一秒ごとのLove for You 24
きな臭い感じに・・・
いえいえここはソコまでの事件にはならない予定・・・と・・・予定してます。
爆破未遂があったのに?
容疑者は捕まってる設定ですから~
って・・・私は何がしたいんだろう・・・(^_^;)
道明寺が狙われてる?
それは今に始まったことじゃない。
だからいつも目立つくらいのSPをつけてるんだし・・・
その威圧感で道明寺が近付くのが分る位の物々しさ。
慣れてる部分もある。
爆発って尋常じゃないよね?
だからって、公平がおかしくなるほど悩むのは不思議な気がした。
「ねぇ、本当にそれだけ?」
聞きかけた私を遮ぎるように道明寺の腕が胸の前に伸びた。
「俺に何かあったらお前が悲しむだろう」
表情の見えない道明寺の背中が目の前を覆う。
「俺を守るというよりお前を泣かせたくないっていう友情だよな?」
尋ねてると言うより押しつけてるような道明寺の口調。
返事をするわけでもなく公平はただ黙って私を見つめてた。
えっ?
突然身体を道明寺によって180度変換させられた。
私の視線は公平から部屋に入ってきたドアの方向に向けられてる。
「帰るぞ」
えっ?
もう?
「1分で肩付けるって言ったろう?」
言ったって・・・
道明寺が狙われてるって聞いただけで・・・
頭の中でいろいろ考えちゃってどうするか決められないうちにドアの方に押しやられてしまった。
「余計な悩みをこいつに植え付けるんじゃねェよ。
最初から俺に会いに来れば済むはないだろうが」
「あなたにはなかなか会えないですから」
公平の声が久しぶりに聞こえた。
道明寺が開いたドア。
ところてんを押し出す様に部屋の外に私は出される。
ちょっ!
目の前で閉まりかけたドア。
出てこない道明寺に気がついて締まるドアの間に足を一歩踏み込んだ。
「私だけ、追いだしてなにする気?」
ジロリと私を見下ろした瞳の奥に灯る蒼い炎。
静電気にも似たしびれが開こうと握りしめたドアノブから身体に流れた気がした。
「連れて行け」
何時のまに来たのか私の後ろには相葉さんと千葉さん。
つれて行けって何処に!
それより道明寺は私を追いだしてどうする気だ!
強制送還の勢いで両脇から千葉さんと相葉さんが私を確保する。
何時も遠慮がちで、私に触れることを躊躇う二人が道明寺の目のまで私の身体に触れるって・・・
この二人・・・本気だ。
たぶん道明寺からの命令がしっかり出てるんだと私に印象付ける。
冷酷さと獰猛さと威圧感を全身に漂わせる道明寺に逆らう気力が奪われていく気がした。
あんな道明寺を見たのは久しぶりだ。
ズズッと引き裂かれて遠ざかる294号室。
パタンと目の前でドアが閉まって道明寺の姿が消えた。