PHANTOM 29

勝手に勘違いしてる司君♪

つくしちゃんは司の逆鱗にふれたことまだ気がつてないんですよね・・・(;^ω^)

どうなる?どっちに転ぶ?転がせるぅ~♪

楽しくなる予感は10%程度だったりして・・・。

リザードの中に閉じ込められた冷たさが身体の包みこむ。

道明寺の瞳に奥の冷たさが背筋をゾクッとさせた。

なに?

いったいなぜ道明寺がこんなに不機嫌になるのか私には全く理解不能

私・・・

道明寺を怒らせるようなこと何か言った?

二人の思い出の舞台に二人で行きたいって言っただけだだよね?

あの舞台が道明寺に不愉快な印象与えてた?

舞台のあとの私たちは舞台のすばらしさに酔って興奮してた。

その高揚感のままに車の後部席で道明寺の指が唇が私の肌の上を滑り落ちて・・・

「やばいっ」って光悦とした表情で私を見つめる道明寺と甘い吐息が触れた唇。

いつもより淫らな感覚に包まれて違う自分の一面を知った夜。

道明寺が不機嫌になる要素って別のことなのかな?

自分のしゃべった言葉を必死に思いだそうと思えば思うほど眉が眉間に寄ってきた。

「お前な、何考えている」

まだ道明寺の声には不愉快な感情が乗っかったまま。

こんな時の道明寺はその場の空気もガッチガチに凍らせてる。

もう周りを氷の山に囲まれてる気分。

「なにって、道明寺を喜ばせようと・・・」

「こんな仕打ちされて俺が喜ぶと思ってるお前はバカか」

バカって・・・

それに仕打ちって・・・

朝からひどい仕打ちをされてるの私だよ。

離婚届に勘違いされてからここまで私を責めてるの道明寺だよ。

あっ・・・

勘違い・・・

まさか・・・

何か勘違いした?

勘違いさせるようなこと私言ったっけ・・・

言ってないつもりだけど・・・

観察するように道明寺を見上げた。

青筋をたてった道明寺は爆発寸前。

「なにか、勘違いしてない?」

キョドッたままに恐る恐る小さい声でつぶやく私。

「こい」

グイと捕まれた手首。

そのまま店を連れ出されて路肩に止まって待っていた車の中に放りこまれた。

無言の道明寺と息もたえだえの私を乗せて静かなエンジン音で走りだす車。

どこに行くつもり?

それさえも聞くことを阻む青白いオーラの道明寺。

ここまで道明寺が怒ってるの久しぶりに見た気がする。

久しぶりに感じた身の危険。

思わずギュッと自分の身体を守るように両手で抱きしめたしまってた。

どのくらい走ったか・・・

車は滑るように地下の駐車場に入って車を止めた。

見覚えのある駐車場は時々使用してるホテルの地下だとわかる。

車から降りた目の前の扉の向こうは最上階スィートルームまでの専用にエレベーター。

無言のままの道明寺に連れられてエレベーターの中に。

「誰も来なくていい」

SPを立ち止まらせるに十分すぎる威圧感。

私と道明寺の二人だけを乗せてエレベーターが動きだす。

「これで、二人っきりだ」

伸びてきた道明寺の腕はドンと私の頭の上を通り越して壁に手をつく。

その腕の動きを目で追っていた私はごくりとつばを飲み込んだ。

心臓が・・・

ドクンと音を鳴らす。

口から心臓が飛び出しそう。

「お前、本気で俺以外の男を誘うつもりだったのか?」

・・・・

え?

意味が分からない。

誘うって・・・誰を?

「私が誘ったのって・・・ど・・・」

「松岡・・・」

どうしてここで道明寺の口から公平の名前が出てくるのか意味不明だよ。

思いもよらない公平の名前に動揺が隠せない。

「な・・な・・な・・に・・いっ・・・て」

ドンッ

返事の代わりに聞こえたのはもう片方の腕が壁を突く音。

ひゃーっ。

「お前が誰のものか、わからせる必要があるな」

唇に触れる道明寺の息。

唇に感じる熱はそのまま道明寺の熱を私の肌に押しつける様。

硬直した身体の奥からしびれに似た感覚が背筋を通る。

わかってるから!

わからせる必要なんてない!

「あの・・・道明寺・・・ここは落ち着こう」

「私、公平を誘ってないから」

「今更いいわけなんて聞かねぇから」

言い訳って!

その前に何をどう道明寺が勘違いしてるのか教えてほしい。

今の私は逃げ場をなくして戸惑う仔羊。

到着音が遠慮がちに響いてエレベーターの扉が開いて柔らかく流れ込んだ空気が別世界に思える。

「誰ともつきあえないようにしてやるよ」

おぼつかない足取りのまま倒れそうなの私を道明寺が強引に連れていく。

しびれを切らしたように道明寺の肩の上に抱きかかえられたしまった。

「ちょっ!」

ばたつかせた腕と足は道明寺の身体を打つ。

「おとなしくしろ」

イラッとした道明寺のその声に素直に従うつもりはない。

このまま乱暴に扱われたらヤダ。

「道明寺、なんで怒ってるのよ!」

ようやく一番言いたい言葉が言えたのはスイートルームの幅広いキングサイズのベッドに投げ出された後だった。

拍手コメント返礼

りり様

ここからどう誤解を解くかにつくしの運命がかかってますよね。

さぁどうなるかな♪

りん 様

どうしようもない勘違いも誤解が解ければ司が有頂天になることは間違いなし。

ちょうど拍手コメをいただいたときにこの続きの30話を書き上げた時でした。

もちろんハッピーエンドです。

・・・が、司君不完全燃焼かも・・・(;^ω^)