我儘な僕に我儘な君 44

久々の我儘~

ここから舞ちゃんと椿お姉さまの温かいお話に~

ハミングウェ~イは出てこないでしょうけどね。

じゃなくて、佑君サイドのお話です。

初恋と言えばどうしても村下孝蔵の初恋を思い出します。

五月雨は緑色♪

寂しくさせたよ一人の午後は

恋をして寂しくて

届かぬ思いを温めていた。

たぶんこの気持ちだったのはすずなちゃんだろうなぁ。

私の年齢も判っちゃうかぁ。

流行ったのは確か中学か高校だったかな?

初恋を知ってる方は同年齢ですよ~

「今日、うちに来いよ」

突然に振り向いた翼が事もなげに呟いた。

この状況で俺がおまえのうちに行って心穏やかに過ごせるわけがない。

「なにも、舞と会えって言ってるわけじゃないから。一人だとへこむだろ」

「舞を泣かせたことより、そういう行動に出た自分が信じられなくて許されないって落ち込んでるからな」

見下したように目を細める翼の瞳の奥に感じる友愛。

「わかったようなこと言うなよな」

無造作に呟く声がわざとらしいとでも言う様に翼は口もとを緩める。

都内の一角の広い敷地に門を構える豪邸。

屋敷の広さから行けば舞に顔を合わせることなく過ごすことも可能だ。

「もしかして、佑が会いたくないの舞より親父だったりして」

舞に悪い虫を寄りつけるな!追っ払え!

いつの間にか翼の親父さんに植え付けられてた気がする。

それはそれで俺にとっては好都合で、物心浮いたころから一番身近で舞を見てきたのはこの俺。

そして、気がつけば舞のことが気になって、舞ばかり見つめ続けてて・・・。

どうして舞だったんだろ。

好きになるのは理屈じゃなくて・・・

自分じゃコントロールできない感情そこにはあって・・・

押さえることのできない衝動。

今日それをはじめて自分の中で感じた。

「そんなの、覚悟してるよ」

道明寺総帥に嫌われるより舞に嫌われる方がショックは計り知れないのだから。

舞に会えなくなることを考えられるわけがない。

「着いたぞ」

車から翼に促されるままに降りる。

そのまま玄関を通って広がるエントランスを通り抜けて翼の部屋に直行。

間切りのない造りの広々といた部屋。

その奥に置かれたデスクに並ぶ教科書がこの部屋の主がまだ学生だと教えてくれる。

舞の部屋は翼の部屋の隣りで、同じような間取り。

ソファーや椅子にはクッションが並び快適とくつろぎが優先されてるような女の子らしい空間。

本当に会わないよな?

一抹の不安。

会いたくないのに会いたいと思う感情が交差する。

「舞は、遅くなるって連絡があったから」

気がつくと舞の部屋の方向を透視しでもしてそうな視線の俺に気がついてるように翼がつぶやく。

「椿さんが舞の話聞いてくれてるみたいだから心配いらないって思うけどね」

「意外にさ、今日のことは忘れたって顔して舞も帰ってくるんじゃないかな?」

舞が許してくれても、俺はきっと忘れられないって思う。

「嫉妬で苛立つ自分が許せないんだ」

「それほど好きってことだろう?」

「俺なんて、すずなにいつもムカついていたのが好きだってことだって気が付かなかった前科がある。

すずなと楽しそうに話してる佑にも嫉妬してすずなに冷たくしてたし」

「すずながさ、付き合い始めた頃に俺に言ったことがあるんだ。

俺を好きになって、教室で俺をいつも探して見つけられるとうれしかった。

でも自分の存在に気がついてくれたのに疎ましい態度をとられて傷つけられてが寂しかったのに、嫌いになれなかったっんだってさ」

「それ、のろけてんじゃないか」

「ばっ・バカッ、俺が言いたいのは舞はお前に傷つけられてもお前を嫌いになるわけがないって言いたかったんだよ」

焦った様に舌を噛んだ翼は耳まで真っ赤になった。

照れると顎の周りを無造作に触る癖は子どもの頃からの同じ。

嘘をつけないやつ。

「好きな子に興味を持つのも触れたくなるのもキスしたくなるのも男なら当たり前だし、佑、お前なら許す」

頬を引き締めた真面目な顔が俺の肩をポンとたたく。

「翼、お前の許しは必要ないだろう」

舞を困らせてまで先に進むつもりもない。

「でもさ、ヤッパリ興味あるだろう?佑?」

「ねぇよ」

「ウソつくな」

翼が俺の首に手を撒きつけて必要以上に迫る。

「正直に言えよ」

「うるせぇよ」

ベタベタと遠慮なく俺の身体を触りまくる翼。

抵抗するうちに身体のバランスを崩して二人で床に転がった。

もう少しでテーブルの角に頭をぶつける状況。

倒れるのを防ごうと握った椅子の背はそのままの勢いで床に寝っ転がってガタンと大きな音を発てる。

その音につられるように互いに視線を交わしてどちらからともなくわらいごえを上げていた。

拍手コメント返礼

goemon 様

お待たせしました。ずいぶん遅れてしまいましたがなんとかUP出来ました。

ホッと一息♪

佑クン人気を再認識してるところです。

初恋がもろに青春ということは同世代ですね♪

ゆきこ様

『やるじゃん三男坊♪』

そう思う気持ちわかりますね。

翼君って末っ子の感じしますよね。

駿!佑!翼!~

あと少しで沈んだ潜水艦は浮上しそうですね。

明るい日の出が見れるぞ~

理子 様

佑と翼の関係は親友というより兄弟的な情ですよね。

また駿と翼とは違った関係があるんでしょうね。

同世代嬉しいですね。

意外と多いんですよね、アラフォー、アラカン世代。

春ですからね♪

新しいお話の構成は蝶が飛び回ってます♪

Gods & Death 様

初恋の歌はリアルに中学校と重なってたんですね。

私の中学時代は淡い思いはなかったなぁ~(ーー;)

去年同窓会があったんですけど、中学時代好きだったの告白タイムがありましたよ。

みんないいおじさんおばさんでしたけどね。

キャサリン

佑君と翼君もいいコンビですよね。

自分より相手の事りかいしてるんだろうな。

シッカリ助け合ってますよね。

カッコいい男の子がいたらそれだけで学校生活楽しめるだろうなぁ。

nanako 様

数字4ケタを入れてしまうふるいおんなのコメに思わず吹き出しちゃいました。

申請お待ちしてます♪

akko

なんだかジュニア達の恋はホッとするんですよね。

等身大の恋でこのままいきましょうね~。

と思っております。

そうだ!

もうすぐホワイトディー!

わすれるとこでした。(ーー;)