我儘な僕に我儘な君 49

佑君ファンの皆様お持たせしました。

やっと佑君登場です。

「笑っちゃうよね。

まだ生まれてないんだよ」

耳元に当てた携帯から「生れた?」と聞こえた心配そうな声。

昼休みに佑からかかってきた携帯電話に自然と笑みがこぼれていた。

「お兄ちゃんたらオムツ抱えて飛び込んできたしね」

「駿兄ぃが?」

佑が意外だと思ってる声で返事を返してきた。

「まだ直ぐは生まれないみたい」

もうすぐ生れてくるはずの末っ子の話題で、いつもの私達に戻って佑と普通に話せることにホッとしてる。

とりとめのない話はママの病室から少しだけ離れた壁際で続く。

学校の教室のざわついた会話の声。

ノートを貸せとか、放課後の予定を決める声とか、

たわいない内容に、はしゃいでる声が遠くから聞こえてくる。

「うるさくない?」

そんな気遣いを見せて佑の声がちいさく籠る。

籠った声じゃなく佑のシッカリとした優しい声が聴きたいんだけど。

手の平で周りの声が聞こえない様にカバーするのやめてほしい。

もっとそばで佑の声が聴きたくなっちゃうよ。

「放課後、行くから待ってて、それじゃ後で」

何かにせかされるように佑が携帯を切った。

言いたいことだけ言って切っちゃった。

無言になった携帯の待ち受けには佑と翼と私とすずな。

写真の中の翼はすずなから顔を横に向けてソッポを向いてる。

ソッポを向いても瞳は斜めに寄っていて誰を気にしてるのかは一目瞭然で、佑と重なった瞳で笑っていた。

まだ、すずなを好きだと気がついてなかった頃の翼。

なんで俺がなんてブツブツ小さくつぶやく翼を佑が逃げ出さない様にしっかりと腕を抑えてた。

私の中の佑の存在もこの頃から少しづつ変わってきてた気がする。

一緒いるのが当たり前で・・・

3人でいる時間が自然で不思議じゃなくて・・・

佑が好きだって気がついた時から一緒にいる時間は特別になって・・・

当たり前じゃなくなって・・・

やさしい佑が初めて私に見せた強引さと乱暴な感情。

驚いて・・・怖くて・・・恥かしくて・・・

「舞を怖がらせることは絶対しないから」

落ち込んで私に許し乞う佑が切なくて、うれしくてしょうがなかった。

それでもぎこちない態度しか取れない自分が歯痒くて・・・

なにをどうしゃべっていいのか今朝もわからなくて・・・

教室の中でも気がつけば佑をみつめてるのに佑が振り向くと慌てて視線を落として、身構えちゃってる自分。

可愛くないって思った。

画面の中の4人。

佑と2人の画像に変更するのはそんなに遠い未来じゃないはず。

暗く何も写しだしてない画面に特上の笑顔を浮かべる自分を想像していた。

拍手コメント返礼

ゆきこ 様

そうだったんだ♪

佑君はゆきこさんの佑クンだったのね~(*^_^*)

もっといっぱい電話でも話すことあるでしょうにねぇ(笑)

きりたくない感じで切らなきゃ~

そっけないなぁ~

あきらくんの遺伝子持ってるにしてはタンパク?

いやいやこれからでしょう。

そこに期待!

期待するとこそこじゃないぞーーーー

舞ちゃん花嫁争奪戦の様相になるのか!

まだは早い!

司が威嚇しそうですけど~。

goemon 様

このお話順調に付き合いが進みだしたところで終わりになると思います。

次の段階で佑君にまた頑張ってもらいたいと思ってます♪