DNAに惑わされ 31
駿君の大学生が早く見たい。
最近良くそう思います。
もち想像してるのは花男の頃のJ君なんですけどね。
きっと司パパを上回るイケメンになってるはずだと思うのです。
大学の頃の二人は一度だけ書いちゃってるんですけどね。
足らないなぁ・・・(^_^;)
僕らがロスに着いたその2日後には監督が渋い顔でやってきた。
「駿も来てたのか?」
渋い顔は僕を見つけて悪戯っぽく笑う。
来てたかって!
鮎川が日本を離れる様なことを僕にほのめかしたのは監督。
「男一人だと何かと弱い」
僕の肩に腕を回して耳元でボソッと小さくつぶやく悪びれない声。
どれだけ焦って悩んだことか・・・
鮎川を追いかけて飛行機に飛び乗ってロスまで来てしまった。
今は追いかけて、鮎川と過ごせた時間が二人の距離を縮めてくれたって思う。
「感謝してます」
僕の言葉に意外そうな表情を監督が浮かべた。
「まだ、付き合いを許したわけじゃないからな」
本気なのか冗談なのかわからない表情の監督が思い切り手を振り上げる。
えっ?
父親が娘の彼氏を殴るってやつ?
バシッ!
覚悟を決めて目を閉じていた僕の身体が前によろめく。
大きく音をたてたのは僕の背中。
パーで手形が背中に残ってる気がした。
「悪さするなよ」
何事もなかったように囁いて僕から家族の元に戻る監督。
これって・・・
鮎川との交際は認められたって思っていいものなのだろうか?
久し振りの親子水入らずの時間に僕が混じるのはなんだか違う気がして、先に帰って鮎川が戻ってくるのを待ってると告げた夜、招待された食事はクルーザーでの船上のディナー。
久し振りにタキシードを着こんだ。
鮎川は胸元がV字の大胆なカクテルドレス。
パティーには慣れてるはずなのに初めて見る鮎川のドレス姿から目が離せない。
ドレスの上からも想像力が働いてしまう。
鮎川って意外と胸あるんだ・・・。
横に並ぶ鮎川に僕の表情は見えないはず。
見えてたらやばいかも。
シャンパンで酔っぱらった監督は上機嫌で、鮎川に何かとちょっかいを出す監督。
これ食べろとか、これおいしいぞとか、流れてくる音楽を知ってるかとか?
相槌を打つだけの鮎川が僕に視線で助けてと合図を送る。
親孝行してやれよ。
一文字ずつ僕は唇で形を作る。
娘の機嫌を必死でとろうとする姿は僕んちと変わらない。
思わず監督の味方をしたくなった。
鮎川は監督の相手をしながらその横で母親とは今流行りのファッションの話をして盛り上がる。
こんな無邪気な彼女を見るのは初めてで・・・
何時もはクールで他人を寄せ付けない殻をまとってるところがあって・・・
時々見せる翳りのある表情は大人びた印象で・・・
今の鮎川は少女みたいな笑顔を見せて、本当の鮎川を見た気がした。
鮎川の両親はどうして別居してたんだろう。
そんな疑問まで浮かぶ仲のよさ。
クルーザーが左に進路を取った影響で少し船が傾く。
「おっと」
重心をとる様にテーブルの端を掴む。
同じように重心を取ろうとした鮎川が僕の手の上に自分の手のひらを置いてつかまった。
慌てるように視線は2人の重なった手の上から監督の表情をうかがった。
監督は彩華さんと楽しそうに談笑中。
「ビビってる?」
僕の心を見透かす様にちょっと意地悪な瞳が僕を覗き込む。
「悪さするなって言われちゃってるからな」
思ったより軽い調子で声が出た。
手を握るのには何の躊躇もしなくなった。
軽く触れあうキスも何度か体験してる。
それでも今日は緊張せずにはいられない。
鮎川が何時もは一番気になるけど今は鮎川の両親が気になってる。
それはしょうがないと思わないか?
鮎川の指先が動いてキュッと僕の指を掴む。
だから見られたらヤバいって。
「菜花、明日は何する?」
突然の監督の声にサッと手をテーブルの下に引っ込めたのは鮎川の方。
両親が気になってるのは僕だけじゃなかったらしい。
ククッと笑い声がこぼれてしまった。
なによとちょっぴり拗ねた瞳が僕を睨み付ける。
もう遅いって。
本当の鮎川の姿を見た記念日に今日はなりそうだ。
拍手コメント返礼
ずんこ様
お久しぶりです。
コメントありがとうございます。
満腹になって頂いたようでうれしいです。
まとめて読んでいただいた方がきっと楽しめる気がします。
連載が増え過ぎちゃってますからね。
消化不良おこしちゃったどうしようと思いながら更新させていただいてます。
またお暇な折にはよろしくお付き合いをお願いします。