迷うひつじを惑わすオオカミ 12

楓さん登場は意外だったという感想をいただきました。

たぶん司もつくしちゃんも想像してなかったと・・・

西田さんが裏で動いてたとか?

ありそうなんですけど~

「えぇ、その件はそれで進めてもらっていいわ」

スマホに耳を傾けたままチラリと一瞥。

俺だと分かっても気にも留めない態度で会話を続ける。

俺を待たせるのはお袋と牧野だけだ。

部下と同じような扱いはお袋に反抗的だったころからまったく変わってない。

道明寺ホールデングスの危機を乗り越えたのは俺の手腕だぞ。

感謝できねぇのかよ。

スマホを会話を終えて俺と向き合った表情はどうかしたと余裕の笑みを浮かべてる。

しらばっくれてるんじゃねぇよ。

「何のつもりだ?」

「なにかあったかしら?」

「牧野を部屋に呼んだんだろう」

俺に問われてやっと思い出したような表情。

演技クサイんだよ。

「つくしさんに会うのも久しぶりだから、話をしたいと思っただけで何の作意もないわ」

お袋に呼ばれてた。

そう報告をしてきたのは牧野に張り付かせていたSP。

それでなくても木崎って野郎と楽しそうに笑っていたって聞いている。

壇上から見た牧野は驚いた表情を見せて俺をみつめ返してた。

俺の態度が牧野を巻き込む物じゃないと気がついて戸惑が安堵の表情へと変わってはにかんだ笑顔を俺に返した。

それだけで満足してやってたんだ。

この後に秘書課見学という時間があいつと俺を結び付ける時間になると知っていたから我慢した。

一日一緒に俺の仕事ぶりを見てアイツが本気で俺と一緒に仕事をしたいと思い直させる自信が俺にはある。

さっさと西田から離れていつも俺の隣りには牧野がいて、俺の世話を焼く。

楽しんで仕事が出来そうだ。

ハイそうですかと納得できるほどお袋を信用してない俺。

「いまさら、つくしさんを虐めて婚約をやめさせようとしてるとでも?」

フッと失笑を浮かべる口もと。

息子を愛しむ表情じゃないことは確か。

腹に一物持ってんだろう?

何もない会話を牧野と繰り広げるお袋なんて想像できねぇ。

「時間がないんだから牧野と過ごす時間を邪魔するなとでも言いに来たのかしら?」

「NYに来る事を断ったから私が帰国する羽目になったことは覚えておいてほしいわね」

牧野が参加するセミナーに合せて必要もないのにスケジュールを調整させたのは俺だよ。

お袋一人でもなんとかなったはずだよな。

「つくしさんが道明寺HDに興味を持つことは悪い事じゃないわ。

結婚するまでに学んでほしい事はいろいろとありますからね。

司だってそのつもりで手助けしたいんでしょ?

貴方の側より私の側の方が学べるものはあるんじゃないかしら?」

お袋のやつ・・・

まさか・・・

この後の秘書課見学で牧野を俺から自分の側に置くつもりなのか?

「俺のやりたいようにやるつもりだから邪魔はするな。

牧野もお袋の側にはいかなくていいって連絡するつもりだから」

真直ぐに伸びた視線はぶつかって火花を散らす。

「私と、司、どちらを取るかつくしさんに選択させたほうが公平じゃないかしら?」

「上等だ」

牧野が選ぶんなら俺だろう。

フッと浮かべるのは余裕の笑み。

その俺に余裕な態度でお袋が応える。

負けるわけがないんだ。

お袋に背中を向けて部屋を出て閉めたドアがバンと大きく音を発てた。

「代表」

俺が出てくるのを待ち構えていたような態度の西田。

「お袋に知らせたのお前だろう」

「対策は万全に準備しておきませんと」

悪びれもせずに軽く頭を下げる。

今回はべつに騒動を起こすつもりはねぇよ。

俺は道明寺HDの代表としての責務は全うするつもりだ。

牧野を秘書として数時間でもそばに置いてみたいと思うのはそんなに非難されることじゃねぇし。

お袋も会社に牧野が興味を持つのは悪い事じゃないと言っていた。

会社より俺に興味を持たせたいって本音もあるけどな。

その感情は」心の奥に届ませてるつもりだ。

西田にばれない様に細心の注意を払ってる。

「仕事に戻って頂きたい」

言われなくても分ってる。

俺を待ち構えてる西田の態度が餌を仕掛けた罠に追い詰められて捉えられたように感じてしまう。

俺じゃなく捉えるんなら牧野だろ。

気が利かねェ!

拍手コメント返礼

まちゃこ様

私も楓さんの側にいるのは無理だなぁ~

司の方が断然いい!

つくしちゃんもたぶんそうだよなぁ~。

なお様

コメントありがとうございます。

ユーチューブで鑑賞されたんですね。

全部読んでいただいてここまで~

ありがとうございます。

椿おねェ様まで登場したらつくしちゃん大変だろうな~

司はますますつくしをそばに置けなくなりそう・・・(^_^;)

メガネちゃん様

つくしちゃんどちらを選ぶんでしょうね。

「つくしさん」って楓さんに迫られたら断れないような・・・

司拗ねる!拗ねさせたいなぁ~(笑)

なる 様

お疲れ様です♪

読みながら顔が~

仕事場からとか電車の中とかだと要注意だとよくいただきます。

書いてる私もニンマリしちゃうんですけどね。(^_^;)

どちらを選んでも一波乱は覚悟がいるでしょうね。

ヨーキー様

椿お義母様にお断り入れられないですよね。

お姑さんに否と言えないのは嫁の辛さ~

まだ嫁じゃないけど・・・(^_^;)

ワンコが病気持だと心配ですよね。

先月鼻血を出してた時はビックリしました。

幸い何もなくて良かったんですけどね。