恋の駆け引きは密室で 34

いよいよステイジ―の正体が!!

明らかになるとこまで来ました~。

 

 

 

 

 *

らせん状の階段を上るとそこは一階とは違った雰囲気が広がっていた。

 

ヨーロッパ調の色彩と歴史のある古さを感じた落ち着きのある雰囲気が一瞬にして近代のステンレスの銀の輝きに包まれてる壁。

そこはどんな衝撃にも耐えられる金属の強さを見せつけてる。

天井から私たちを捉えるカメラ。

私たちが動くたびに角度を変えるカメラのレンズが私たちを捉えてる。

キーンとかカシャ―と機械仕掛けの音が耳に届くたびに緊張が背中に走った。

 

私たちをこの場所に連れてきても大丈夫なのか?

一瞬頭によぎる不安。

さっき見た風景は幻でどこか別の厳重な場所に知らないうちに迷い込んだようだ。

 

 

「ここの主は人嫌いで大変気難しいの」

一階と違ってここには限られた人間しか近づけないのだとステイジ―は困ったような微笑を浮かべた。

 

廊下の行き止まりで硬く閉ざされた扉。

その横には手のひらほどの大きさのパネル。

そのパネルにステイジ―が手を開いて押し当てる。

 

「指紋認識のカギって、厳重だな」

「これだけじゃないわよ。廊下のカメラが姿を認識した時点でそれが誰だか瞬時に判断できる機能がついてるから、

このカギは大して重要じゃないの」

皮肉った言い草の花沢類に茶目っ気をみせる様なステイジ―の態度。

そこまで厳重に訪問者を識別するってどれだけの重要人物がこの中に入るのだろう。

道明寺と付き合って私が驚くことも少なくなったと思ったけどこれはその上を行くよ。

 

開いたドアの先は毛足の長い絨毯が敷きつめられて、普通に談笑できそうな落ち着いた造りの部屋でホッと安心できた。

 

・・・と、思ったのはつかのまで・・・

部屋の左側の壁に埋め込まれたテレビ画面。

その一つには私の顔と全体像を映して解析してるデーターが飛び込む。

身長、体重、年令に生年月日まで。

箇条で連なった表示されてる英語表記のデーター。

そこにはあり得ないくらいの情報がオーラーされてる感じだ。

 

私の横には私の個人データーと見劣りしない花沢類の表記が見える。

身長182cm

体重65kg

血液型AB型

好きなこと 睡眠

好きな色 黒

好物 ミネラルウォーター

さすがにここまで書かれてると花沢類の隠れファンかとでも思えそうな細かさ。

 

身長160cm、体重48kg、血液型B型

私の方も似たような情報は読み取れる。

B・・・

W・・・

H・・・

スリーサイズまで調べてなくてもいいと思う!!

思わず花沢類の表情の盗み見してそこまで感心を示してない花沢類に安心した。

 

 

「すべての情報は確認済みだって見せつけてるつもりか?」

挑発的は表情の花沢類。

凛とした強さは何時もの輝きより数倍は見惚れるカッコよさ。

こんな花沢類見たことない。

F4の特別な人を引きってるオーラーの強さは花沢類一人でも十分だと再認識させられた。

なんて感心してる場合じゃなかった。

 

 

「ごめんなさい。本当はここにあなた達を連れてきたのは失敗だったの」

「あのまま、あのクルーザーに置いておけばややこしくならずに済んだんだ」

ステイジ―の言葉をフォローするように聞こえてきた低音の声。

 

もう一つ奥の扉が開いて現れたのはステイジ―よりもう一回り大きい姿の男性。

 

「久し振りの再会がこんなことになって申し訳ない」

私に近づいてきた男性が右手を差し出す。

反射的に右手を差し出して交わした握手。

ステイジ―そっくりの目鼻立ちがにっこりとほほ笑む。

 

 

もしかして双子?

双子の外国人の知り合ってますます覚えがない。

だれ?

 

「公園で、折り紙教えてくれたの憶えてない?」

えっ?

