whitedayに花束を(舞&佑)

whitedayに花束を 類&つかつく編。

類クンの人気さすがです。

ブログ村の記事ランキングも久々に10位内に登場してました。

リクの多かった舞ちゃんと佑クン。

今回は佑君サイドでお届け~。

 *

舞との待ち合わせ場所に付いたのは約束の時間の10分前。

本当は目覚めた時からそわそわしてた。

いや、ベッドに入る前からかな。

二人でのデートが初めてじゃないのに朝が来るのが待ち遠しかった。

今年の舞からもらったバレンタインのチョコレートが今までのものと違って特別で輝いていたから。

「今年のチョコは佑にだけだから」

照れくさく微笑んで両手で目の前に差し出された宝石箱の中につめられたチョコ。

舞の指から口の中に差し入れられて口の中に溶け込んで行くチョコより舞の指先の方が甘く感じた。

待ち合わせの時間になれば俺を見つけた舞が息を切らせて目の前に走ってくるだろう。

そんな姿を想像して楽しんでる。

待ってる時間が楽しいって思える相手はきっと舞に対してだけのもの。

道路を挟んだ反対側を歩く舞の姿。

30分の遅刻を取り戻そうと必死に走ってる。

あんまり慌てると転ぶぞ。

そう心配しながらも顔を真っ赤にしてる舞がどうしようもなく可愛くてしょうがない。

駆け出そうとした俺の視線の先から舞が消えた。

コンビニの自動ドアに吸い込まれた舞。

なにやってんの?

なにか忘れた?

数分後コンビニから出てきた舞が左右を確認するそぶりを見せて駆けだすのが見えた。

走る車の間から見つめる俺の視線は舞を追いかける。

公園の入り口でようやく俺を見つけた舞が大きく手を振った。

「遅くなってごめん」

「家を出るときパパに捕まっちゃって、いろいろ聞くから振りきって飛びだしてきちゃった」

「大丈夫なの?」

舞の来た道を確認するように視線を投げる。

「大丈夫SPもついて来てないなずだから、そこはちゃんとママがね」

悪戯っぽい瞳が覗き込む。

近いっ!

足を一歩後ろに引いて舞から距離を取ったのは自然な防御。

舞のパパ、俺が舞と付き合ってるのなんとなく気がついてるって最近思う。

俺が翼を訪ねて行っても身を引き裂く様なするどい視線を感じてる。

ほっといていいからって舞は気にも留めない。

それでも近いうちに舞の親父さんに殴られる覚悟はしてる。

「寒かったでしょ?」

舞が僕の手のひらにハイと乗せたコンビニの袋。

手の平にジンとした温もりが伝わる。

「コンビニに入るの見えたけど、買ってきたのってこれ?」

「寒い中待たせたからあんまん買ってきた」

「私の手も温かくなったよ」

舞の手のひらが俺の冷たい頬を包み込む。

春先だと言うのに1月の寒さに舞の鼻先が真っ赤だ。

「舞も冷たい」

「佑の手も冷たいよ」

舞の頬の冷たさと自分の手の平の冷たさが重なっているのにそれを補えるほどの温もりが心の中に広がってくるのを感じてる。

舞の右手を握ってそのまま左のコートのポケットに入れた。

「折角だから食べてよ」

右手に持ったままのコンビニの袋の中から舞が左手であんまんを掴んで俺の口に押しつける。

「あまっ・・・」

一口噛んで口の中に広がるアンの味はチョコレートより甘い気がした。

「あっ、これ」

ベンチに置いていたピンクのバラの花束を舞に差し出す。

プリティーピンクの薔薇とブライダルピンクの薔薇

美しい少女

上品 気品かしとやか

温かい心

そんな意味を持つピンクの薔薇の花言葉

可愛い人に捧げる愛しているの意味。

「来年は赤いバラを送るから」

花束を受けとってくれた舞にそう告げる。

「大きな花束をもらっても困っちゃうよ」

「あのね、今日の予定遊園地だって覚えてる?」

この花束どうするのと拗ねた瞳が俺を責める。

車じゃ来てないよな?

遠くの路地に黒塗りの車が隠れてる事がたまにある。

首を伸ばして舞を見張ってる気配がないか確かめた。

本当に今日はしっかり舞の母親が手を打ってくれたみたいだ。

感謝するべき・・・だよな。

花言葉を理解してない舞の反応は想像できてなかった。

これじゃさっき呟いた来年の赤いバラの花束の意味も分ってないよな?

「ねぇ、なに笑ってるの」

「舞には早すぎたなと思って後悔してんの」

「そのわりには嬉しそうだけど」

「花束はコインロッカーにでも預けとけばいいよ」

「えーそれはダメ」

邪魔だと言っていたはずなのに大事そうに花束を抱き込む。

「折角、佑からもらったんだからね」

舞わざとじゃないよな?

抱き締めたくなる表情はそのまま俺を吸い込んでいきそうな瞳で甘く俺をみつめてる。

俺・・・

舞のパパから殴られるだけじゃ済まなそうな気がしてきた。

もう薔薇の花言葉も出尽くしちゃいました。

明日はどうするかなぁ・・・(^_^;)

拍手コメント返礼

ことり様

花束最後にもらえないと邪魔ですよね。(笑)

遊園地じゃ遊べないなぁ。

でも好きな人にもらったら大事に持っていたいですものね。

確かに花束って店員さん任せが多いかもしれませんね。

akko

ピンクの花束を持った佑君も人目を引きそうです。

いいな~あの花束どんな女の子に贈るんだろうって興味をもたれちゃうビジョンじゃないでしょうか。

この状況を司が見たら・・・

どうなるだろう?

見てみたい気もしますけどね。

キャサリン

見ていて、初々しくていいなぁ~

青春!と思えるような恋愛を二人で見たいんですよね。

切ない系は親世代に任せるということで~♪

裏ではつくしママが必死に司を抑えてるぞ~。

goemon 様

ライバルには司風な強引性のあるキャラ大内クンをあてがって~。

ライバルいると燃えちゃいますものね。

ゆきこ様

連載の方ではこの雰囲気になるにはもうちょっとですけどね。

良い感じに仕上がってます♪

昨日はラインお疲れされました。

途中で抜けちゃったけど話弾んでたみたいですね。

残念。

市の委託でグリーフケアのお手伝いを4月から予定してるんです。

そのネーミングを花の名前で付けようとさがしてるところだったんですが、これがなかなかつけられなくて、諦めました。

薔薇のお話が書けたので満足してま~す。

さわね 様

花に対する温度差。

きっと佑君のほうが高いでしょうね。

花より団子は親譲り♪

うんうん。

確かに命まではとれないでしょうけどね。

アラスカに左遷の手は佑君には使えないでしょうからね。

司どう動くんでしょう・・・(^_^;)