Rainy Blue 7
序章でも書きましたがこの題名で思い出すRainy Blueの曲。
某所で新しい題名をくださいとお願いしたところ『Rainy Blue』の題名をいただきました。
雨の別れといえば花男でも名場面のあの場面。
それに繋げて話を書き始めました。
題名からの印象で悲しい別れを思ってお話が読めませんという感想もいただいちゃってます。
司がつくし以外の女性にやさしくしちゃってるしな・・・(^_^;)
でも大丈夫ですよ。
つくしを悲しませるようなことをしたら司にはおしりぺんぺんが待ってますからぁ~
というのは冗談で、最後は必ずハッピーで締めくくるとお約束します。
『レイニーブルー もう終わったはずなのに
レイニーブルー 何故追いかけるの
あなたの幻 消すように
私も今日は そっと雨』
歌詞がこれだからなぁ~
心配させて申し訳ないです。
でもお話は楽しんでくださいね。
コツコツと響く足音。
玄関を開けた先に光りを反射して床に映し出される俺の姿。
何時もより丁寧に磨きあげられた床の先でまだ必死にモップを操ってる影が動いてるのが見えた。
「大体、一人で住むには広すぎでしょう」
モップの棒の先に顎をのせながら聞こえたため息。
「いつまでも一人でいるつもりはない」
何時でも牧野が住める用意は整ってる。
あいつが来るより俺が日本に帰る方が早いかも知れないと思いながら整えた住まい。
「あっ、お帰りなさい」
気まずさを隠す様にその声は明るく取り繕う。
一瞬牧野の声のトーンと重なった。
この女は牧野じゃない。
帰り際に沸き起こった疑問。
もし・・・昨日の事故が偶然じゃなく俺と接点を持つために仕組まれたものだとしたら・・・
このNYで日本人の俺が日本人にぶつかる可能性はそう高くはないはずだ。
写真を撮られて西田がそれを直ぐに抑えたのも出来過ぎに思えてきた。
まさか、お袋が・・・また。
そんなはずがあるか。
牧野のことは認めてるはずだ・・・よな。
道明寺の人間となるための教育プランだと4年間の花嫁修業スケジュールをを見せられたのは、
ついこの前の出来事。
おふくろは牧野の教育に仕事以上の情熱を注ぎそうだった。
今さら、邪魔できるのなら邪魔してみろ。
あいつのことを諦めようとして諦めきらなかったことは自分が一番知ってる。
あいつがいない人生なんて生きててもしょうがない。
昨日から降り始めた雨は未だに路上を濡らしてる。
車の窓を伝う雨の雫を追いながら数日後には一緒にいるはずのあいつを思い描いてる。
「まだいたのか」
なんとなく牧野と重なる女の態度と仕草が鼻についた。
昨晩の俺はどうかしてた。
西田に言われて考え直したわけじゃない。
「一宿一飯の恩です」
雇えと言ったのは今朝だぞ。
「日本への航空チケットだ。今から送らせる」
テーブルの上に置いたお金のチケットをじっと見つめる視線。
「もらう理由がありません」
すーっとテーブルの上をスライドして俺の前に突き返す様に指が動く。
「泊めろとか雇えとか言うのにチケットはもらえないって言うのは矛盾してると思わないのか?」
「それは・・・」
返事に詰まる声はそのまま無言の沈黙。
「俺にはここまでする理由は本当はないんだぞ」
このまま外に叩き出さないのはあいつの影響なのは否定しない。
離れていても牧野のスゲー影響力を感じてる。
スーツの内ポケットからとりだした数枚の写真をテーブルの上にばらまいた。
西田が俺に見せた無断で撮られた写真。
「お前が、撮らせたのか?」
「危うくタブロイド紙に載るとこだった」
建物の中に抱きかけられるように消える俺達の一枚の写真を手に取って食い入る様に見つめてる。
今初めて知ったという様な表情を浮かべた。
これが演技ならたいした女優だ。
「これって・・・」
「私ですよね?」
ハッキリと俺とこいつ、蓮華だと確認できる。
西洋人には日本人の違いには疎いから見分けがつくかどうかは疑問。
見せたくないのはただ一人牧野にだけ。
「この写真載せられませんか?」
はぁ?
この女気は正気か?
怒鳴りたくなる感情を抑え込むように手のひらを握り込んだ。
我慢の限界で爆発されば俺はなんの躊躇も見せずに目の前の女を叩き出すことが出来る。
「タブロイド紙にわざわざネタを提供する必要は俺にはない」
数日後にはNYにやってくる牧野が目にしたらどうする。
それでなくても日本のマスコミはアメリカの情報誌に飛びつくのは速攻なんだぞ。
数時間後には日本でも情報を共有できる速さだ。
「どうしても、会いたいんです」
俺は会いたくねぇよ。
・・・って?誰にだ?
「NYに来たのはその人に会いたかったからで・・・でも会えなくて・・・
そしたらスリに合って、事故に合ってしまって・・・」
こいつの事情は知るかッ!
「お願いです、会いたいんです」
必死な哀願。
すがるような瞳。
かすかに潤んだ瞳は牧野に見つめられてるような錯覚を俺に抱かせる。
「それって、男か?」
俺の言葉に一瞬蓮華の身体に緊張が走った様に見えた。
拍手コメント返礼
みわちゃん 様
このお話ここから少し入り込んできちゃう予定です。
蓮華の人間性を疑う様な願い事。
普通この時点アウトですもんね。
一発退場を願ってる読者が多いと思ってます。
まちゃこ様
まちゃこ様~ひとつ見逃してますよ~
神宮寺さん日本です。
あっ・・・なんらかの手違いでNYにいると思い込んでるパターン?
ふふふ~
どうでしょう?
Gods & Death 様
最初からこの子なんなの~問設定で書いてますからね。
ここからです!
この行動に隠された裏のお話!
あるのかな?(^_^;)
mizuta様
台風は勢力が弱まったためにほとんど風も強くなく雨の量もそこまで増えず何事もなく通過してくれました。
最近は本州の方が大変そうですよね。
今のところ蓮華さん塚原さんと同等のイラッとする女性ですよね。
本当にねぇ、なんて頼みごとするのかしら。
司がOK出すわけないよ~
へへへ・・・
私の策略ですか?
大いにのっかって頂くとうれしいな。
ここからいろいろとお話は入り組んで展開させていく予定ですよ。
さわね 様
いくらつくしと重ねてもつくしに変わりが出来るはずないのにね。
司~目を覚ませ!と一発殴っちゃいますか?
曲聞きました?
私ももう一度聞いてみよ。