我儘な僕に我儘な君(末っ子誕生物語 2)

賑やかになった。

それは家族が一人増えたからってだけじゃない。

生れたてのちびっこは何をするわけでもなくすやすやと母親の腕に抱かれてすやすやと寝息をたてている。

可愛いとか・・・

チッコイとか・・・

舞に似てるとか・・・

観察されてるのが自分だと分かるはずもない顔は迷惑そうにしっかりと男前な眉を眉間に寄せた。

つくしの周りに窮屈に身体を寄せ合う子供達。

こいつ等の背中が俺の視界を遮断する。

見えねぇだろう!

俺にも見せろ!

そんな不満は直ぐに笑みに変わってほころぶ俺を作る。

駿が生まれた時はつくしのベットの横に腰を下ろして寝顔を見ていたのは俺一人で・・・

指で触れた柔らかな頬の感触に俺の子だって感動と嬉しさが何度も胸をいっぱいにした。

舞と翼が生まれて家族が5人になって、そして6月12日の初夏にもう一人加わった。

梅雨入りを宣言したはずの空は澄み切った空が広がってる。

6月12日は恋人の日だとラジオで流れてた。

久々に我が家に来てくれた赤ん坊は俺達家族を幸せにしてくれる恋人的な存在になるんだろうな。

生れたの連絡で駆けつけてきたのは子供達だけじゃない。

類に総二郎にあきら。

見物人はどんどん増えてますます賑やかさを増す。

「こんなことがないと集まれないしな」

多忙を極める4人が集まるのは仕事を抜きにしたらそうあることじゃない。

「赤ん坊ってこんなに小さかったっけ?」

澪を覗き込んだあきらがつぶやく。

「お前も子供二人いるだろうが」

「大きくなると忘れるからなぁ」

考え込む素振りであきらが腕を組む。

「意外と少ないよな?」

総二郎と類が顔を見合わせて呟いた。

「なにが?」

「司のとこ毎年出産があってもおかしくないくらい仲いいから」

「私を殺す気?」

物騒な言葉のわりには笑い声が混じるつくしの声。

それをいうならあきらのところだって2人はすくねぇだろう。

「でもさ、孫でもおかしくないよね?」

寝ている澪から視線を俺に移して類がつぶやく。

「つーか、あと何年かしたら本当に孫が出来るじゃないのか?」

総二郎が俺をからかう声色で呟く。

「あのな、10年先も舞は嫁にやらねェよ」

考えたくこともねェ言いだすな!つーの。

「確か牧野は駿を生んだの24歳じゃなかったけ?」

「順番からいえば舞より駿に子どもが生まれるの先じゃねェ?」

「てめら!澪の誕生をお祝いに来たんだろうが!」

怒鳴ってる途中で病室の扉が開いた。

入ってきた看護師に会話が止る。

「沐浴の時間です」

いつの間にか澪はつくしの腕から類が抱いていた。

「あっ、。お父様も練習なさいますか?」

看護師がにっこり微笑みかけたのは類。

「父親は俺だ」

乱暴に扱えない新生児。

類から無理やりとり上げるわけにもいかず躊躇してる。

つくしも類に抱かせるんじゃねェよ。

「昔、入れたことあるけど忘れてるからなぁ」

「類!お前入れたことあるのか!」

「何時だよ何時!」

「司がいないときに決まってるでしょ」

「3回しかやってないから」

「駿も、舞も翼もそうだけど自分の子供の様に思えるんだよね」

「3回くらいで父親の顔すんじゃねェッ」

誰が二度と類に風呂入れさせるか!

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なんだかすごいこと聞いた。

病室の入り口でドアを開ける手が止った。

いれた・・・

三回しかやってない・・・

父さんがいないとき・・・

母さんと類パパって・・・

いけないことをリアルに想像。

「駿も、舞も翼もそうだけど自分の子供の様に思えるんだよね」

極めつけのセリフに身体が震えだした。

そのまま病室の前からフラフラと離れた。

俺は知ってはいけないことを聞いてしまったのだろうか?

つーか、俺どっちの子よ。

「翼、どうした?」

ソファーに座り込んでる俺は多分放心状態。

父親譲りのクルックル天パーで声をかけてきた兄貴。

兄貴は間違いなく父さんの血を受け継いでる。

ということは・・・俺か舞のどちらか?

双子でも父親が違うってことあるのだろうか?

まさか澪!

いや・・・

まさかな・・・

あーーーーっ

聞かなきゃ良かった!

でも・・・

相談できるとしたら兄さんしかいない。

「あのさ、俺って父さんの子」

真面目に聞いた俺に兄さんが驚いたのは一瞬でブッと吹きだした。

「なに聞いてくるかと思ったら、なに考え込んでたんだ」

あきらかなバカにしたような兄さんの態度にムカついた。

「感情剥き出しで不愉快な表情を見せると翼は父さんにそっくりだぞ」

俺の横に腰を落として兄さんは穏やかな笑みを浮かべる。

「だってさっき聞いたんだ」

「聞いたってなにを?」

「三回しかやってないとか父さんがいないときとか・・・」

俺の説明に兄さんが息を止めた。

そして一気に息が笑い声と一緒に吹き出す。

「あのな、そんなタブーな話を俺も舞もいるときにすると思うか?」

「俺達が赤ん坊の頃に風呂に入れた話してたんだよ」

「風呂?」

風呂って・・・風呂!

「最初から聞いてたらい間違えようがないと思うぞ」

一気に力が抜けた。

あの仲のいい父さんと母さんが浮気するってねわな。

俺・・・バカ?

どうも~

しょうもないオチで終わらせちゃいました。

笑ってもらえたでしょうか?(*^_^*)

拍手コメント返礼

goemon様

F4勢ぞろいの上にジュニアまで~♪

豪華さはすごいであろうな。

見物人を引き寄せてたりしてね。

孫の話で乗りあがるF4はまだ見たくないかも・・・(^_^;)

ゆきこ 様

このオチに持ってくるまでが長かった~

いつの間にか翼君いじられキャラになっちゃってますね。

本当はカッコいいんだぞ!

駿君と菜花ちゃんで疑似親子体験。

想像する駿君♪

妄想はダメよ~変な方向にいっちゃいますからね。

初めて誕生日を決めちゃったな。

あとの3人も決めたはず・・・

結論はどうなってましたけ?

やなぎ 様

思春期の男の子の想像ってそっちにいっちゃったら大変だろうなぁ~

でもいっちゃいそう・・・

そのオチで面白いお話につながっちゃいました。

Gods & Death 様

うちのも子供のオムツも沐浴もッしたことなかったなぁ~

入浴中に無理やり娘を持って行ったことありましたね。

孫が生まれたら喜んでお世話するのかしら?