DNAに惑わされ 26
おはようございます。
明日から4月。
増税ですね(/_;)
わが家も買いだめ頑張ってます。
今日はガソリン満タンにしとかなきゃ。
忙しい!!!
駿くん楽しいフライトになったでしょうか?
いままでで一番長く好きな子と一緒に居られる時間が楽しくないはずないものね。
飛行機つかなきゃいいなんて思ってたりしてね。
*
暗闇の続く空。
窓のガラスに映し出される自分の顔の後ろの鮎川の姿を見つめてる。
直に鮎川の寝顔を見るのがこんなにくすぐったいものだなんて初めて知った。
「来てくれてありがとう」
時間も過ぎるのも忘れて会話を続けた。
そのなかで、何度も鮎川が呟いた言葉。
何の変哲もない言葉が鮎川の僕に向けた笑顔で宝石の様にキラキラと輝いて僕を包み込む。
いつもこの笑顔を向けられるたびに実感する。
僕はヤッパリこの子が好きなんだって。
眉にかかる長さの前髪をそっと指で撫でる。
触れられてるのに気がついたのか鮎川の首が微弱に動いて指がピクリと止った。
規則正しく聞こえる寝息。
鮎川はすやすやと眠ったまま。
眠れそうもない僕の側で安心しきった寝息を漏らす。
意識して、緊張して、心も身体も落着けない。
見ないつもりでも気がつくと鮎川の姿を視線の先で探してる。
眠る前に握りあった手の平をつないだまま眠るなんて僕には出来そうもなかった。
アメリカ西海岸の玄関となるロサンゼルス国際空港。
今までも何度か来た経験があるが鮎川の一緒だという高揚感は隠せない。
空がいつもより青く澄んで見えてしまう。
飛行機の機体に跳ね返される太陽の光も眩しさを解き放つ。
「楽しそうだね?」
「楽しくないの?」
「家を出るよりは楽しいって思える」
「素直に、僕がいるから楽しいって言ったら?」
「言って欲しい?」
荷物が流れてくる間にもこんなたわいもないやり取りが続く。
バタバタと空港に急いだ僕は肩に担ぐショルダーバック一つ。
「駿君、日帰りのつもり?」
なんて鮎川がからかう。
「必死に急いで 来たって分って欲しいよ」
口を尖らせる僕に「うん」と頷いてみせて、僕の心の奥をくすぐる笑みを鮎川は浮かべる。
「持つよ」
鮎川の赤いスーツケースを受けとって到着ロビーに向った。
人種の入り乱れた人込みで混雑するロビー。
その中でも目立つスラリと長身の女性。
さすがに父さんの姉さん。
姉弟で甲乙つけがたい艶やかなオーラを解き放ってる。
「駿~」
呼ばないでよ。
きっと西田さんだ。
ロサンゼルス在住の椿伯母さんに連絡を入れたんだ。
「ご両親には御連絡するな言われましたが椿様に連絡するなとは言われませんでしたので」
白々しく言い放つ西田秘書の表情が浮かぶ。
だから何も聞かず僕をロスに飛ばしてくれたんだ。
ずるいよ。
保護者つきじゃないか。
椿さんの視線は直ぐに僕から鮎川に移ってるのが良くわかる。
「知り合い?」
「父さんの姉さん」
「だから、雰囲気が似てるんだ」
え?
似てる?
嘘だろう?
父さんは威圧感満載で他人を寄せ付けないバリアをはる。
椿さんの場合微笑み一つで人を惹きつける魅力は未だに健在だ。
「駿くんのお父さんの雰囲気を柔らかくしたらあんな感じなのかなって思ったの」
僕の手から鮎川が自分のスーツケースを取った。
「ここでお別れだね」
え?
笑った表情の裏で僕を突放す声。
「家まで送るから」
コツコツと歩き出そうとする鮎川からスーツケースをもぎ取る。
「いらっしゃい」
僕らの前で椿さんがにっこりと微笑んだ。
拍手コメント返礼
アーティーチョーク様
やっぱり西田さんですよね。
未成年をそのまま簡単に海外に放出しない。
万全の体勢で送り出す対策取ってますよね。
しっかりSPも貼り付けてたりしてね。
あとは椿さんの考え次第かなぁ~。
ゆきこ 様
駿君だけじゃなく鮎川さんも眠れてないよ~と教えてあげたい。
つくしなら爆睡しそうですけどね。
駿くんが気がつかなくてもチラチラと駿君に視線を送っていたはずだ!(決めてつけてます)
ファーストクラスに未成年が二人。
それもイケメン!
見た目ヨシ!育ちヨシ!の雰囲気ならいくら最後とでも気になっちゃいますよね。
CAさんからお誘いを受けるとしたらあと5年は必要でしょうか?
以前飛行機に乗ったら私のグループ5人だけの御客。
現地に付くまでCAさんとお友達の様にず~と話していたことを思い出しました。
羽田から山形までの飛行機だったと思います。
駿君の乗った飛行機も他にお客がいなかったら話し込んでたりして~。
座席を取り囲まれ途切れることなく話しかけられる駿君。
拗ねる鮎川さんだと、楽しいフライトとは言えなくなるなぁ。(笑)