whitedayに花束を(あきら&葵)

リクが多かったのはこの二人でした。

オリキャラ葵ちゃんの人気が高いのは嬉しいです。

どんな話にしよう・・・(^_^;)

あきらくんこれまでのお話でプロポーズ数度玉砕してるんですよね。

今回はあきら君の必死なプロポーズに絡めたお話にしてみました。

 *

「なんだか、恒例行事みたいですね」

「以前は個人的なプレゼントも多かったけど、今は義理のお返しだけだからずいぶんと楽になったわよ」

バレンタインだけかと思ったらホワイトデーに贈られてくるプレンゼントの箱が秘書室を占領中。

聞こえてきた葵と一之瀬との会話。

確かに以前の俺はプラベートなプレゼントも一之瀬に任せて贈らせていた。

葵のだけは俺が自分で選んで購入している。

誰に聞かせるわけでもない自分への言い訳。

葵!お前のだけは人任せになんてしてないから。

箱を開けてほころぶ笑顔を想像するだけで俺を幸せに出来る魔力。

「でも、これって絶対義理じゃないと思う」

艶やかな色彩に彩られた目を引く包装を葵が拗ねた瞳で見つめてる。

「勝手にカン違いしてるだけだ」

葵の手元から箱を取ってポンと一之瀬に放り投げた。

だから結婚しようって言ってるんだ。

媚びる視線で見られることも、下手に勘違いされることも無くなるはずだ。

もちろんそれだけが理由じゃない。

一緒に住んでいても確実に自分のものにしたいって独占欲を感じるただ一人の女性。

葵も同じだって思ってるんだが最後の詰めでフラれてる。

999本の赤いバラ。

生まれ変わっても一緒にいよう。

さすがにそのまま渡すには多すぎで両手で受け取れる量じゃない。

紅色のバラ 死ぬほど恋いこがれてる気持ち。

赤いバラの蕾は純粋な愛、愛の告白。

蕾と合わせて作った108本の薔薇の花束 結婚してください。

葵がウンとうなずいてくれたらそのあとに蒼いバラを贈ろう。

奇跡と願いがかなった喜びを込めて。

社長室に葵にばれない様に隠してある花束。

協力してくれてる一之瀬は楽しくてしょうがないと言う表情で俺と視線を交わす。

その・・・

初めて入学した小学一年生をハラハラと見つめる様な保護者な雰囲気はやめてくれ。

一之瀬に10本の指を絡めて神に祈られてるような気にさせられてる。

こんな緊張するホワイトデーは初めてだよ。

片膝をついて花束を捧げて愛の告白。

「ありふれてるぞ」

そう言ったのは総二郎。

花束の中に指輪を隠して渡す。

「それ、この前やったんじゃなかった?」

俺の失敗談には興味を見せてなかったはずなのにしっかりと覚えてる類。

「派手にプロポーズして相手が断るのを躊躇させる」

「会社のエントランスとかいいんじゃねェの?」

確かに司のプロポーズは派手だった。

あれから何年経ったか分ってるか?

俺はプロポーズして直ぐに結婚したい。

会社でプロポーズしたら超特急で走って逃げられる気がする。

それにお前は牧野を追い込んでイエスと返事させたわけじゃねェだろうがぁ。

ホワイトデー、一週間前の無駄な時間をあいつらと過ごした。

社長室の一角。

化粧室のドアの先に隠されたバラの花束。

タイミングを考えながら視線は気がつくとそのドアの奥をみつめてる。

「どうかした?」

葵がいつこの部屋に入って来たのか気がつかなくて一瞬たじろぐ。

「別に、スケジュールは?」

平常心を装ってゆっくりと笑みを浮かべる。

「何かあるの?」

コツコツと響く靴音は俺を無視して化粧室のドアを開けた。

「なにもないじゃない」

振り返った葵に浮かぶ怪訝表情。

たぶんその葵より俺の方がもっと際どい表情を浮かべてると思う。

葵を押しのけるように飛び込む化粧室。

無い・・・

今朝は確かに・・・

あったはずで・・・

「あきら・・・どうかした?」

不安げな感情が浮かぶ瞳が俺をみつめる。

背伸びして伸ばした葵の指先が俺の前髪を優しく掻き上げた。

その指先を両手で包み込んで葵を引き寄せる。

すっぽりと包み込んだ葵の温もりが心地いい。

「ヤッパリ、変だよ?」

胸の中でくすぶる葵の声。

「ねェ?大丈夫?」

上向きかけた葵の頭を胸に押しつけるように手の平で葵の頭を包み込む。

「お前が、YESって言ってくれないと俺の心臓が止まる」

「なに?」

「返事は?」

「何も聞いてないけど?」

YESしか言うなと視線でくぎを刺す。

「YES・・・」

俺の胸元から上げた葵はこれでいいと無邪気な微笑を浮かべる。

その表情が驚きに変わった。

俺の胸元に添える葵の左の薬指にダイヤの輝くプラチナのリング。

「これって・・・」

息が止まった様に葵が自分の薬指を食い入るようにみつめた。

抱き締めて息苦しさを訴える葵を無視して素早くポケットからとりだして指にはめた。

「YESって言ったよな?」

哀願する声。

葵の返事によっては本当に心臓が止まる気がする。

「ずるくない?」

「何度もプロポーズを俺にさせる葵よりマシだと思うけど」

微笑んだ形のままの唇が優しく俺の頬に触れた。

消えた花束は、帰宅の車の後部席の中。

帰りがけに一之瀬が俺にだけバラのありかを告げる。

開いたドアの方向を向く深紅のバラ。

「この花束って・・・」

「108本ある。受け取って」

差し出したバラは素直に葵の両手の中に。

「108本って結婚してくださいってプロポーズの意味じゃなかった?」

「指輪が先でプロポーズが後だなんて順番逆じゃないの?」

花束の匂いを嗅ぐように葵の鼻先が花びらに触れる。

俺がくすぐったくなるような愛らしい顔がこれ以上にないほどに弾けて微笑んだ。

拍手コメント返礼

ゆきこ 様

花言葉意外と知らないもの多いですよね。

何時の時代からなんでしょうね。

F3もいろいろ相談にのりながら応援してくれてるのでしょうけどね。

司のプロポーズで断られたらそれこそ立ち直れない気がします。

Whitedayシリーズ

気に入ってもらえてうれしいです。

やなぎ 様

そろそろ葵ちゃんも実写化で脳内変換の仲間入り御ンプ

そうですね。

あんまり考えたことなかったです(^_^;)

藤井 美菜サンを想像してますと言うコメントを丁度いただきました。

あとは・・・誰だろう・・・

最近あんまりドラマ見てないから思いつきません。(^_^;)

さわね 様

花言葉って奥が深いですよね。

知らない人には単なる花束だけど知っていたらうれしいですよね。

しっかりプロポーズの意味葵ちゃん知っていたしなぁ。

100万回読み直しありがとうございます。

公平君のイメージ溝端順平君。

お~。

執筆中は向井君のイメージしてる方多かったですね。

確かに失チョコのイメージ大きいかも~。