迷うひつじを惑わすオオカミ 10
セミナーの状況じゃ無くなってますが・・・
実際に就職活動の経験のない私には書けないネタだったんですよね。
突っ込みどころ満載なお話ですがそこはご容赦をお願いします。
セミナーじゃなくて新人研修になりそうな感じだしな。(^_^;)
『ビジネスには年令も性別も問わない。
仕事を正しく履行する責任感と能力を持つ人材を求めてる』
最初からハードル高ッ。
呑気に新人を優しく育ててるつもりはないって言われてる高飛車な感じ。
会社のTOPが道明寺だからなぁ。
いかにも仕事が出来る!って感じの社員が並んでる。
壇上にはまた変わって別な人の話。
次は誰だ?
今日一日の予定の項目を目で追う。
話が終ったら・・・
希望部署見学だった。
ウッ・・・秘書課・・・
拷問並みの苦痛の時間はコクコクと近づいてる。
つかの間の空白の時間に小さなザワツキがところどころから聞こえる。
「一流企業は違うよな」
「本気でここに就職したい」
就職する気のないのは私だけかも。
「この会社の雰囲気好きだな」
私の横で木崎君がにっこりと笑う。
ぼっと見つめていた顔は丸く膨らんでさっき見せられた写真の顔とダブった。
円形のバーツが並ぶ表情にクッキリとした二重瞼が印象的で黒い瞳が子犬の甘える瞳みたいで可愛かったんだよ。
やっと思い出した。
別れ際に涙目になって腕に顔をつけて泣いてアリガトウと何度も繰り返す木崎君。
ごめん。
今まで本当に忘れてたわ。
ざわついた室内が静けさを取り戻す。
次の話が始まるのかと椅子にすわり直して視線を正す。
コツコツと響く靴音。
壇上の裾から見えた長い脚。
その一歩で空気の色が確かに変わった。
パタリッ
話を書きとめるために持っていたペンを下に落とした。
膝に落ちたペンを気に留める余裕もなくてただ目の前の一点をみつめてる。
うわぁぁぁ
道明寺!!!
登場予定あった?
慌てて机の上のプリントをめくって確かめる。
次は広報部の部長って書いてあるよ。
道明寺 司の名前はない。
あったら即その時点で退室しちゃうよ。
静けさの中に籠る熱気。
それは道明寺一人に向けられたものだって分る。
セミナーって状況じゃなきゃどこから黄色い声が上がってもおかしくない。
「すてき」
私の横に座る塚原さんがちいさくつぶやく。
見惚れてると言うよりは獲物狙って怪しく光る眼光。
「私、本気になったから牧野さん協力してね」
さっきの怪しい光は見えなくて可愛い素振りで甘える口調に変わった。
「協力って言われても、ここからの距離あり過ぎるし無理じゃないかな?」
協力なんて出来るわけない。
道明寺の彼女は私で、婚約者で、大学を卒業したら結婚する予定。
俺とほかの女の仲を取り持つって何考えてる!
言われるに決まってる。
塚原さんのヘビの眼より怖い猛獣の威嚇を想像してしまった。
「何言ってるの、なんのために秘書課を希望したと思ってるの。まずは名前と顔を覚えてもらうのが目的でしょう」
それ・・・
セミナーの目的からも外れてると思う。
「婚約者いるよ」
「結婚してるわけじゃないわよ。それにさ、一人の女で満足するタイプには見えないから自信はあるわよ」
どんな美人が言い寄っても道明寺は浮かれた表情を浮かべたとこ見たことない。
「近付くなブス!」
言われようもない美人が顔色を無くす現場を何度目撃したことか。
道明寺の女性の基準はどこか違う。
その道明寺が可愛いと言ってくれるのは私にだけど、素直に喜べない。
「それにさ、さっきから私の方をずっと見てるのよ」
えっ・・・?
真正面に向き直して視線を壇上に上げる。
道明寺・・・
線を結んだように釘付けの視線。
気がついた私にフッと口元は優しく笑った。
マイクを通して聞こえる道明寺の声はやたら機嫌がいい。
「どうしよう。私見初められちゃったかな」
頬を両手で挟んで浮かれてる塚原さん。
自分に都合よく解釈できるのはある意味特技?
「そんな単純な男じゃこんな大きな会社のTOPは務まらないと思うけど」
失笑を漏らす木崎君。
ツンとなった鼻先は木崎君からソッポを向いて壇上を眺めて、「邪魔だけはしないでよね」とつぶやいた。
秘書課見学、絶対無理!
何かが起きそう・・・。
拍手コメント返礼
ゆきこ様
某所でいつもお遊びいただきありがとうございます。
いや~本当にコメントではお久しぶりですが、そんな気がしないなぁ~。
道明寺が広告塔ですかね。
登場してくれれば広報部長はホクホクなのでは?
え?
今回はつくしちゃんの嫉妬?
モテる司はみなれてるからなぁ~。
真実氏の攻め具合でかわってくるかな?
まちゃこ様
見てるのは貴方じゃない!
そんなツッコミをどれだけの方が~~~~~(笑)
つくしちゃんだけしか見てないから!!!
やなぎ様
見てるだけでハラハラドキドキさせちゃいました?
「どけ!ブス!」だけでも言われたいって~。
その気持ちわかります。(笑)
絵梨 様
メチャヤバイと喜んでもらえるとすぐに続きUPしたくなっちゃいますね。
このお話が一番人気の様相で~。
「私が婚約者なの!」
言っちゃ言えばすぐに終るんですけどね。(笑)
黙ってるとねぇ~
どんどんドツボにはまるんですよね。
うんうん、今回はつくしちゃんの嫉妬も絡めてお話書きたいと思ってます。
かよぴよ 様
まだ2日目。
でもセミナーですからね。
短期間でそうそう大騒ぎにはならないような・・・
でも司ですからね。
つくしですからね。
壇上に連れていっちゃったらそれで終わっちゃいますよ~。
ゆうん 様
早く続きを
そう言ってもらえると嬉しいです。
本当は直ぐにでも書きたいんですけどね。
これがなかなか(^_^;)
> 塚原嬢のアプローチに嫉妬しちゃうつくしちゃん。
> 木崎君に威嚇する司。
>つくしちゃんを研修中はずっと専属秘書にしちゃうとか⁈ 妄想は止まりません
同じような妄想でお話思考中です。
Gods & Death様
自分がモテるとある程度の経験で実証してるタイプかな。
男子に好かれても女子には嫌われてるタイプで設定。
私が友達になってあげてると見下せる相手を選んで仲良くなる。
自分よりモテる女は許せないと対抗意識を燃やす。
設定はこんなものでしょうか。
けちょんけちょんにやっつけてスカッとできる悪女ですね。
メルちゃんのママ 様
ここからがおもしろくなると思うんですよね。
司が何を仕掛ける気なのか!
もう少しお話が進んだらもっとワクワクしてもらえると思ってお話を構成中です。
mizuta 様
If 読んでいただいてたんですね。
偶然にもIfで御一方に拍手コメントをいただいて、私も久しぶりに読み返してみたところです。
我ながらよく書いてるわ(^_^;)
先週のしやがれ、私のところは日曜日の夜放送なんです。
極悪プロデューサ楽しみだな。
司に変換してスーツ着せてから見ようと思ってます。
つくしちゃん秘書課でどんなことが待ち構えてるのか!!!
司が待ち構えてるのは間違いなんですけどね。(^_^;)