ANSWER 5
舞に声をかけたのが佑じゃおもしろくない。
司も優しく声をかけるはずはないしなぁ・・・
ということは?
続きからご確認くださいね。
呼びかけに気がついて弾ける笑顔。
僕の後ろでは怪しく光る眼光が大きく迫る。
直ぐに舞を連れて行かなきゃ僕が頭からがぶりとやられそうだ。
はぁ・・・
小さくついたため息は直ぐに隠してもう一度「舞」と名前を呼んだ。
「翼たちは?」
「来てると思うけど私はおばあ様に連れまわされてたから」
数歩歩けば近くに行ける距離でおばあ様が僕に軽く手を上げて合図を送るのが見えた。
舞の継ぎは僕を連れまわす気だ。
今おばあ様の話してる男性の横には僕らと同じくらいの年ごろの女性が並ぶ。
まあ・・・
慣れちゃってるけど。
「あいつ誰?」
腰を折って舞の耳元声を落として小声で呟く。
「英徳の一つ上の先輩で大内代議士の息子」
いろんな人材と知り合うのは将来的には大事なことで、英徳に通うのも人脈を広げるのが一つの目的。
温室育ちの我儘などうしようもない知り合いになりたくもないタイプも多い。
同じ育ちより違う育ちの方が新しい何かを教えてくれるって思う。
チラリと向けた視線の先で確認する横顔。
舞の一つ上には見えない落ち着き。
額に軽くかかる前髪。
長い睫毛の瞳には知的な光りを宿す。
佑とは違う力強さと意志の強さ秘めた瞳の輝き。
ここにいる中じゃ上等な分離類に入りそう。
おばあ様が舞に紹介する時点である程度のふるいにかけてるとは思う。
出来れば僕に紹介する相手も選んでほしい。
僕に興味を持たないタイプ。
挨拶だけで媚を売らないような子。
気楽に少しの会話で離れて行ってくれてる女性だけにしてほしい。
菜花を無理やりでも連れて来れば良かった。
「舞は、大内・・・だっけ?知ってたの?」
「まあね・・・先輩だから・・・」
舞、知ってるか?
お前が何か隠してるとき瞬きが多くなるって事。
チラチラと盗み見する様に大内に向ける視線。
何を隠してるのか・・・
・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・?
確か学校で舞が怪我した時に、先輩が助けたとか言ってなかったかったか?
それに佑が嫉妬してケンカになったと聞いた記憶を思い出す。
ふと気がついた視線は父さんのそれじゃなく、佑の視線。
僕がいることに落ちついたのか言葉の聞こえない距離で立ち止まってるのが見えた。
「初めまして、大内恭介です」
先に僕に近づいてきたのは大内。
「道明寺駿です。よろしく」
条件反射の様に型にはまった挨拶。
父さんなら舞を奪う様にこの場から離れるって思える。
どんな態度を示してもそれが許されるのは道明寺司。
機嫌を損ねない様に取り繕うことに招待客も必死さを見せる。
「舞が世話をかけた様で、その節はすまなかった」
なんでわかったのかと焦ってる舞が僕を見あげる。
だから、分るんだって。
クシャと手のひらで髪の毛を撫でたい気分。
妹が可愛くてしょうがない感情は昔から変わらない。
「たいしたことはしてませんから」
言われた思い出したような態度で大内がつぶやく。
それを縁になんて思わないやつは珍しい。
それじゃと僕らの前から大内は離れた。
「いいやつじゃん」
「いいやつじゃないわよ」
不機嫌に口を尖らせる舞が無性に可笑しくて笑いを必死でこらえた。
拍手コメント返礼
さわね 様
佑君がなかなか到着しなくて~(^_^;)
>大内先輩vs祐!のバトルみたかったなぁ~♪
これからですよ~。