我儘な僕に我儘な君 50(完)
終わったーーーーッ
佑君の人気が半端なくて~
始まりは翼君の恋物語のはずだったのになぁ・・・
脇役に追いやられちゃってましたね。
そして・・・
お約束通り舞ちゃんと佑君の恋物語は新章に次回から突入予定ですのでお楽しみに♪
・・・で、末っ子はどうなった?
なんの未練もなく切られた携帯。
それが不満だと言う様に携帯を睨んでいた顔がわずかに口角をあげてかすかに微笑んだ。
舞に近付くたびに笑顔が鮮明になる。
なにを考えて、なにを思って柔らかい表情を浮かべてるのだろう。
その表情を浮かべる先に・・・
俺は、いるのかな?
「舞」
呼びかけた声に瞬時に振り返った舞が驚きの表情を浮かべる。
「どうして・・・」
声は聞こえなくても舞の唇が動いて、そう、読み取れた。
手に持ったままの携帯と俺の顔を交互に見つめる大きく見開いた瞳。
砂漠の無限大の砂の粒の中からダイヤを見つけた様な驚き。
そんなに驚く事じゃないって思う。
驚いた表情はそのまま嬉しそうに微笑むのを見届けて舞に手の届く位置まで近づいた。
「佑・・・学校じゃなかったの?」
とりだしたレコーダーを舞の目の前で再生。
学校の休み時間を録音したやつ。
「ちょっとした悪戯。学校にいるって思ったろう?」
びっくりしたと言った口もとを舞が尖らせる。
ごめん・・・
普通に舞の前に現れる勇気がもてなくて・・・
罪のない悪戯なら舞の自然な笑顔が見られるんじゃないかって思ったんだ。
ぎこちない空気を持ったままの通学途中の車内。
教室についても視線が合うと離れてしまう。
どれだけ俺が気にしてたか舞に分るかな?
寂しかったんだぞ。
「本当にびっくりした。放課後って言ってたよね?」
ツンと尖った声色。
「それじゃ、後でっていったろう?」
「だからそれは、放課後でしょう?」
「舞の姿を確認してから電話したかららね」
さっきまで隠れていた角の白い壁に視線を向けた。
それを確認するように舞の視線が俺の視線を追う。
「最初から見てたの?」
「うん」
返事を聞いた舞が耳まで真っ赤になった。
「何か、考え込んでたけど、もしかして俺のこと考えてた?」
「違うわよ、赤ちゃんのことに決まってるでしょう!」
急に舞が張り上げた声は院内の廊下に響く。
ギョッとなって見つめてるのは通りすがりの患者と看護師。
凝視された視線はそのまま俺達の横を通り過ぎても首を後ろに回して見られてた。
「あの人、カン違いしてるぞ」
「え?」
「舞が赤ちゃんなんて叫ぶから」
「えっ?」
何も気がついてない鈍感な表情が俺をみつめる。
高校生が妊娠って話題も珍しくはないってこと全然頭にないよな?
舞の叫び声は妊娠が分って俺を責めてるって状況に見えなくもないってこと。
思ってもないだろう。
その無邪気さに自然と頬が緩む。
わざわざ俺に警戒してた舞にそれを教えるつもりはない。
「なによ?」
「何でもない」
「カン違いってなに?」
「まだ舞は知らなくていいこと」
「あのね、気になるんだから」
ジャブを軽くかわす様な心地いい会話。
ようやく普段の俺達に戻った気がした。
病室まで続く長い廊下を柔らかいオレンジのライトが照らす。
壁に掛けられた田園の風景画。
その中に描かれた裸馬が青空に飛躍してる。
絵を眺める余裕が俺に生まれてる。
「授業を受けていても頭に入らなくてさ、落着けなかったから病院に来た」
「まだ生れてないよ」
俺が落ちつけなかった原因は目の前で、呆れたと言いたげな瞳で俺をみつめてる。
「気になったのは舞だから」
同じ歩幅で歩いていた舞の動きが止った。
舞を残して数歩前に進む。
見なくてもドキッとした表情を浮かべてくれてるよな?
「末っ子に挨拶でもしてくるかな」
「だから生まれてないって」
照れてる声が背中に響いた。
これで第一部が終わりって感じでしょうか?
長かったな~
まだ末っ子生れてないけど・・・・
引っ張るなぁ~
新作で末っ子登場予定です。
お付き合いありがとうございました。
拍手コメント返礼
ねぼすけ 様
ここは期待を裏切る終わり方でしたが、キリが良かったので(^_^;)
ほのかな幸せの余韻を楽しんで新作に一緒に向っていきましょう。
ゆきこ様
相手を観察しながら電話をするってねぇ。
流石はあきらの息子だな。
「こっち見て」
携帯を切らないまま登場する佑君も想像してたんですけどね。
どっちが良かったかしら?
ここから司のひやひや感上昇するんですよね。
「パパと結婚するんじゃなかったのか!」
髪をかきむしる司が見たい。
・・・って、舞ちゃんがパパと結婚したいって言う場面は書いてないよな・・・?
goemon 様
末っ子誕生編。
数話できそうなお話が頭の中で増殖中です。
新章に行く前に書いちゃおうかなぁ・・・
増殖させた原因は某所でのトーク。
某メンバーさん!フォローよろしく。