一秒ごとのLove for You 14

この後はSp物語もいけそうなのですが・・・(^_^;)

代表の体調を気にしちゃった千葉君。

司の機嫌を損ねなきゃいいですけどね。

ピタ ピタ ピタッ。

ピタピタ。

均等な距離を保ちながら付きつ付かれずの距離。

後ろについてくる気配にも最近慣れてきた。

いま私のうしろに張り付いてるのは千葉さんだろうか?相葉さんだろうか?

そんなことを考える余裕もある。

この窮屈さの中で楽しみを考える。

慣れって不思議。

「どうかした?」

「慣らされるってこんなことを言うのかなって思って」

零しそうな笑みをこらえて呟く私に公平は不思議そうな表情を浮かべる。

道明寺と付き合って知った、孤独と重圧と窮屈な束縛感。

けして幸せじゃなかったんだと頑なに他人を拒絶して過ごしてきた道明寺を見て思う。

お金持ちっていいな~と憧れる生活もあり過ぎると平凡な生活が幸せだって実感出来る。

結婚しても価値観の違いの隔たりは埋めようもなく離れたままだけど、そこには私の理解できてない道明寺の世界があって、道明寺の理解できてない私の世界観がある。

それでも、お互いに理解しようと歩み寄る気持ちがあるから互いに尊重できて、必要で、離れたくなくて、傍にいたいって思う気持ちになれるんだと思う。

まぁ・・・

私の方が80%は歩み寄らなきゃ無理なんだけど。

道明寺の我儘も独占欲も扱いにくい性格もそれがすべて道明寺で、そんな道明寺が丸ごと好きだからどうしようもない。

まず道明寺に会ったら御昼付き合えなくてごめんと伝えなきゃな。

これでアイツの機嫌が直ると安上がりなんだけど。

「公平は分らなくてもいいから」

「うれしそうにそう言われると、気になるんだけど?」

「公平には関係ないから」

公平とならんで一緒にいるのに思い浮べるのが道明寺のことってバレたら恥ずかしくてしょうがないもの。

「関係ないねぇ・・・」

少し考えた真面目な顔はクスッと私の気持ちを察知したように悪戯ポイ表情を浮かべる。

その表情に煽られてドキドキと心臓が胸を打つ。

公平のその感の良さを私といるときは隠しておいてほしい。

「失礼します」

突然強引すぎる力で右腕を掴まれた大きな身体が私の身体を庇う様に壁を作る。

え?

相葉さん?

キョロキョロとあたりに視線を配り平穏な空気の流れに緊張が走った。

「どうしたの!」

「つくし様の後をつけていた男を一人、不審な行動をしてたので念のためです」

右の耳に当てたイヤホンの位置を直しながら相葉さんは私は保護したなんてことを告げている。

私・・・

保護されちゃったんだ。

なんだか逃げない様に確保されてる気がする。

右腕はしっかり掴まれたままで相葉さんの硬い胸元が頬に触れる。

スーツを着てても鍛錬された筋肉質の身体が想像できる逞しさ。

道明寺以外にこんなに近づいた異性ってそんなにいない。

道明寺に見られても大丈夫なの?

その前にこんなとこに道明寺が現れるわけないか。

「迎えの車を呼びますのでそのまま送ります」

マニュアルに沿ったようなテンポのいい流れで相葉さんが事を運ぶ。

「そんな人いた?」

疑問を向けた相手は公平。

「いたよ」

事もなげに呟いた公平が口元をほころばす。

「殺気を向けられてたのはつくしじゃなくて俺だって思うけどね」

「ダサい変装で、逆に目立ってたけど・・・」

「不番に思われて自分のSPに拘束されたってギャグみたいだよね」

自分のSPって・・・

変装・・・

・・・・で。

睨み付けてたのは私じゃなくて公平って・・・

「うそだろう・・・」

私を掴んでいた相葉さんの指先が震えてガクンと力が抜ける。

困惑顔の表情が私を見つめてそのまま空を仰いでガクンと頭が垂れた。

それって・・・

もしかして・・・・

もしかして!

もしかして!?

私達の歩いてきた後方の路地裏からゆるゆるとでくくる二つの影。

最近スーツ姿の道明寺に慣れていたから、ラフな格好でソフト帽なんてかぶっちゃてる。

きりっとした濃い眉にクッキリと二重のアーモンドアイの黒曜色の輝きが真直ぐに私に注がれてる。

意志の強そうな唇が不適に口角を上げて笑った。

うしろにいたマスクした男性って道明寺だったの!!!

びっくりマーク10個はつけたい気分だ。

気付けよって責められるかな?

それより変装して私を付けてったてどういうこと!

100歩譲って迎えに来てくれたとしても過保護過ぎだ。

「迎えに来た」

いまさら言われても素直になる気なんて失せてしまってる。

「迎えにくるのにわざわざスーツを着替える必要あるの?」

「これはだな、西田が!」

めんどくさいとでも言う様にに道明寺が途中で言葉を切った。

「ここで抵抗すると目立つぞ」

鼻先に近づいてきた来た性格そのもののふてぶてしい笑みを道明寺が浮かべてる。

確かに・・・

歩む速度を落として私達に視線を向ける通行人が増えている。

私を乱暴に扱う道明寺。

その周りにガタイのいいSP二人と検事のバッチを付けてる公平。

トラブル?

そんな思惑を感じる視線が増えてる。

その中に相葉さんと千葉さんの懇願する視線を見つけてしまった。

SP物語スピンオフもお楽しみください。

拍手コメント返礼

ソフィ 様

桜も満開ですね。

この時期ってテンション上がるんですよね。

来週から学校も始まるし、春休みもあと少しです。

今回もっと公平君に活躍させたいんですけどね。

公平君と司の対決が見たいような・・・。

葉っぱコンビが生きた心地しないだろうなぁ。

ひーまー 様

SP物語に西田さん日記気になっちゃいますよね。

私も気になってます。(^_^;)

ゆきこ様

葉っぱコンビとつくしちゃんと公平。

この中で気がつくとしたらズバリ公平くんでしょう!

「ヘタな変装」

と心の中で呟いて苦笑する公平君。

ここはわざと司を煽ってもらいたい。

そう簡単につくしを返しちゃイヤ~

あっ・・・

ゆきこさんより私の方がS気が出てる・・・(^_^;)

かよぴよ様

公平君絶対司と遊んでますよね。

この後どんなお仕置きが待ってる事やら~。