遠くの記憶の中の薄ボケた映像が少しずつ色づいて、そして目の前の顔が時間をさかのぼって幼なく変わる。

 

あの時の男の子?

 

「思いだしてくれた?」

はにかんだ笑顔は少年のままの爽やかさを見せて鮮明な記憶を私の頭の中に思い起こさせた。

「イーサン・・・」

「そっ、君はイーサンって覚えてくれなくて、ジーサンって呼んでくれてたよね」

だんだんと思いだしてきた。

笑いながら、もうジーサンでいいやって言いながら私がジーサンって呼ぶたびに苦笑してたイーサン。

いまならその意味が分かる。

って、遅すぎ。

その失礼さの復讐で誘拐って・・・

そんなわけないか。

目の前のイーサンは笑ってくれてるし・・・。

 

 

「ステイジ―は、僕の双子の姉さんなんだ」

ステイジ―に一度移した視線は私に戻って、ハイと私の手のひらの上にちょこんとイーサンが乗せたのは鶴の折り紙。

 

「今でも折れるよ」

そう言って優しく微笑んだ。

 

誘拐したのがイーサン?

緻密な情報の計画された誘拐とこの和やかない雰囲気とは違い過ぎる。

 

イーサンの言ったここに連れてくる必要がなかったって意味も理解できそうもない。

「訳が分らなくてこんがらがってるって顔してるね」

覗き込んだイーサンは本当にすまなそうな表情を私に見せる。

ごめんねって瞳がつぶやいて優しく輝く。

 

「君たちとサイモンとの関係を教えてくれないか?」

均衡を破るような冷静な響きの花沢類の声が聞こえた。

 

拍手コメント返礼

ミントン 様

やっと正体告白まで来ました。

まだこの先が長い(^_^;)

 

 

やなぎ 様

そうなんです。

まだサイモンの狙いは分ってないですからね。

 

こうし様

ありがとうございます。

更新頑張ります。

 

c4様

ありがとうございます。

ぜひ今度のネーム決めの投票にはご参加ください。

道明寺家末っ子の名前もそろそろ考えておかなきゃいけないんですよね。

 

こ茶子 様

わぁぁぁ、コメントありがとうございます。

私こそ訪問するばっかりで申し訳ありません。

拍手ポチはさせてもらってますよ。

 

 

 

 

あずきまめ 様

良い具合に裏切ってくれてると思ってもらえるとうれしいです。

サイモンカモーンに笑ってしまいました。

 

理子 様

サイモンとの二人の関係はいかに!

乞うご期待!

想像をお願いします♪

 

 

 

キャサリン

イーサン登場で喜ばせておいて?ですよね。

サイモン~~~~叫びたくなりそうな気がします(笑)

もうちょっとお付き合いください。

 

かよぴよ 様

うれしです。

私、皆様とのコメントのやり取りもすごく大事なんです。

コメントを読みながらあたらしい発想に結び付く事もあるし楽しませてもらってるんですよね。

ガクッと来るのはほんの一部といううか0.01%程度のものなんですよね。

今回も温かくなるメッセージたくさんいただいてます。

 

 

ゆきこ 様

 

サイモンどこよ?

そんな感じですが・・・(^_^;)

本当にどこで出てくる!!

 

愛の告白もありがとうございます。

確かに受け取りました。

 

みえこ 様

サイモンとつかs家運緒登場が気になるところですが・・・

もう少しかかるかな?(^_^;)

 

 

 

さわね 様

ジーサンって言われて傷つく相手じゃなくてよかったですけどね。

今回はイーサンで遊んじゃいました。(^_^;)

サイモンとの関係は!!

もう少し内緒です♪

 

miho 様

 

 心わしづかみのお話書けるように頑張らせていただきます!

 

ずんこ 様

まだまだインフルエンザ流行ってるみたいですね。

B型は2度罹ってる子もいる見たいですよ。

 

御折り紙の男の子も登場して一息つけそうなところで安心できてないのは類君だけ~。

君だけが頼りだ!

そんな場面を作りたいんですけどね。