迷うひつじを惑わすオオカミ 15

今回はちょっぴり楓さんおちゃめななんですけど~

設定はつくしが大学3年くらいですから、二人の付き合いを認めて3年は経ってるんですよね。

つくしの頑張りをみとめてそれなりに評価してる設定。

だからって鉄の女は無駄なことはしないだろうな・・・(^_^;)

青々とした草牧の広がる大地。

爽やかに吹き渡るそよ風。

急に雲の流れが速くなって青空に雲が広がる。

異変を感じた頃には、白から灰色へそして暗雲に埋め尽くされた。

雲の流れる方向に走りだすひつじの群れ。

逃げ遅れて取り残された子羊は戸惑い震える。

オオカミにぱくりと食べられる哀れなひつじになった気分。

冷や汗がつツツと脊椎にそって背中に流れる。

あの・・・

これ・・・

セミナーの一環ですよね?

どちらを選んでも見学っていう軽い程度のものじゃない。

道明寺か?お母様?

道明寺に睨まれるよりお母様に嫌われる方が怖い。

「今回はお母様に付こうかな・・・」

「てめぇ、さっきは俺って言ったよな?」

「一度俺に言ったこと撤回させると思ってるか!」

頭の中のシュミレーション。

久々に沸点に怒りの達した道明寺が浮かぶ。

道明寺に睨まれるのも嫌かも・・・

「道明寺にさせていただきます」

「あらそう」

少ない言葉を発した瞳の奥。

鋭い眼差しの奥に流れる冷ややかな光。

無言の威圧感。

道明寺の未来の嫁としての評価点が下がりそう。

・・・って、私のお母さまの評価ってどのくらいなのだろう。

引かれる点数があるのかな?

無かったら・・・

ギャー――ッ

すでにマイナス評価だよ。

どちらもご辞退させていただきます。

これが傷が浅くて済みそうな気がする。

でも、どうして、セミナーに来てこんなことに悩まなきゃいけないの。

「つくしさんは決められない様ね」

聞こえてきた落ちついた声が冷たく感じてしまう。

道明寺より一回り小さい身体が巨人に見えてしまう心の弱さ。

「道明寺とは分れません!」

お母さまに刃向ってみせた気骨さが今は懐かしい。

「あのな、これセミナーだぞ。秘書って言っても何が出来るわけじゃねーだろう」

私を自分のテリトリーに連れこんで道明寺が不満げに呟く。

願だから首に回した腕を緩めてほしい。

道明寺との身長差で、私はつま先を床すれすれまで必死に伸ばす羽目になってるの!

道明寺の腕で首をつられてる状態。

私を背中で庇うとか!

他の方法もあるでしょう!

死ぬっ・・・

「つくしさんに会いたいのは司、あなただけじゃないのよ」

この前も会ってる気が・・・

月一は恒例のデイナー。

食事のマナーのチェツク。

この時ばかりは私も食べるの苦痛に感じちゃう。

それでも高校卒業したての頃に比べれば、最近はお母さまに指摘を受けることもなくなって、少しだけ食事を楽しめる余裕も出てきた。

コンコンと聞こえたノックの音。

失礼しますと聞こえた声は西田さん。

その音にやっと私の首は道明寺から解放された。

「お迎えに上がりました」

誰を?

私だと言って!!!!!

哀願!切望!希望!

望みをすべて乗せて西田さんを見た。

「会長、面会のお時間です」

あっ・・・お母様。

この際お母様を連れて行ってもらって私は助かる。

そう思ったのはつかの間。

「つくしさん、行きますよ」

私を捕まえた腕が道明寺からお母様に変わった。

グイッと握る力は半端ない。

この強引さはやっぱり親子だ・・・

心の中で私は涙を流す。

「おい、こら、話はついてねえだろう」

「ここは、平等にいきませんか?」

迫ってきた道明寺を西田さんの背中が遮った。

それって・・・

道明寺とお母様どちらにも私は付くって事?

気苦労は2倍・・・100倍は増えそうだよ。

全然平等じゃないつーの。

もう!泣く!

拍手コメント返礼

メガネちゃん様

つくしちゃんどうにもなりません(笑)

ただ頑張って~外野は楽しく声援を送るだけです。

きっと楽しいぞと期待して~♪

ゆきこ様

司の秘書のつくしちゃんは想像つくんですけど、楓さんがどうつくしを扱うか想像の域を超えちゃってますよ~。

でも数時間のことだからお茶いして終り~

そんなわけないか・・・(^_^;)

佑君のお話も始めなきゃな~。

みえこ 様

私の頭の中でも加賀さんがしっかり楓さんを演じてくれてます。

たぶん映画のイメージもあるからそれにつながる雰囲気が想像できるんですよね。

みわちゃん 様

オオカミは実は司じゃなく楓さん?

シッカリつくしを惑わせてますからね♪

司にとっても平等じゃないでしょうね。

平等で何かするって経験ないだろうなぁ。

何時も優先されてそうですものね。

Gods & Death 様

姑に気に入られる嫁ってなかなかないですよね。

楓さんの場合は息子の嫁の評価というより道明寺総帥の妻としての評価で見てそうですけどね。

おばかな嫁なら司の性格が変わっても気に入られなかったろうなぁ(^_^;)

西田さんがとんでもないこと?

何か考えてそうですが・・・先読みされるとドキドキするぅ~

かえまま 様

焦ってるつくしが!

怒ってる司が!

司と言い合ってるのに目が笑ってる楓さんとか!

実際に見たくなりますよね。

頑張れTBS!

今は主役級の配役・・・

集めるの大変だろうなぁ。

まちゃこ 様

親子で~

私も両方いやだなぁ~

なのにそっちの方向に待っていく私。(^_^;)