恋の駆け引きは密室で おまけの話

いきなりの完結!

終わらせちまったよ~

すいませんの気持ちが~~~~~(^_^;)

きっと「え?」っと思われたことだと思います。

私の中でもまだこの物語は消化しきれてないのですが、区切りのよさで終らせてしまいました。

書きたらないところはおまけのお話ということで、追加執筆させていただくつもりでいますのでもう少しお付き合いをよろしくお願いします。

 *

「今回は親子の確執にあなた方を巻き込んで申し訳なかったと思ってるわ。本当にごめんなさい」

神妙な面持ちを浮かべるのはサイモンの娘ステイジ―。

俺達とイーサンの間を結んだのがステイジ―。

ステイジ―との接点を見つけて連絡を取ったのはマルク。

「ことが収まれば平和に解決しそうだよ。司がどう思うかは別にしてな」

なにげに嬉しそうに俺の肩を叩いたマルク。

事はもう解決したような朗らかさで俺達をマルクは送りした。

イーサンの作り出したプログラムを取引したのがマルクと道明寺グループ。

一手に独占できる警備のプログラムは国家レベルの代物だ。

これで牧野を無事に取り戻せたのだから何の不安もない。

・・・はずだった。

「実の父親との対決はあなたにとってあなたの心を傷つけたのか、それを思うと心が痛みます」

「それの傷を慰める手助けをしたい」

早速ステイジ―を口説きにかかった総二郎とあきら。

ここしばらく女っ毛が無いからって落ち着いたらすぐこれかよ。

「ステイジ―は遊びで付き合えるような女性じゃないと思うけど。あの二人は本気なのかな?」

胸元に押し込めたはずの温もりは俺からすぐに興味を逸らし始めた。

もっと、こう・・・

熱い包容と情熱のキス。

俺の腕からすっぽりと抜け落ちて俺は牧野の身体の抜け殻を抱いてしまってる。

この腕どうしてくれる!

「二度とつくしを危険な目にはあわせないから。本当にごめん」

いつの間にか部屋に戻ってきたイーサン。

俺の前を素通りして牧野の前に立つ。

俺を無視かッ!

元を正せば悪の根源はイーサン。

お前だろうが!

牧野より俺に謝るのが先じゃねぇのか!

人の婚約者を誘拐して隠してどれだけ心配させたと思ってる。

サイモンから守るためっていいわけだけじゃ許せねぇ。

牧野に微笑みかける柔らかな瞳。

惚れんじゃねェぞ。

こいつは俺んだからナッ!

取り戻すつもりで一歩足を大きく踏み出だした動きが止まる。

牧野の気を許した表情。

無邪気な笑い声。

無理矢理さらって連れてきた相手に見せるには緊張感なさすぎだ。

いくら警戒心がない牧野ににしても緊張を解き過ぎだろう。

まるで昔からお知り合いの様な空気が流れてる。

俺、なんか忘れてるぞ。

イーサンを操る目的でサイモンは牧野を狙った。

牧野の側でサイモンやイーサンどころか外国人の知り合いはいないはずで。、どこがどうつながって牧野なんだ?

「類、お前はイーサンと牧野の関係知っているのか?」

「小さい頃に一度遊んだ事があるらしいよ」

イーサンと話す牧野を類は穏やかに見つめてる。

「遊んだってそれだけか?」

それだけであの雰囲気って・・・

「それだけで、サイモンが牧野に目を付けるのはおかしいだろう」

まじに突き刺さる類の視線。

本当に気付いてないのかと痛い視線が突き刺さる。

「まさか、小さい頃の遊んだだけで牧野をわすれなかったなんて漫画みたいなこと言わねェよな」

「司も似たようなもんだろう」

聞こえてきたのはあきらの声。

「殴られて惚れたようなものだろう」

総二郎!いい加減そんな昔の話を引きだすのやめろと睨む。

「牧野の為なら司同様にイーサンはなんでもやったって思うけどな」

「牧野は返さないとか言ってくるかもよ」

お前ら俺を煽ってねェよな?

「牧野うんというはずねェだろ」

馬鹿げたこいつらの言動に動揺しそうになる自分にいい聞かせる。

牧野は情に流されやすいやつだから、絶対にないとは思いきれない俺。

力づくで今すぐにも連れて帰らなきゃあぶねッ。

時計の針は午後10時。

「司、真夜中にヘリを飛ばすのは無謀だからね」

腕時計を眺めた俺に類がつぶやく。

「ねぇ。直ぐに帰らなくちゃダメ?」

許しを乞う様な弱者な瞳が俺を覗き込む。

「お前、まさかイーサンの元に残りたいとか思ってるんじゃねェよな」

「違うよ」

違うにしては動揺して上ずる声。

すぐに帰るに決まってるだろうがぁぁぁぁ

骨まで砕きそうな強さで牧野の手首を掴んだ指先。

「痛いよ」

俺のお前を思う痛みはそれ以上だったよ。

「これ以上グダグダ言ったら身動きできねぇように縄で縛るぞ」

「縛れるもんなら縛れば」

気の強い表情が首をもたげて俺を睨んだ。

後悔すンなよ。