恋の駆け引きは密室で おまけの話 2

おまけの話をどう続けるか。

いろいろなバージョンを妄想してます。

私以上に妄想を繰り広げていただきこのお話を書いた甲斐があるなぁと感激。

本文が終わってるので話の流れを考えずにかけるのがおまけの話のいいところです。

さて今回のお話のヒントをいただいたのは誰かなぁ~

何時もありがとうございます。

 *

「こちらの部屋をお使いください」

案内された部屋は牧野の部屋と向かい合った別部屋。

泊まる、帰るの攻防は民主主義の名のもとに俺一人をのけ者にした。

まあ、すぐに牧野と二人になれるのならそれもいいかと思えば、「それじゃ」と、つれない素振りで婚約者は俺に背中を向ける。

「牧野」と声をかけようとした俺の前に立ちふさがったのはイーサン。

「なにか、不手際でもありましたか?」

あるに決まってるだろう。

ここは気を利かせるとこだろうがぁぁぁ。

離れ離れの恋人同士。

それも婚約者だぞ、ベットだけじゃなく部屋も離されておネンネって誰が考えてもおかしいぞ。

こいつ・・・わざとか?

「人の恋路を邪魔する奴は馬に蹴られて死んじまえ。って知らないのか?」

「日本人じゃありませんから」

とぼけた顔が不適な笑みを作る。

こいつ・・・人嫌いじゃなかったのか?

双子の姉しか近付けず部屋に籠ってひたすらコンピューターと仲よくしてる変人って報告だったぞ。

人との接触を嫌う生活。

この俺に立ち向かう度胸はどこから来てる。

「無粋の極み・・・折角の思い出に水を射してるのはどちらでしょう」

ブスの極み・・・?

外国人の使う日本語は意味不明だ。

分ってるのはイーサンが牧野の好意を抱いてる点は明白なこと。

あいつ、またへンなところで男をひっかけてんじゃねーぞ。

「おい、話しつけようじゃねェか」

牧野へ小言の前にイーサンに無駄なことするなと教え込んでやる。

幸いなことに止めに入りそうな牧野はさっさと部屋に籠ってしまってる。

牧野と二人でいるはずの部屋に男二人。

さっさと終わらせるぞ。

「牧野が世話になった」

皮肉を交えた声。

イーサンが牧野のこと思い出さなきゃ俺も巻き込まれずに済んだ。

「このまま、つくしが側にいてくれるのが僕の望みだと言ったら?」

「牧野の望みは俺の側にいることだ」

挑発的な声に挑発的な声で返す。

その前に俺のものを名前で呼びすてんじゃねーぞ。

砂漠の真中で風が砂を舞い上げる幻像。

鋭く光る眼光だけが怪しく光る。

何処からナイフがいつ飛んできてもおかしくない緊迫感。

イーサンと牧野との関係は小さい頃にちょっと遊んだけ。

牧野もイーサンに会わなきゃ思い出せなかっただけのもの。

なのにこいつの本気度ときたら牧野が俺に説明した軽さとは比較にならない。

この温度差に俺は何度苦労したことか。

俺が思ってるよりも牧野はモテる。

それも意外といい男。

俺には負けるけどな。

あーーーッ

ムカついてきた。

俺が後始末する問題じゃない。

でも牧野に任せたら気が付かないままに流される。

やっぱり俺が締めくくらなきゃダメだ。

「つくしが、僕にプレゼントしてくれたんだ」

俺の手のひらに乗せられた少しいびつになった色あせた鶴の折紙。

「日本人て器用だよね。正方形の紙で何でも作れるんだから」

「それから折紙に夢中になって僕に真剣におり方を教えてくれたつくしがとても可愛かったのを今でも覚えてる」

俺以外の男が甘ったるい表情を浮かべて牧野を語る。

それだけでムカつ気が上乗せされる。

「君は折れる?」

「こんなの簡単だッ」

振り上げかけた腕はそのままイーサンが視線で示したテーブルの上の四角い紙を取る。

なんでここで色紙が用意されてるかわかんねぇ。

それを俺が折るってどんな流れだよ。

殴った方が早くケリがつきそうだが、こいつの勝ち誇った顔をつぶしたい。

・・・

・・・・

・・・・・・

正方形を二つに折って・・・

次は・・・・

三角・・・四角・・・・どう折る?

