一秒ごとのLove for You 19

司とのバカンスに黄色い信号が点滅したような・・・

赤に変わるか?

青に変わるか?

さぁ!どっちだ!!

今までのパターンから行けばねぇ・・・(^_^;)

おのずと答えは見えてくる?

本当に・・・

なにもなかったような表情で「じゃあ、また」と公平は事務所を出て行った。

私に会いに来たのはほんの偶然で・・・

思いつきだった・・・。

そんな態度を、いまさら見せられても遅いよ。

暗い影を落とした公平って今まで見たことないんだよ。

男女の友情なんて成り立たないってよく聞くけど、花沢類にしても西門さんにしても美作さんにしても、そして公平にしても私たちの中には異性を飛び越えた愛情があるって思ってる。

私って、そんなに頼りにならないかな?

「あら、松岡君、ペン忘れてる」

玲子さんがテーブルの上に置き忘れたボールペンを手に取ってつぶやいた。

それはさっき携帯番号が変わったからと公平の名刺の裏に番号を書いたボールペン。

東京地方検察庁

印字された文字はそれだけで仰々しく感じてしまう。

松岡検事か・・・

公平の憂い顔を見なきゃ、夢の第一歩って笑って応援できるのに。

「届けてきます」

玲子さんからペンを受け取って公平を追いかけた。

追いついたのは一階のエントランス。

社員が私に気がついて足を止めて軽く会釈をする。

会釈を返しながら公平の名前を呼んだ。

「公平」

何度か呼んだ声に気がついた公平が振り返る。

「道明寺夫人が男の名前を叫ぶから注目度抜群だ」

茶目っ気たっぷりの公平の態度にムッとしてる。

「そんなのはどうでもいいの。ペンを忘れたから届きに来たのに」

握りしめた手の平を開いて公平の前に手を突きだした。

「後で届けてもらおうとワザと忘れたんだけどな」

ワザとって・・・?

「近いうちに時間を作ってくれる?」

笑っていても真剣な公平の眼差し。

コクンとうなずく私に公平は後で連絡すると帰って言った。

なんだか疲れた・・・。

近いうちって、私、道明寺と旅行・・・だった。

出発まで48時間をきっちゃってる。

行き先は国内じゃなく外国みたいなんだよな・・・

近いうちじゃなく今日とか!

あーーーーっ!

片づけなきゃならない仕事もあるんだった。

近いうちって、何時よ!

抱え込んだ頭がどんどん重くなってくる気がした。

公平も気になるけど道明寺が許すはずないし・・・

道明寺の休みを反故に出来るような納得させられる理由は待ち合わせてない。

「・・・様」

「奥様・・・・・」

おくさま?

私?

振り返った視線の先でにっこりと微笑むスーツ姿の男性。

首から下げてるネームで道明寺ホールデングスの社員だってことは分る。

「代表がお呼びです」

ひゃーっ。

叫びそうになった声をごくりと飲み込んで社員に案内されるままにエレベータに向った。

何度となく訪れた最上階執務室。

秘書室を通って奥の部屋へと向かい。

秘書室中央一番大きなデスクに座ってるはずの西田さんの姿が見えない。

西田さんがいないことに感じる不安。

道明寺の部屋にいてくれないかなって想いが心に湧き上がってる。

だって、公平が来た直後に道明寺の呼び出し。

タイミングが良すぎてドキドキしてる。

「何の用だ」

開口一番、書類から目を離して一瞥。

ジロリと睨らんだ瞳の鋭さは氷の刃並みの冷たさ。

「私を呼びつけたの道明寺でしょ」

「俺は言ってるのは松岡だよ」

「あいつ、何しにお前に会いに来た」

「私に会いに来たわけじゃないかもしれないでしょう」

バシッ!!!

道明寺のデスクが大きな音を発てる。

数枚の紙を叩きつけたにしては鋭い音が響いた。

あの音は拳を絶対打ち付けてるような生身の音。

「お前に会う意外にあいつがここに来る理由あれば教えてもらいたいもんだな」

有無を言わせない威圧感。

「お前、俺が側を通ったのも気がつかなかったろう」

獲物を捕らえて逃がさない鋭い目つき。

納得させられなきゃ頭からがぶりと持って行かれそうな殺伐とした空気が包み込む。

「いたの・・・・」

舌を噛みそうな震えて小さくなる声。

歯がガクガクと音をたそうになったのはここ数年感じなかった恐怖。

私と付き合う前の道明寺を思い出した。

あの時は・・・

公平を探してたから・・・

それに道明寺がいるなんて思いもよらなくて・・・

どんな言葉も道明寺には言い訳にしかならないと思う。

「あそこで、抑え込んでも良かったんだがな」

苦々しく険しさを示す眉間に寄せる眉。

表情は明らかに不機嫌。

いや・・・不機嫌なんてものじゃない。

そうか・・・

不機嫌を押さえつけて最上階まで持ち込んだ分、怒りが増幅してるんだ。

分析して納得。

・・・って、非常にヤバくない?

公平に会うどころか、旅行キャンセルなんて言えやしない。

困った・・・。

「で、あいつが来た理由は?」

「私も、まだ・・・あんまりわかんないんだ・・・」

何時の間に壁際まで追い込められて、背中を押しつけられてしまってる。

逃げ場のない私をさらに追い込むように道明寺の腕がドンと左右に突き刺さる勢いで壁に音を発てた。

拍手コメント返礼

ソフィ様

公平君人気者のキャラで喜んでます。

人気の理由が公平君が登場すると類は一味違う司の嫉妬が見れるからって理が多いですね。

珍しく悩んじゃってる公平君が気になるつくし。

何時もと違う状況にどうなるんでしょうね。 ← 書いた後にいろいろ悩んじゃってるいつものパターンでストーリーがまだ決まってないんですよね。

危ないなぁ・・・(>_<)

絵梨様

何時もよりキレてますよね。

司君~本能で折角の休日が危ないって分ってるとか?

司目線、やはり気になりますか?

どうしようかなぁって思ってたんですよね。

これは書かない訳にはいかなくなったかな?(^_^;)

メルちゃんのママ様

ハリケーン♪ハリケーン

嵐がやってくる♪

浮かれて歌ってる場合じゃないですが、歌いたくなるんですよね。

久々の嫉妬全開なヒールな司が見たいと思ってます。

司君どう出るのかな?

お楽しみに♪

あーちゃん 様

通勤のお供ありがとうございます。

帰りで続きを楽しみに!

ありがとうございます。

更新できるかなぁ・・・(^_^;)

mizuta 様

お疲れ様です♪

私も家事そっちのけで書いちゃってることあります。

ここまで書かせて~と叫ぶ私は何度子供に白い目で見られたことか・・・

過去のつかつくに会ったお話♪

思い出は夢の中で

11年に書いてたお話。

私の作品で数少ないパラレルなお話の一つです。

嬉しいコメントありがとうございます。

文章を起こす前の段階では私の頭の中でドラマが再現されてるんですが、それを十分に生かせる表現力がもっとあればと

思うところです。

楽しんだ頂いてると分かるコメントをもらうと嬉しくてしょうがないですよ。

これでまた頑張れます。

まちゃこ 様

嫉妬に狂って追いこんじゃだめですよね。

司に対抗できる強さがつくしにはあるから成り立つんでしょうけどね。

ほどほどにしとかないとつくしに嫌われちゃうぞと思いつつ、嫉妬の後の落としどころを考えるのもたのしんでます。