迷うひつじを惑わすオオカミ 17
ここからの話の進み方でおもしろくなって来ると思いますがそれは私の能力次第。
司と楓さんのつくしへの接し方違うんでしょうね。
どっちが見たいですか?
私が書きやすいのはやっぱり司だな・・・(^_^;)
自分を良く見せる対応。
どう見せたら男が弱いか。
それがすべて計算ずく。
それも能力です。
なんてことを西田さんは無表情で呟いた。
西田さんも塚原さんをかわいいとか思ったのだろうか?
冷静に塚原さんを分析してる西田さんにそんな心配はなさそうだ。
無反応の西田さん相手じゃ塚原さんも暖簾に腕押し状態?
って・・・
どうしてこの部屋に私達だけを置いてくの!
「しばらくここで待機しててください」
そう言い残して西田さんが出て行ったのを確認してすぐに塚原さんは私に詰め寄ってきた。
「どうなの?」
「どうなのって・・・」
焦る心を押し隠して冷静に・・・冷静に・・・と自分に言い聞かせる。
「そばで見たんでしょ!」
「そりゃ・・・まあ・・・・」
事の始まりは突然ドアの向こうから道明寺に意表を突かれて捉えられた。
それはまるでカメレオンの舌が伸びて捕えられた餌。
食べられなかっただけマシだっなんて思えない展開。
道明寺とお母様どちらか選べって究極の選択。
どっちも関わることになった結果は私の寿命を確実に縮めてるって思える。
「カッコよかった?」
「なに話したの?」
全て白状するまで追求の手を緩めそうもない強気な態度が私を責める。
「カリスマ性が半端ない相手を前に俺なら何もしゃべれそうもない」
木崎君が代表もだけど会長も緊張しそうだと私に耳打ちした。
お母さまが私に話しかけてきた場面にいた木崎君が私と会長との間になにかあるって思っても不思議じゃない。
未来の嫁と姑って正解まではいきついてないって思うけど。
「それより、今日の説明は?」
「いろんな書類にサインさせられたわよ、契約書って読むのも疲れる」
それはしっかり読まないと・・・
「ねぇ、あの秘書さん可笑しくない?」
「えっ?」
秘書って西田さんの事だよね?
すごく仕事が出来て、道明寺のこと一番に考えていて、間違うことが無くて、
ふと見せる優しい気遣いが途轍もなく安心できる人。
道明寺も私も絶大な信頼を寄せてる。
「可笑しくないと思うけど・・・」
「私を見てにこりともしないんだもの。女性に興味がないとか?」
私の返事を無視しして塚原さんは一人でしゃべる。
「私の調子が悪い話じゃないと思うのよね。いつもより念入りに準備してきたんだもん」
「絶対代表に覚えてもらわなきゃ」
手鏡をとりだして、前髪を直してにっこりとした表情を作る。
気合入ってるなぁ・・・
素直な感想。
「あっ、牧野さんとは今日はべつ行動みたいよ」
聞かなくても会長に付くことは決まっちゃってるから知ってる。
一緒じゃない事はホッとする安心の材料。
道明寺なら私との関係をばらさないでと言える。
協力してくれるかどうかは微妙だけどね。
お母さまにそんなこと頼めるわけないもの。
「どうせ、代表に付くなら木崎君より牧野さんの方が良かったんだけどな」
私に肩を寄せて手鏡の中に私と二人ならん映す。
それは私と自分を比較してる感じ。
私の方が可愛いと自信満々の微笑をウフッと満足そうに浮かべた。
道明寺!
この子の鼻をへし折れ!
優紀が塚原さんを快く思ってなかった気持ちが今日一日で十分に理解できた。
「それじゃ、これから案内します」
ようやく戻ってきた西田さんが私たちを部屋から連れだす。
廊下を少し進んで代表執務室へ入室していく二人。
それを確認して西田さんが私を振り返る。
「肩の力を抜いてください。そのままじゃ一日持ちません」
一日って・・・
一日!
耳を疑って西田さんを二度見してしまった。
今から2時間のお昼までじゃないんですか?
一時間で労力を使い果たす気がしてきた。
右足を前に進めなきゃいけないのに身体が言うことを聞かなくなった。
「行きますよ」
軽く西田さんがポンと私の肩を叩く。
「あっ・・・はい」
自分の声じゃないみたいに廊下に甲高い声が響いた。
拍手コメント返礼
みわちゃん 様
司に立ち直れないほどに自信を粉々にしてほしいと思っちゃってます。
司ならつくしが思う以上のことやっちゃってくれそうなんですけど~。
Gods & Death 様
お疲れの中のご訪問感謝。
疲れはとれましたか?
最近疲れが残っちゃってる私です。
昨日も子供の練習に付き合っていて炎天下疲れました。(;O;)
かよぴよ 様
つくしが珍しく怒っちゃってますが、これは多分嫉妬も混ざってると思うのです。
司君が知ったら喜ぶぞ~。
まちゃこ 様
お偉いさんの秘書って大変そうに思えます。
それも未来の姑。
逃げ出したくなりそうですがつくしちゃんは立ち向かうのよね。