俺って

折紙なんて一度もやったことねェ。

俺の横でイーサンはあっという間に鶴をおりあげた。

俺の折り紙は折り線だけが増えていく。

あっ!

もう!

無理!

なんで俺がこんなことやる必要あるんだ。

「トントン」

ノックする音が部屋に響く。

返事する前にノックの音は部屋を突く破りそうな大きな音に変わった。

ガチャ―

バン!!!

開いたドアは壁にぶち当たって牧野の顔の前に戻る。

一歩足を踏み込んでドアを開いて現れた牧野の姿。

「何もしてないよね!」

鶴をおりあげたイーサンを見つめてホッと牧野が息を吐いた。

「道明寺がイーサンを連れ込んで出てこないって聞いたから、あわてちゃって・・・」

イーサンから俺の手元に注がれる不可思議な視線。

それ?なに?

牧野の瞳が俺に訴える。

「何でもねェよ」

クシャと丸めた折紙を後ろに放り投げた。

「日本人がみんな折紙折れるわけじゃないんだね」

小ばかにしたようにイーサンがちいさく笑う。

「折紙折ってたの・・・?」

牧野のなんでの疑問がさっきより大きくなった。

俺にも説明は無理。

折紙が折れたところでたいした勝利じゃねェし。

イーサンが望む物は一生無理で、俺の腕の中から離れない訳で・・・

どこまで俺は牧野にたいしては貪欲に何でも対抗心を燃やしてしまうのか。

「君にならつくしのことを安心して任せられそうだ」

お前に任せてもらう必要はねェよ。

最期まで俺を試す様な態度で対応してやがる。

「俺はこいつに認められれば、ほかの奴に認められる必要ない」

グッと伸ばした腕は牧野の首に回って引き寄せた。

「折紙の折り方はひと晩かけて牧野に丁寧に教えてもらうからイーサン、お前は邪魔」

俺の捕まったままの牧野の身体にピクンと緊張が走る。

その牧野を残してイーサンは素直に部屋の外に出て行った。

「道明寺が折紙するの?」

「そんな無駄なことすると思うか?」

牧野の背中が俺の胸元に押しつけるように抱きしめる。

顎のラインを指先が包み込む。

キスをしやすいように指先に力を込めた。

拍手コメント返礼

ゆきこ様

本当はもっとイーサンに頑張ってほしかったんですが、そうするとお話がおまけじゃ終わらなくなるので、簡単に引き下がってもらいました。

昔の淡い思い出に食い下がろうと必死になって対抗意識を燃やす司を見てたらイーサンもつくしちゃん諦めても良いと思わないだろうかと。

これが道明寺のTOPの姿か?

と思ったら愛されてるの丸わかりですもの~。

この後つくし爆睡?

いや、今回は司を爆睡させてつくしに悶々としてもらうとかどうですか?

どっちにしても意地悪だなぁ(^_^;)

かよぴよ 様

こっちでは全然再放送やってくれないんですよね。

最近の再放送はチームバチスタばかりで~。

花男ファンゲットですね♪

Gods & Death 様

イーサンとも駆け引き~

それが折紙!

F3が見たらからかわれるネタになりそうですよね。

さわね 様

おかえりなさいませ~。

最近ちょっぴり気温が下がってますが昼間は初夏の温かさですよね。

そろそろ半袖も用意しなきゃいけないですよ。

おまけ3?

いや~如何するかなぁ~。

はい!頑張ります。