雨夜の月を愛しむ夜に 2

このお話一話で終る予定だったのですが、題名が気に入っちゃっいました。

これ以上連載を増やすつもりはないのになぜか書きたい。

甘いだけのおはなしもたまにはいいかなぁとつくしサイドを書きたくてアップしてしまいました。

読み手さんの反応によっては連載になる可能性を秘めてる作品だと思います。

窓を打つ雨音でゆるゆると目を覚ます。

背中に感じる肌の温もり。

頭の下から伸びている腕に浮かぶ薄青い血管のラインを追う様に指先まで視線がたどる。

片方の腕がしっかりと私を取られて胸元を5本の指先が丸みに沿って包み込んでる。

長い指先をみつめてるだけで身体が熱をもってくるのが分る。

一気にゆで上がりそうだ。

触れて直ぐに離れるつもりでいたキスは道明寺がそれを許さずに唇をわって舌を滑り込ませてきた。

敏感な舌をくすぐるように絡めとられるキス。

ベッドの上で私の脚の間になんなくすべり込ませて股間に膝をくいこまさせる強引な道明寺に翻弄された。

思い出すとどうにも恥ずかしくなる。

指先から視線を逸らすように向きを変える。

向きを変えた身体はそのまま唇が道明寺の胸板をかすめた。

これじゃますます熱くなる。

腕の中から抜けださなきゃ、とても耐えられそうもない。

やだとか、駄目とか、違うとか否定すればするほど意地悪になる道明寺の熱のこもった瞳が見おろしていた。

道明寺の指先が・・・

唇が・・・

悪戯に敏感な部分を刺激していく。

高ぶりは抑えられなくて・・・

もっと、道明寺に触れて欲しくて耐えられなくて・・・

懇願するように身悶えながら道明寺の背中に回した腕。

どれだけ快感を否定しても逃れられそうもなく次々と湧き上がる欲望。

私の欲求をすべて知ってると教えるように道明寺が触れて私の熱を煽る。

「欲しいって言えよ」

恥かしくて言えそうもない言葉を私に言えと押しつけてくる道明寺は普段より意地悪。

言わなきゃあげないって強気に責められる。

「だったら、触らないで」

そこまで来てるはずの我慢の限界に最後の抵抗

余裕で私を見下ろす道明寺が手を抜くはずもなくてますます増長していく。

道明寺に陥落させられるのにそこからそんなに時間はかからなかった。

朝目覚めて道明寺の顔がまともに見れない自分がいる。

どんな言葉で・・・

どんな表情で・・・

どんな態度で・・・

接すればいいのだろう。

出来れば昨夜のことは忘れていてほしいと願ってる自分。

無理だ。

道明寺が忘れても私が忘れられそうもない。

自分の中で初めて知った媚態はきっとこれからもっと道明寺に教えられそうな気がする。

道明寺を起こさない様に・・・

絡まったままの脚から自分の脚をゆっくりと抜き取り、抱き締めたままの腕をそっと剥がす。

「ンッ」

寝返りをうった道明寺の肌がリネンから剥がれて引き締まった上半身が露わな姿を見せる。

きめ細かな肌が眩しくてドキッとなった。

艶な部分を惜しげもなくさらして、離れたくない感情を刺激する。

もう、道明寺を見るな。

ガッシっと目をつぶったままベットから抜け出した。

サイドテーブルに置いてきたメモ。

今頃起きて読んでる頃かな。

一人で置いていくなって不機嫌な表情を浮かべてメモ帳をぐしゃぐしゃに丸めてる道明寺が想像できる。

時間が経てば忘れると思っていた感触は、時間が過ぎれば過ぎるほど鮮明に思いだしてしまってる。

道明寺が私の肌に残した指先の、唇の、甘い疼きはしっかりと身体が記憶してるみたい。

言葉を交わせず別れたことを今頃になって後悔してる。

おはようくらい言えばよかった。

大学の講堂。

窓際の席で見あげた空からは小ぶりになった雨が落ちて地上を濡らす。

道明寺。

明日は雨やむかな?

しばらくは雨が降るたびに昨夜の自分を思い出しそうで落着けない。

明日・・・

晴れたら・・・

きっと・・・

笑って・・・

あいつに会いに行ける気がした。

早く・・・会いたいね。

拍手コメント返礼

ゆきこ様

早々の拍手ありがとうございます。

面と向って言葉にはできないけど分りあってる心のつながりが大人になったって感じですよね。

この空気感でお話を書くのってどのくらい続けられるかな?

続けて見たい気もします。

みわちゃん 様

甘いだけのお話のリクうれしいです。

詩的な感じで書ければいいかなと思います。

勤労処女

司によって変わっていくのねェ~

その変化を見届けたいですね。

NAKA★MAMI様

☆をつけるよりこの手の書き方を考える方が重労働だと気がつきました。

お☆様の方が楽です宣言しちゃいます!

素敵ですのコメントがうれしすぎます。

アズ様

>はぁ〜♡雨もまた良しですな。

このコメントに楽しんでいただいた感が集約されてるようでニンマリしちゃいました。

まちゃこ様

会社で読んじゃいました?

なんとなく私もドキドキしちゃったな。(笑)

この手のはなしは夜ひとりでじっくりと・・・こっちも恥ずかしいかぁ・・・

mizuta 様

おはようございます。

大好物みっけ♪(笑)

度を過ぎた生々しさはこの二人には必要ないですからね。

その前に私には書けないなぁ。

想像する部分を綺麗に残して表現したいんですよね。

>ドキドキして、こっちまで『ドクン!』って心臓が高鳴っちゃちゃいます

うれしくなるコメントありがとうございます。

また書くぞって気になっちゃうじゃないですかぁ~

>司に焦らされて花開いてくつくしですが、いつか今度はつくしが司を焦らして意地悪して…って言うのが読みたいな

うわ~ ソソルお題をいただいた気がします。

年令はどのあたりの設定がおいしいでしょうか?

まずはそこから一緒に考えてくださいとお願い。

リアルの二人はどんな風に梅雨をすごしてるのでしょうね。

肩を寄せあう二人をまじで想像しちゃいます。

かよぴよ 様

雨の不愉快さを吹き飛ばすのにお役にたててうれしいです。

雨が続くと確かにね嫌ですものね。

洗濯物が乾かない!

これが一番嫌だ。

現実はこんなもの・・・(^_^;)

・・・で、二次に逃げると・・・

>素直に甘えて欲しがるつくしちゃんを司君にあげてください。

司そんなつくしちゃんを見せられたらどうなるのかしら?

見たかったりして・・・(^_^;)

あも様

>F3がビックリして遠慮するようなしっとり艶々な甘甘で

シリーズ化した暁には書きたい場面ですね。

しみじみと総ちゃんがつぶやきそうなセリフにグッときましたよ。