DNAに惑わされ 27

ロスでは無事に椿さんと会えましたが・・・

駿くん予測してなかったのかな?

そこまで考える余裕はなかったのか?

駿くんが頼ったのが西田さんですからね

総領息子のためになる様に奔走してくれてる事と思います。

今回は駿君が飛び立ったあとの日本のお話♪

*

「駿のことは心配しないで」

携帯の向こう側から聞こえてくる声は何時もにもまして楽しそう。

「宜しくお願いします」

椿おねえさんにそう頭を下げて駿の声に代わった。

「母さん、ごめん」

即行動に移すのは誰に似たんだか。

心を寄せる相手が自分を追い掛けてくれる嬉しさは分るから、今回は何も言わない。

自分から別れを決めて姿を隠した高校生の私。

それなのに勝手な言い草だけど、諦めようとしても諦めきれない複雑な思い。

道明寺が私を見つけて追いかけてきてくれるかも・・・

行き先も告げずに離れたのにそんな望みの薄い思いも心の底には持っていた。

さびれた漁村に逃げ込んだ私たち家族。

目立つ姿は浜にいきなり東京タワーが現れた様なインパクト。

司が私に差し出した腕。

真直ぐにキラキラと輝く瞳が眩しくて、ただ、ただ、差し出された指先を見つめていた。

あの後、記憶を無くした司がすっかり私のこと忘れてくれちゃって苦労させられたけど。

駿が記憶喪失になるようなことないよね?

「話は西田さんから聞いてるから、こっちのことは任せて」

会話の終わった携帯を手の平が握りしめる。

「ほっとけ」

ブスッとした声は居間の中央から響く。

駿が自分じゃなく西田さんを頼ったものだから拗ねちゃって・・・

携帯の画面が曇るようなため息が自然と零れた。

「プライベートジェットで先回りできる手配まで俺なら出来る」

サプライズが好きな司なら派手に出迎えてくれそう。

駿はそんなタイプじゃないわよ。

それでも自分を一番有効に見せる演出は理解してるんだから生れながらのTOPの品格は備えてるって思う。

「照れくさかっただけじゃないの?」

自分の恋愛を親に話すってなかなか出来なと思うけど。

うちの両親は玉の輿だって喜んで、道明寺のお母様は家柄がふさわしくないって認めなくて・・・

別な意味で相談できる状況じゃなかったな。

「だからって西田に相談する必要はないだろうがぁ!」

駿のチョイスは一番無難だって思う。

司に駿が連絡を入れても、西田さんに指示して実際に動くのは西田さんな訳だからその手間を省いただけじゃない。

これが駿が頼ったのが、西門さんや美作さんに花沢類だったらもっと機嫌が悪くなるって思う。

西田さんも司が拗ねることは重々承知で私から司に話す様に算段を付けるんだからなかなかだ。

職場に電話一本「駿ぼっちゃんはロスに向われました。椿様には御連絡を入れておきました」

そこからフライトスケジュールに始まって、、ロスに行く理由が、ロスに引越しそうな彼女と話したいためだとか・・・

「一途なところは似てらっしゃる」

最後にそうつぶやく西田さんの声が微笑んでるように感じた。

似てるって司ですよね!

それとも、私・・・かな?

「代表はまだ知りませんので」

後は良しなにと時代劇の悪徳商人の響きで途切れた会話。

もう!

付け届けは小判の代わりに明日の事務所の私のデスクの上に有名店のチョコの箱。

玲子さんがそれを見つけると「今度はなんだったの?」と否応なしに尋問が始まって、聞き上手な玲子さんの罠に落ちちゃう私。

司の後始末はシッカリ私の役目でインプットされてしまってる。

それが自分の仕事みたいに慣れてきちゃってる自分に苦笑するしかない。

帰宅して最初の会話が駿の話題。

駿が家を出てから3人の子供の中でも駿の話題になることが多くなってる気がする。

目の届かない子供ほど親が心配になるのは司も一緒なんだと嬉しく思ってる自分がいる。

「あのね、私だって何の相談も受けなかったんだから、寂しいって思う気持ちはあるの」

司の頬を両手で挟んで私の真正面を向かせた。

「それなら、お前もムカついてるのか」

「司と一緒に不機嫌なってたら、西田さんの白髪がますます増えちゃうよ」

「司が拗ねるから私はそれを慰めるサイドに回っちゃうわけだけど・・・」

昔みたいに言い合って、ケンカして互いに剥れて顔を背けあってふて寝する回数は、年月が過ぎるとともに少なくなってる。

司を不機嫌にすることも機嫌を直すことも微妙なさじ加減が分る様になってきた。

「どう慰めてくれる?」

司の伸ばした背中がそのまま私との距離を詰めて、右手は腰に回されて自分の太ももの上に乗せるように様に私を引き寄せた。

私のお尻の下に司を感じて落ち着つけなくなるのは、今も昔も一緒で進歩がない。

「どう慰めてほしい?」

自分の言った言葉に耐えられなくなりそうなくらいに心臓の心拍が跳ね上がった。

もうっ!司の顔が見れない。

その思いのままに司の首に腕を巻きつけていた。

拍手コメント返礼

メガネちゃん

今回は大人なつくしちゃんで司に対応してもらいました。

たまには私も司君に優しくしてあげないとね(笑)

LINE参加ありがとうございます。

ついて行こうと思わずにトークを一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。

ゆきこ様

おはようございます。

鮎川ママまだ名前決まってないんですよね。

この際ゆきこで!

ダメ?

由紀子・有紀子・有希子・雪子・佑貴子・佑貴子・侑子・悠喜子

さ~好きなの選んでください(笑)

アーティーチョーク様

司ほどの派手さはないですが行動力では負けてないですよね。

さすがはDNA!

この後はロス滞在中の若い2人に椿さんと鮎川ママがどう絡むかですけどね~♪