔で呟いた。

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拍手コメント返礼

ことり 様

今回は確かに男同士の濃い話題♪

つくしや、美作ママに双子にばれたら・・・

ひと騒動は間違いなしですよね。

水面下で解決しないとやばいぞ!

そう思ってもね、ばれた方が楽しそうと思う私がいます。

みえこ 様

この先本当にどうなるのか!

今はDNAといものがあるから、ごまかしがきかない。

昔なら「あなたの子よ」と言われたら男は信じるしかないでしょうけどね。

あずきまめ様

総ちゃんが絡んでくるとどうしても司で遊びたくなるんですよね。

悪い癖だ(^_^;)

この後は笑えなくなるかも(^_^;)