迷うひつじを惑わすオオカミ 37

さて今回の主役は木崎君。

謎の正体がいよいよ解明されるの巻。

これが本当の見納め塚原劇場 最終話

「司と、牧野どこ行ったんだ?」

「折角俺らがきてやってるのにな」

「牧野のセミナー無事終わったのかな?」

あれは・・・

キャー

美作さんと西門さんに花沢さん。

F4じゃないの~

目の保養。

一人より3人よね。

化粧大丈夫かしら?

手鏡に映る私。

ヤッパリ可愛いじゃない。

運命は私に幸運をもたらしてるのかも。

私に似合う運命の人は道明寺司でも 木崎でもなかったってこと。

だって、

滅多に会えるはずのないイケメンがいきなり3人よ!

頑張らなきゃ~

まずは私に目を止めてもらわなきゃ。

ここから3人が進む廊下に飛び出せばバッチリね。

・・・・

・・・・・・・!

廊下の真中に立ってるのよ!

その私を避けるように右に左に身体をよけられた。

気が付かなかった?

三人とも牧野とか司とか言っちゃって話に夢中だからかな?

追いついてまた前に出る。

「あんた邪魔」

邪魔って!

何事もないように花沢さんは遠ざかる。

F4って・・・

顔がいいと自分の相手に美貌は求めないのかしら?

私のかわゆいこの顔が邪魔してるのかも。

きっとそうなのよ!

それならしょうがないかな。

「返して」

「もともとお前んじゃねェだろうが」

道明寺が背を逸らせる様に上に上げてる右手に私が必死で飛びついても20㎝はまだ遠い。

手に持ったDVDを私の鼻先に突き付けてはまた天井に届くように移動させる。

遊ぶな!

そんな道明寺の動きが一瞬止った。

「おふくろ・・・」

つぶやく声は不思議なものでも見たようにぽかんと唇を開いてる。

お母さまが笑ってる・・・。

それも木崎君相手に・・・。

「今回は本当にごめんなさいね」

「いえ、僕もたのしかったですし・・・」

返事をそう返した木崎君が私たちに気が付いた表情を返した。

「こいつとどういう関係なんだ?」

不機嫌に歪む道明寺の表情。

それは木崎くんじゃなくお母さまに向ってる。

「なに企んでんだ」

「人聞きの悪いこと言わないでもらえるかしら」

氷の微笑

その表現がピッタリ。

「司が覚えてないのも無理ないかしらね」

「昔はよくいじめられてましたから」

「ほら、初めてつくしちゃんに会ったとき、落ち込んでたろう」

その木崎君を慰める様なことになったんだよね。

「あの時の悪の根源は道明寺司

木崎君は懐かしそうに目を細めて笑った。

そこ笑えるとか?

「俺はお前なんて知らねぇよ」

初めて会ったあの時のあの時の体系からの変貌は確かに私の記憶から木崎君を追いだしてしまってる。

道明寺が分からなくてもそれはしょうがない。

その上、道明寺はいじめた相手多すぎて覚えてないんじゃ・・・

私達が中学3年だったった道明寺は英徳の一年で・・・

それは十分にあり得る。

でも目の前で笑ってる木崎君には復讐を企ててる感じには見えない。

お母さまとの楽しそうに話しちゃってるし・・・

「白豚とか言われて馬鹿にされたし、10人前の量を食べろって強要されたこともあった」

「お前・・・隆弘・・・か?」

ようやく思い出したような呆けた道明寺の声。

だらりと下がる腕。

よし今!

そんな私を見下ろして道明寺がチッと舌を鳴らす。

道明寺の手からDVDを奪って胸の前で抱きしめる。

二度と取られないから!

木崎君は父親は世界でも有名な建築家でお母さまは古い知り合いらしい。

て、ことは・・・。

木崎君も御曹司ってこと?

だったらなんでセミナーに参加してるの?

「ごめん、本当に君に会いたかっただけだから」

木崎君に私が初恋の相手とか言われちゃってる事は道明寺には内緒にしてほしい。

「新聞でさ、君が道明寺の婚約者だって騒がれた時はびっくりしたけどね」

それって、高校を卒業する前の話で・・・

今は誰も憶えてないと思う遥か昔の記事。

「君のおかげで道明寺は変わったって聞いて、会いたくなったんだ」

その情報源はお母さまだと教えるように木崎君は視線をお母様に向ける。

表情を変えないお母さまを見て何時もピリッと緊張しちゃうけど、

そんな風に私を思っていてくれることに感動しちゃってる。

「今回のことを西田から連絡を受けた時、信用できる誰かにそばについてほしかったの。

SPだとバレバレになるでしょ。

自然につくしさんの側にいても警戒されない相手。

木崎君があなたと知り合いだと知って適任だとお願いしたの」

道明寺はどれだけ私に惑わせられずに感情をコントロールできるか知りたかったんだと、一番の目的を告げられた。

道明寺・・・これ聞いて怒ってないよね?

