恋の駆け引きは密室で 38(完)

さぁ!

この話もいよいよ対決ですよ~

ハードなアクション場面を満載でお届け。

司の俊敏な動きと総二郎の冷静な知能。

あきらの用意周到な駆け引き。

いや~

アクションシーンより濃艶な甘さが良いかなぁ~。

総ちゃんとあきらくん、ステイジ―に惑わされなきゃいいですけどね。

どっちが落とす?

そんな相談してたりして~。

 *

サイモンの来訪を告げる声は冷ややかに邸内に響く。

シーンと静まり帰った長い廊下にコツコツと靴音だけが響く。

水面に小石を投げて広がる波紋。

穏やかな雰囲気をサイモンは確実に乱す存在だ。

「うまく欺いてくれたな」

「招待した覚えはありませんが」

冷酷な表情と表情が見つめあったまま口を閉ざす。

本当にこいつら親子か?

そんな疑いもつ空気が張りつめていた。

「お前が動かなくても私が彼女を送り届けてやったのに」

無駄な時間を使うなと小さくつぶやいた声はそのまま一人掛けのソファーに居場所を決める。

「それと引きかえに僕を操る魂胆が分っていて大人しくしてると?」

牧野には理解できない早口なイタリア語が続く。

「あの人がサイモン?」

強張った表情はサイモンとイーサンをみつめたまま俺の袖先をクイクイと指が引っ張る。

司と司の母親で冷えた親子関係を見るのには慣れてたつもりだったがこの二人はそれ以上の確執を感じた。

親子の情愛は一筋も入り込んで来ない憎悪。

他人を憎悪するより底の見えない深い闇。

牧野には毒が強すぎる。

「ここで、彼女を連れ去ったらお前はどうすることも出来まい」

屋敷の周りは自分の手下がすでに取り囲んでると独裁者的な威圧感を見せる。

「あんたの欲しがっていたプログラムはすでに僕の手をはなれた」

イーサンの言葉にサイモンが初めて動揺を見せた。

「お前はそれがどういうことか分ってやってるのか?」

「あんたを破滅させるのには十分だろう」

サイモンの背中を向ける扉が開いて床に転がる男。

「どうみょう・・・じ」

牧野の唇が震えるように小さく動く。

「道明寺!」

駆け出そうとした牧野の腕を掴んで止めた。

「今牧野が司の側に行ったら邪魔にしかならないよ」

牧野を背中に守る様に隠した。

「類、牧野に擦り傷一つ付けても許さないからな」

「分ってる。司、後ろ!」

カシャと音を立てて金属製の警棒が帯びて光りに反射して怪しく光かった光はそのまま司の頭上を狙う。

「こんなんでやられるかよ」

スルリと横にひるがえった身体はしなやかに伸びて相手の懐に入った司の肘でドスッと鈍い音を発てた。

「外にいる手下は全部排除したから」

司の後ろで取り上げた武器を床に無造作に置いてあきらが身体のごみを落とす様に服を手の平で払った。

「イーサンとはコンタクトを俺達が取ってたのを気がつかなかったのはサイモン、あなたのミスだよ」

総二郎の言葉に微笑を浮かべたのはステイジ―。

裏でつながってる接点を隠して動いてたはずの司たち。

最初からサイモンに勝ち目はなかったってことだ。

「このままで済むと思うなよ」

ゆるゆると揺れるように椅子から立ち上がったサイモン。

「それは俺のセリフだろう」

言葉が終らないうちに司の拳がサイモンの頬を殴りつけていた。

「ツッ」

力ませに殴りつけて苦痛の表情を先に浮かべたのは司の方。

手加減を忘れて拳を痛めたのは司らしいよ。

「後は僕らで片を付ける」

イーサンとステイジ―の指示でこの部屋は俺達だけになった。

「遅いよ」

司をみつめた大きな瞳は必死に涙を流さない様に堪えてる。

「牧野、もう司の側に行っても大丈夫だよ」

牧野をそっと司の前に押しだした。

背中を押す手が僅かに躊躇したこと、牧野は気がついただろうか。

「俺達がこの屋敷に助けに来てる間にのんびりと類と食事してたの知ってたぞ」

「それは、体力を衰えさせずにその時に備える為でしょう」

言い合いするには無理がある牧野の涙声。

「クルーザーに残された血のりを見つけた時は倒れそうなくらい心配した」

堪えきれなくなったように司が牧野を抱きしめた。

「切ないよな・・・」

俺に同情するようにつぶやいたのはあきら。

二人が俺を挟むようにそばに立つ。

「結構楽しめたよ」

強がりじゃなく牧野を守れて司に渡せた充実感は確かにある。

「あいつらが幸せなら俺達は平和だしな」

総二郎が俺と肩を組むように腕を伸ばす。

二人に挟まれて俺は今まで思いを開放するように微笑んで牧野と司を眺めてた。

一応ストーリ的にはこれで終わりです。

おまけの話はいくつかまだ続きそうなんですけどね。

サイモンとイーサンの確執の話とか・・・

問題が解決した後のつくしをめぐるイーサンと司との対決とか書いてない・・・(ーー;)

拍手コメント返礼

メガネちゃん様

こちらでは初めまして。

何時もの感じで行動の素早い司を支えるF3でおしまいに~。

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さわね 様

何かと忙しい年度末。

役員の引き継ぎに忙しい日々を私も過ごしてます。

やっと終わる~

娘さんの幼稚園準備お疲れ様でした。

ショコ潤終わらりましああtね。

私の地域は再来週の土曜日は最終回です。

つかつくのラブ。

今回は類のせつなさに敬意をこめて封印しようと思っております。

マリエ 様

まずは大人しい再会を見せた司君♪

この後は大丈夫かな?(ーー;)

ここからの展開がどうなることか?

ゆきこ 様

司が暴走しそうなお話から始まって大学から世界をまたにかけたお話に膨れてしまいました。

大きくしすぎて焦ったのほんねなんですけどね。

本当に終れるのかと不安になってましたよ~

イーサンま登場させるから。(ーー;)

今回はおとなしい再会シーンになりましたがほんとならもっとド派手に~なんてことも・・・

類君メインにしてしまったんでこれはこれで楽しんでいただけたものと思ってます。

昨日の失チョコリアル中継ありがとうございました。

結局みんな失恋なのね~。

カップルが出来ずに終わる月9も珍しい。

あっ!ラキセもだわ。

みえこ様

おまけのお話は司の暴走劇になりそうですよ。