一秒ごとのLove for You 13
珍しく大人しい司君。
何時もなら「別れたくなる」のセリフで飛びだしてつくしちゃんに迫る!
そんな感じですけどね。
ものまま大人しく尾行したらうれしくなっちゃう話もつくしの口から聞けるかもしれませんよ。
私、司にはそんなに優しくなんいんですよね。(^_^;)
いきなり後ろからねじ込まれた腕。
そのまま強引な力は俺を路地裏の影でビルの壁に押しつけた。
「不審者確保。先輩はそのまま護衛お願いします」
「ちばーーーーッ」
押しつけられたコンクリートの壁に塞がれた唇。
声は言葉にならず濁った音が虚しく響く。
誰が不番者だ!
「なんのつもりだ!」
厳しさを込めた声が響いて俺の帽子を乱暴に取る。
「えっ・・・」
幽霊でも見た様に表情がすぐさま顔色を変えた。
今にも腰を抜かしそうな状態で千葉の身体は俺の目の前から数歩足を後退させた。
「千葉ーーーッ」
「だ・・・い・・・ひょ・・う?」
ちいさくなる声に一応確認を取る様に疑問符がつくのが見えた。
信じられないとでも言いたげな表情はそのまま俺を凝視。
「なんのつもりだって、そのままお前に返してやるよ」
俺の声に焼き色のついたせんべいがひっくりかえるようにパタンと向きが変わった千葉は壁に張り付く。
そのまま壁に身体を張りつけて手足を壁に添う様に上下させた。
登って逃げれるのはスパイダーマンだけだ。
逃げれねェよ。
「どうして、そんな格好でつくし様を尾行なんてしてるんですか」
千葉の声に泣きが入ってる。
「迎えに来ただけだけだ。他に意味はない」
そうだ、俺はつくしを迎えに来ただけ車に乗せれば良かったはず。
西田の言うとおり変装して、尾行して、千葉にまで不審者扱いされて、
つくしの言葉にドキッとさせられて、いいことなしだ。
「俺が分らないなんてSP失格だな」
こいつ等に俺が分ったらそれはそれで変装の意味がない。
西田から一言こいつらに連絡を入れてもいはずだ。
俺がつくしの後ろにいるってことを、そうしたら千葉もこんなへまはしなかったはずだ。
お蔭で初めてコンクリートの味を知った。
西田のミスじゃねぇの?
「異様な雰囲気で殺気を放出してる相手を代表だって思えませんよ」
「代表がつくし様においかぶさる様に身体が動き出してましたから、危険だと思って、その時はもう身体が反応したんです」
俺は一歩のところで思いとどまってる。
護衛としては確かに危険を察知して事前に動けるほうが優秀だ。
千葉は自分の仕事を全うしただけで何の落ち度もない。
むしろ褒めるべきだ。
責められるべきは西田だな。
これをネタに休みをもうちょっと引き出せねェか?
「申し訳 ありませんでした」
風が舞い上がりそうな勢いで千葉が深々と頭を下げる。
「確かに、今回は俺も俺だと分かりにくい恰好だったからな」
かすかに肩が動いてピクつく後頭部。
ゆっくりと遠慮がちに首をもたげた視線が俺の表情をうかがう様にチラリと見えた。
「お前は自分の仕事を全うしただけだけだ。これが本当につくしを狙ったやつなら褒められるべきの行動だもんな」
俺の言葉が信じられないようなキョドッとなってびくつ目。
この俺が褒めてんだぞ!
びくつくな!
「代表・・・」
「なんだ?」
「熱・・・ないですよね?」
ねぇよ。
拍手コメント返礼
ゆきこ様
今日もUP早々の拍手感謝♪
私、自分でしっかり勇退を表明してたドS倶楽部復帰をしたい心の奥を暴露しちゃったのね。
司にやさしくないなんて書くんじゃなかった。(笑)
千葉君、司の体調心配してる場合じゃないですよ~。
かよぴよ様
代表に褒められた。
喜ぶところを不安にさせる。
日頃の司君じゃしょうがないですよね。
結婚して変わったと言われる一因になるかも~。
つくしちゃんに見つからない?
今のところはですけどね。(^_-)