「でっ・・・合格か?」

チラリと見あげた顔は冷ややかに呟く。

それはどちらが合否を告げる面接官か分からない雰囲気。

「合格よ」

ひゃー

心臓が凍りそうだ。

「つくしちゃん、君に会えて良かったよ」

差し出された手に思わず握手で返しちゃった。

直ぐに道明寺の手刀が振り下ろされて切られちゃったけど。

「おい、またいじめられたいのか」

「大人気ない」

ピシャリと空を切る鋭い声。

「いいだろうが」

拗ねた様な表情を見せる道明寺にお母様との関係も良好なんだと分かる。

「残念だけど君のことはあきらめるよ。あんな告白聞いたらね」

片目をつぶってウインクを作る木崎に一瞬にして私は思い出してしまった。

DVDはまだ私の手の中だ。

ホッ・・・

「安心してんじゃねェよ」

「削除する前にデーターは俺のPCに送らせてるから、そのDVDお前が持っていてもいいぞ」

え?

道明寺の悪魔の微笑。

ずる賢過ぎないか?

慌てて行き先を執務室に変えて走った。

「転ぶぞ」

余裕のある道明寺の声。

ムカつく!!!

拍手コメント返礼

メガネちゃん様

塚原劇場書かないと続きが書けない。

なんだか損な感じになっちゃていたんですよね。

これで終わりと思うと一抹の寂しさがあります。

御曹司にSPの某所での妄想列車楽しかったですね。

木崎君の設定は私には珍しく最初から決めていました。

楓さんが依頼したって設定。

西田さんから話を聞いて司を必要以上に刺激しない様に予防線を張る。

それでいて司を度量を図る体勢を楓さんがとるとしたらどれが一番いいかなと考えて作ったキャラが木崎くんです。

さぁ最後はつくしちゃんにご褒美もらえるか、殴られるかどっちでしょう♪

かーちゃん 様

司君も変わったけど楓さんも変わりましたよね。

つくしちゃんのことしっかり認めてくれちゃってますものね。

なる 様

木崎君の正体はこんなもので~

司君抜け目ないな~

でもつくしにPCに送ったことまで言わなきゃいいのになぁと書いた私が思っちゃってます。

みわちゃん 様

これで合格上げちゃっなんてお母様も甘い(笑)

一コマ最終話は豪華な仕上がりで~

類の「邪魔」が~

それでもメゲナイ真実氏は意外と大物?

クリスタルガーデン 様

お褒め頂き光栄です。

木崎君の正体引っ張りましたが最後にしか明かせなかったんですよね。

司君こんな時は頭働くんですよね。

つくしちゃんソロソロ観念しなきゃいけませんよ~。

Gods &Death様

ヒントは入れてたんですけど・・・

某所での予想はSPか御曹司でした。

妥当ではないでしょうか。

本気でつくしにアタックさせるキャラを想定したわけじゃなく、

もともと見た目が変わった設定は、つくしが気が付かない為じゃなく司が思い出さない設定にしたかったから、

楓さんと楽しく食事させたのも親しい設定を小出しにしてたんですよね。

司は多分知り合いの領域にはいれてないはずの木崎君。

納得していただけないのは残念ですが、まあこんなもんでお許しを~

でぶねこ 様

つくしとはまた違った雑草魂?

しつこさに図太さが備わったらこんな最強キャラが誕生しちゃうんですね。

楽しかったのはまさにこの塚原キャラのおかげかな。(笑)

ゆみん 様

総二郎とあきらなら女の子ってだけで優しくなれちゃいますからね。

その二人も気にも留めないって意味分ってないですよね。

ゆきこ様

そうなの~

司とも知り合いあいだったというオチ♪

SPに御曹司いろんな想定に私はもし私の考え分っちゃったらどうしようとドキドキ物でしたよ。

>しかも、何気に楓さんにかかると、ひつじが司で、惑わすつくしちゃんがオオカミともなりますね〜。

いろんなひつじちゃんとオオカミが想定できるんですよね。

司と西田さんとか。

つくしちゃんと塚原さんとか。

いろいろ置き換えられるようにお話を作るのもたのしいのではないかととの私の想定があったんです。

気が付いてもらえて良かった~

かえまま 様

今回ピシッと決めるのは楓さん以外にはないと思っての登場です。

駿くんが生まれる頃にはもっと丸く柔らかくなってるんでしょうね。

それでもしめるところはしめるんだろうなぁ。

>塚原さんに過去のドラマ桜子風に『あなたにお母様なんて呼ばれる覚えはないわ!』

塚原さんならだから代表が牧野つくしを嫌いだと言えないのよ!

と返しそう。

絵梨 様

類が一番冷たく速攻で胸に突き刺さる言葉を投げますよね。

無関心な人には冷たいだけ冷たいだけの類がつくしに見せる優しさはツボで~

瑛里 様

今回は司君も頑張りますよね。

自分の楽しみのためだからなぁ~。

F3もきっとあとは勝手にってでて行ってくれそう・・・

それともとことん邪魔するかなぁ~

どっちだろう・・・(^_^;)

akko

『ないしょ~』に出てくるオリキャラ加川さん思い出しちゃいますよね。

お節介おばさんの勘違い懐かしいなぁ~。

2人が一緒になったら・・・

時期的には顔を合わせてもおかしくないかな~

勝負がつかずに収拾がつかなくなる感じしますよね。

見たいかも~♪