我儘な僕に我儘な君 47

つくしちゃんのお腹の中の赤ちゃんも順調に育成中。

あとはポコンと生れてくるのを待つばかり。

生れてくる赤ちゃんの名前にたくさんの投票ありがとうございました。

一文字の漢字が多かったですね。

優奈

芽衣

陽・陽菜(ひな)

上記の名前の中からしぼらせていただきたいと思ってます。

「好きになればなるほど冷静には考えられなくなるものよ」

朝みんなで揃った食卓。

斜め向かい側に座る椿伯母様の「おはよう」の、にこやかな声になぜか昨日言われた言葉を思い出していた。

「恋愛に関しては司は小学生並みで愛情の表現方が下手だったからあなたのママはたいへんだったはずよ」

ママの上履きを隠したとか、学校で苛め抜いたとか、強引にデートに誘ったとか。

最初はママもパパに近づかないようにしてたとか言ってたものね。

「今日はにぎやかだな」

新聞を片手に紺色のオーダースーツ、シルクの紺のネクタイを締めてばっちり決めてる紳士のパパが浮かべる笑顔。

このパパから高校生の頃のパパは想像できずにいる。

でも、ママのことになると冷静さをなくして落ちつかなくなるパパはよく目撃しちゃう。

今も、目を細めてママの膨らんだお腹を目を細めて見つめて「調子はどうだ?」と娘の私が見て真赤になるような、熔けちゃう笑顔を浮かべちゃってる。

翼とさっきから佑は笑いあって会話を続けてる。

昨日一緒にやったゲームの対策とかテレビで見たアイドルの話題。

その話題性はどこにでもいる高校生と変わらない。

私には明るく「おはよう」の挨拶をしてそれっきり。

翼と佑が仲よくしてるのは何時ものこと。

だけど・・・

佑とは仲直りしたはずなのに・・・

あいさつの後は私の事は全く気にを留めてない佑。

翼と笑いあう笑顔は爽やかで楽しそうに声をたてる。

そんな佑の態度にチクリと胸が痛みを覚える。

各自席についた順番でそれぞれに摂る食事。

少しずつ微妙に食事の食べ進んでる量が違う。

朝早く食卓についてるのはママと椿伯母様。

その後が翼と佑。

パン一つ遅れて私が食べ始めた。

そして、最後に現れたのがパパ。

佑にあわせたくて何時もより速度を速めて口を動かしてる。

「舞、そんなに慌てなくても、待ってるから」

サラダを思い切り頬張ってる私に佑がにっこりほほ笑んだ。

牛が口からはみ出した牧草をゆっくりとも噛んで口の中に押し込むのと同じ唇の動きをやっていそうな私。

佑に見られてた!

佑に追いつきたくて私が必死に食べてるの分ってた?

恥ずかしさがつま先から頭のてっぺんまで上り詰めて喉の奥にサラダを進めずにいる。

ゴクン・・・

肉の塊を飲み込む様な喉の窮屈感を感じながらやっとサラダが喉を通って胃の中に落ちてくれた。

死ぬかと思った・・・。

「舞、怪我はどうだ?」

「軽い捻挫だから大丈夫」

パパの投げかけにうわべだけの返事をかえしてしまった。

なんとなく・・・

気まずい視線を感じる。

あっ・・・

心配してる俺にそれだけか?

不機嫌というよりは愚痴るような表情の浮かばせるパパ。

「子供達が真面目に相手しないからって落ち込まないでよね」

「そうそう、親がウザいって思う時期なんだから」

ママの言葉に椿伯母様が相槌を打つ。

「司は中学に上がる前にはお母様に反抗的な態度だったんだから、それよりは素直な良い子供達に育ってるわよ。

つくしちゃんに感謝しなさい」

「あのな、俺の場合とこいつ等は根本的に違うだろう、お袋の場合は子供より会社優先だったしな」

椿伯母様に形だけの反論。

直ぐにパパの声はブツブツと口の中で不満を繰り返して、食事に戻った。

「舞、行くよ」

私が食べ終わるのを待って佑が席を立つ。

その後に翼も椅子を後ろに引いた。

「相変わらずお前たちは仲がいいんだな」

機嫌の治ったパパにママと伯母様が顔を見合わせてクスッと小さく笑みをこぼす。

「なんか、おかしなこと言ったか?」

「ううん」

慌てたようにママがブルブルと首を横に振る。

「知らぬが仏・・・」

パパには聞こえないような小さな声がいつの間にか私の後ろに立つ翼から聞こえた。

その横には佑がいて・・・

今日一番の急接近。

パパに聞こえちゃったらどうするの!

翼たら!

一言余計だよ!

気遣う様に見上げた視線の先で佑は何でもないよう穏やかな笑顔を浮かべて私を見つめてた。

佑に見つめられると私の気持ちが落ちつけなくなる。

「行こう」

佑から視線を外す様に席を立って3人で部屋を出る。

「行ってらっしゃい」

「気を付けてな」

明るい大人の声にそわそわとしちゃうのは佑がいるから。

恥ずかしい気持は、しばらく消えそうもなかった。

拍手コメント返礼

ゆきこ 様

久々の舞ちゃん視点、私もこの初々しさがたまらなく好きです。

こんな恋なら見守りたいと思うのは母親の心境。

そして相手が佑君だから思い切り安心して応援できる。

そうか駿君いないか。

一人暮らしさせちゃってますからね。

帰ってきてる設定にしとけばよかった。

あはは駿君欠乏症!

それじゃ今日は駿くんで行きましょう!

かよぴよ様

ここは翼が司にばらすとか?

やりそうな雰囲気で悪戯してるとか?

佑君は言いたきゃ言えよって対応を見せそう。

駄目だ~

妄想が妄想を生んでます。

アーティーチョーク 様

いよいよ道明寺邸は末っ子ちゃん誕生に秒読み開始です。

そうなんです名前を上位で書いたら意外な落とし穴がありました。

それに気がついたのが数時間後でした。

凛は蒼の妹の名前。

芽衣は甲斐夫妻の愛娘の名前。

陽菜は佑君の妹。

一度か二度の登場のオリキャラだったので気がついてない方も多々いらっしゃると思います。

私更新時は忘れちゃってましたからね。